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狭小地・小さな家のための床下収納活用法

今日は床下収納の活用方法についてご紹介します。

みなさん床下収納はご存知でしょうか。最近は廃れ気味ですけど、昔はよくキッチンとセットになっていて、どこの会社さんでも作られていたものです。具体的に説明していきますと、床下収納は床面に450〜600mmぐらいの大きさで作られることが多く、幅は600〜1200mmぐらいまであります。そこに大きな樹脂のケースみたいなものを入れて、いろいろな物を入れていくものです。醤油瓶・梅干し・お漬物の壺みたいなものを入れたりするイメージがあります。そういう所を、昔は必ずと言っていいほど付けさせてもらっていました。

今説明したタイプの最大のメリットは、場所を取らずに収納とストックができることです。また、足元でペタッとフタをしてしまいますので、人目に触れにくくなっています。梅干しとか漬物はゴチャゴチャしていますから、そういう物を見せなくてもいいのは嬉しいですね。床をくり抜いてポコッとはめ込むタイプは、簡単に外して潜っていけるため、点検口として使えるのです。こういうところがメリットかなと思います。

一方でデメリットもあります。使ってきた方はわかると思いますが、意外と出し入れしにくいです。フタを開けてかがまなければなりません。あと、最近はだいぶ改善されましたが、床下収納のフタは結構ガタガタします。昔はベニヤを噛ませたりして調整しましたが、なかなかガタガタしてきちっと組めないんですよね。私も若い時に苦しんだ記憶があります。そして、床下収納の出し入れしにくい性質上、入れた物がそのままになりやすいのです。「あ!梅干しを入れてるのを忘れてた」みたいな感じで、開けてびっくりすることがあります。また、フタがあるとは言え、開けたり閉めたりすることで中に小さなゴミが意外に溜まりやすいです。

昔は、床下というのは暗くて涼しげな所という感じでした。最近は床下エアコンを使うことが多いので、床下エアコンで温めると冬場と言えど床下も温度が上がります。そのため、冷たい物を冷やして置いておきたい時には注意が必要です。そういったところも最近はデメリットかなと思います。

最近は高気密・高断熱化が進んでいるため、床面で断熱する床断熱はまだまだ多いです。私たちは基礎断熱をやることが多いですが、床断熱は一般的だと思います。そうすると床断熱に穴を開けるわけなので、そこが断熱欠損してしまうのです。今までのように、ただフタだけフロアに差し込んだだけみたいなやつだと、そこが温熱的に弱点になります。テープで止めているわけじゃないので、厳密に言うと隙間もあります。そこから隙間風が入ってきたりすることがあるのです。

今は断熱・気密タイプと言って、パッキンが付いてフタもグッと入るようなものが多くなりました。床断熱の場合でこういうものを使う時、中に入れる物の温度と湿度を安定化させたければ、ケースの外を断熱材で包んでおくこともやった方がいい場合があります。そうなると点検口としての機能は難しくはなりますが、入れる物の保全ということを考えたらそういう使い方も必要です。

床下収納には結構重たい物を入れるので、基礎の土間との間に隙間がある場合は、スペーサー等をクッション材のように敷いておいた方が安心です。今の樹脂ケースは弾性というか粘りは一応ありますが、昔のやつはドンと置いたらパキっと割れてヒビが入ったりすることがありました。中に置く物によっては、そういう対策も必要です。

こういったことを踏まえれば、床下収納は活用できるものかなと思います。ただ、デメリットも割とあるので、すごく広い家でとにかく収納が欲しいから付けるというよりは、狭小地で建てる家・小さな家で工夫するために作るのがいいのかなという気がします。

床下収納は、キッチンのシンク前とコンロ前のちょうど間ぐらいに作ることが多かったと思います。なぜかと言うと、ここは比較的人間が立つ所ではないからです。でも、調理する時は結局ここも移動したりするので、邪魔になりますよね。ではなぜここである必要があったのかと言うと、頻繁に出し入れするための収納という前提の切り方だったのだと思います。台所の点検は、シンクの下が一番点検したいわけですから、ここに近い所に切ってあるのは理に適っています。ですが、仮にあまり出し入れしない物を入れるとすると、キッチンの対面テーブルの下に切っておくみたいなアイデアも、ないことはないですよね。これだったらシンクにも近いから、点検口としても使えます。頻繁に人が行き来しないので、使いやすいという例でした。

床下収納はずいぶん改善されていますが、作るとしたらまずは水回りの側がいいだろうし、出し入れするためには床下収納の周りが広い方がいいです。当然家具とか物が重なる所もダメだと思いますし、何より人の行き来が多いキッチンに作るのも無理があると思います。そのため、最近はキッチンではなく洗面脱衣場や納戸に設ける方もいらっしゃいます。用途によって上手に決めてください。

実は今、床下収納は大型化しています。昔は半地下のような大型収納がありました。床に対してハッチのようにパンと開いて、大きな部屋みたいなケースがあって、そこに1人の体が入るぐらいの広さがあるものです。通常の35cm・45cmではなく、1m近くあるような感じでした。ただ、狭い所に入っていきますので、私みたいなお腹がボンと出ている男性は入りにくいです。こういうものもあるということだけ、知っておいてもらえたらと思います。

その上で私は、特に小さい家には大型の床下収納はアリだと、最近強く思います。その時に知っておかれたらいいのが、株式会社S・DCというメーカーさんです。大型収納に特化して作られているユニークな会社さんで、ここの製品はいいものが揃っています。

床下収納って、意外とフタが重たいんです。この会社の製品がいいのは、トルクダンパーとかガスダンパーでフタを押して開けてくれるところです。軽い力で、ヒューッという感じで開きます。さらにサイズが70cmぐらいの幅で、長さが1400mmとか1800mmとかあるんです。イメージは、畳1帖に近い感じになります。例えば、廊下に長いハッチみたいな感じで作っても面白いですよね。

特にオススメなのは、小上がりの畳のコーナーです。あれにはよく引き出しを付けますが、奥行きがありすぎても出し入れしにくいですよね。時々長いものを作る人がいますが、いざ使ってみると「頻繁に使えるのかな?」という感じもあります。これを、手前70〜80cmは引き出しにして、奥の部分は大型収納ハッチで畳ごとパコッと開けられるようにすると、使い出があります。小上がりで40cmぐらい上がっていて、さらにその40cm下に深さもあるから、ある程度深い大型収納になるのです。

いろんな種類の花器や茶器を、季節や生活シーンに合わせて置きたい方なんかは、意外と置く所に困りますよね。ああいう物を入れたり、雛人形・節句人形みたいなものを置くのもいいかもしれません。こういうのに特化した部材があるので、それを頭に置いてもらうと、床下収納はすごく幅が広がってくると思います。

今までは家に備蓄していくことに懐疑的でした。結局古くなって最後はゴミで捨てることがあるから、最小限の物を置いたらいいのかなと、この20年近く思ってきました。しかし、最近は物が買えないという話がぼちぼち出ているじゃないですか。そうするとこれまで考えていた以上に、ひょっとしたら薬品とか洗剤とかを備蓄するようなことも、日常的には今後出てくるかもしれません。生活防衛の視点で考えたら、安く買える時に買っておくみたいな感じですね。

そんなに頻繁ではないけど、困った時用に長期保存という視点で床下スペースを活用することも、今後はニーズが高まってきそうな気もします。こんな床下収納の活用方法を頭に置いてもらって、家づくりに向かわれてもいいのかなと思います。ぜひ参考にしてみてください。

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