屋根の形で家の寿命が変わる?
今回は家の寿命に
影響が大きい屋根の
形状についてお話します。
屋根には
いろんな形があります。
切妻は一番、
家っぽいです。
もう少しシンプル
なのが片流れ屋根。
最近は太陽光発電を
のせる人が多いので、
屋根面積は太陽の
向いている方に
取りたいです。
そして伝統的な
日本の家屋に残るのが
寄棟というやつです。
もうちょっと
複雑な寄棟が
入母屋みたいなものです。
切妻と寄棟の間みたいな
ものもありますが、
今回はひとまず寄棟を
解説します。
そして最後に最近は
やたら多いフラット。
キューブ状の建物は
今、若い人に
流行っています。
あれが格好良いと
思われる方も多いので
その事についても
言及します。
これらの屋根のうち、
どれが一番耐久力が
あると思いますか?
これは年代によって
答えが変わります。
年寄りの方は
寄棟と言われる
ことが多いです。
でも私はこの中で
比べていくと一番
耐久力があるのは
切妻だと思います。
個人的には
視点が2つあります。
ひとつが換気です。
家の中では
人が住んでいたり
生活している限り
必ず水蒸気が
発生しています。
家の中は水蒸気が
絶えず発生しているので、
適切に換気して空気を
循環させないといけません。
そうすると屋根から
換気・排気していくものは
屋根裏でどんどんと
暖められるので上へ上へと
上がってきます。
上がってきて
どうなるかというと、
上の部分のどこかから
出していくことになります。
ここが問題に
なるんですけどね。
私がこれが良い
というのは
もう一つあります。
雨掛かりの問題ですね。
これも出し方によるので
一概にダメとは
言えませんが、
吹き降りに関しては
比較的壁に当たるというか
弱い部分があって
結構雨漏りの原因に
なることが
あるんですよね。
雨掛かりに関しては
不利に働くケースもあるので
切妻かなと思います。
では寄棟もいいと
言いますが、
換気の長さが違う
ということは
排気する量が
取りにくいです。
特に昔の家は
瓦の家が多いですが、
のし瓦を棟に
乗せていきます。
ドーム状の瓦で
ふたをしていく形に
なります。
これで排気させるのは
古い家屋では
ほぼ無理です。
最近は改良された瓦も
出てるのでそれを
使ったらいいとは
思いますが。
換気の絶対的な長さを
比べると短いです。
極論を言うと、
屋根の形状によったら
半分とか2/3の
排気量しか取れない
ことがあります。
耐久性の面では
確保するのが
難しいことがあります。
屋根によっては
そういうことが
起きる事を知って
おいていただきたいです。
私は片流れの換気も
ちゃんとした金物を
使わないと難しいし、
雨も入りやすいことに
なるので、何も考えず
値段本位で板金屋さんに
拭いてもらうと
拭きっぱなしみたいな
感じで空気を逃がすために
壁面から出すと
吹き降り問題があるので
難しいです。
だからそこも
注意をしてください。
そして棟のところも
例えば寄棟を道路斜線とか
北側斜線とかでカットを
しないと収まらないという
こともあります。
斜線制限の中でどちらも
斜線制限がかかっている
なら寄棟にしないと
いけないときがあります。
その場合は上り棟に
換気を取るやり方も
できます。
完成した屋根は
見えなくなるので
皆さんあまり気には
しませんが、ここで
しっかりしておかないと
屋根替えのタイミングで
換気をちゃんとしてないが
ゆえに野路板がボロボロに
なって、ごっそりと
やり変えないとダメで
ものすごくお金がかかる
という話もあります。
これは注意して
いただきたいです。
最後に一番
お伝えしたいことです。
フラットの屋根に
関しては換気が
結構難しいです。
換気がうまくいかないと
結露を起こしてわずか
半年で木が腐っていました。
フラット屋根は
かっこいいかもしれませんが、
換気をどういう風に取れか
ということは工務店さんとか
ハウスメーカーさんに
詳しく解説して
もらってください。
フラットの家は比較的
安いという触れ込みで
売っていることが多いので、
コストダウンで
端折りがちです。
だからフラット屋根で
安い家はそういうことを
考えていない可能性も
あります。
デザイン優先ではなく
突っ込んで
話を聞いてください。
ちゃんと
通気の根拠を明らかにして
もらうことを強く
おすすめしたいと思います。
それから
寄棟に関してはできたら
瓦屋根じゃなくて金属とか
通気が取りやすい部材が
豊富にある屋根材で
現代はやった方が
いいかと思います。
家はトータルで
考えるので、
断熱や気密、空調など
全て絡めて屋根は
何を選ぶかということに
なりますからね。
屋根の選び方とか
比重のかけ方で
家の寿命を左右して
しまう事があるのを
知っておいて
いただけたらと思います。