造作ソファのメリット・デメリット
今回は「造作ソファのメリット・デメリット」について解説します。造作ソファーに興味はありますか?もしかすると、知らない方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、造作ソファーを作る意味やメリット・デメリット、そして注意点についてお話しします。
まず、メリットですが、造作で作るためデザインの自由度が高いのが魅力です。家具屋で購入する場合は既製品の中から選ぶことになりますが、造作ソファーなら自分の家の内装に合わせて自由にデザインできます。色もブラウンで統一したり、一部だけアクセントを入れたりすることも可能で、インテリア全体の統一感を出しやすくなります。「デザインの自由度が高い」とお伝えしましたが、特に座面の自由度が大きなポイントです。座面とは座る部分のことですが、私はソファーの上であぐらをかいて座るのが好きで、家内は横座りを好みます。そうした個々の座り方に合わせて、座面の形や広さを調整できるのは造作ソファーならではのメリットです。
市販のソファーは、お尻の丸みにフィットするように波打ったデザインのものが多く、寝転がるには少し不便なこともあります。その点、造作なら座面をフラットにし、広さも好みに合わせて作ることができます。背もたれの高さも選べます。背の高いソファーを好む人もいれば、私のように低めのデザインが好きな人もいます。壁際にソファーを置く場合はあまり気になりませんが、部屋の中央に置く場合、高さがあると空間を仕切ってしまうので、開放感を出すためには低めの背もたれが有効です。
また、市販のソファーは売り場で見るとスケール感が狂いやすく、家に持ち帰ったら「思ったより大きい!」と感じることがあります。メジャーで測っても感覚はずれるもので、結果としてサイズが合わず、部屋にしっくりこないことも。造作ソファーであれば、空間に合わせてサイズを自由に決められるため、そうしたミスマッチを防ぐことができます。特に私のように座面の広さにこだわりがある人には、造作ソファーは非常におすすめです。
さらに大きな魅力の1つが、デッドスペースを作らない点です。市販品では部屋の幅に合わず隙間ができることが多く、そのスペースはただ埃が溜まるだけになりがちですが、造作なら壁から壁までぴったり収めることができ、無駄なスペースをなくすことができます。最近では「ヌック」という、ちょっとした居心地の良い空間という考え方も広まっています。階段下のデッドスペースなどに造作ソファーを設けると、まさにヌックのような「たまり空間」になり、自宅の寸法にぴったり合う美しい仕上がりになります。
ソファーというとリビングのものという印象があるかもしれませんが、実はダイニングにもあると便利です。最近はベンチタイプの座席が流行りましたが、木製のシンプルなベンチでは長時間くつろぐのには向きません。その点、背もたれ付きの造作ソファーなら、よりリラックスできる空間になります。私はお酒を飲むのが好きなので、ダイニングでゆっくり飲みたいとき、背もたれがあると嬉しいです。L型に造作すれば、家族や友人と並んで食事を楽しむのにも最適ですし、小さなお子さんがいるご家庭なら、より使いやすくなるでしょう。将来孫ができたら、隣に座って食事をして、そのまま横になって寝てしまう…そんな光景を想像するだけで、幸せな気持ちになります。
座面や背もたれのクッションは、使い続けるうちに汚れやへたりが出てきますが、造作ソファーならカバーや中身だけを交換できるため、長く快適に使えます。素材も自由に選べるので、肌触りや季節感に合わせて工夫することができます。さらに、掃除のしやすさも大きなメリットです。一般的なソファーは床に隙間ができて埃が溜まりがちですが、造作ソファーは床と一体化しているため埃が入りにくく、下を収納スペースとして活用することもできます。安全性の面でも、固定されているので地震や子どもの動きによるズレの心配がありません。結果としてソファーを別途購入する必要もなくなり、家具の数が減って空間がすっきりします。
一方、デメリットとしてはレイアウトの自由度が低くなることが挙げられます。移動ができないわけではありませんが、固定されている分、大きな手間がかかります。そのため将来的に模様替えをする可能性がある場合は、よく考えてから導入する必要があります。コストも、既製品に比べると高くなりやすいです。ただし、素材や仕様を調整することで予算に合わせて工夫することも可能です。もうひとつ気をつけたいのが、仕上がりのイメージです。造作ソファーはショールームで実物を見たり、座り心地を確かめたりできないため、過去の事例や模型を活用して慎重に確認することが重要です。
また、家族全員の好みに合うとは限らない点にも注意が必要です。私は座面が広めのソファーが好みですが、妻にとっては「広すぎて落ち着かない」と感じるかもしれません。奥行きや高さ、傾斜の角度などは人によって快適さが変わるため、家族でよく話し合いましょう。設計から製作、施工まで時間がかかる点も、市販品とは違うポイントです。さらに不要になったときの撤去も簡単ではなく、解体費用がかかることもあります。
寸法決めはとても重要です。座面の奥行きが深すぎると「どう座っていいかわからない」と感じる人もいます。私はリラックスしたいときは奥まで座って足を伸ばしたり、あぐらをかいたりするので広い方が好みですが、それが全員に合うわけではありません。L字型であれば、背もたれに傾斜をつけることで快適性がアップします。どの程度の傾斜がよいか、事前に模型を作って試すのがおすすめです。
最近の住宅はベタ基礎が主流のため、床下にもある程度のスペースがあります。そのため、座面下を収納に活用することも可能です。ラグや敷物など季節ごとに入れ替えるアイテムをしまうには最適な場所です。外の物置では湿気が心配ですが、室内の床下収納なら衛生的で安心して保管できます。
このように、造作ソファーはデザイン性や快適性だけでなく、機能性にも優れた選択肢です。自分の暮らしに合ったサイズや形を実現できるため、住まいづくりにこだわる方には非常におすすめです。家族での過ごし方、来客時の使い方、収納としての活用など、1つのソファーで多くの役割を果たしてくれるはずです。ぜひ一度、検討してみてください。