強い台風に負けないシャッター選び
今日のテーマは台風に対する対策で、シャッターの選び方についてです。
基本的なことかと思いますが、改めて解説したいと思います。
最近の台風は昔に比べると大きくなっていて、怖い報道も多くなりましたよね。アメリカでも、こういう被害が出たという報道を耳にするようになったと思います。
以前、別の動画で、雨戸をちゃんと付けた方がいいか悪いかということをお話しました。その時は、最近のサッシは性能も良くなっていることや、昔ながらのガラガラ引くような雨戸は使い勝手やデザインを考えるとあまり好まれないとか、雨戸をつけるならシャッターにするということも多いということをお話ししました。
で、最近打ち合わせをしたお客様から「シャッター付けたからもう安心ですよね」という言葉が出たんです。それを聞いたときに僕としては、もう少し説明したいな、気をつけてほしいなと思ったことがあったので、そのことも解説します。
僕のスケッチを見てください。台風に負けないということは結局どういうことかと言うと「耐風圧性能」という言葉で表現されます。この「耐風圧性能」というのは風が出す圧力に対して強いか弱いかということです。
一般的な住宅用サッシのシャッターは、規格でいうとJIS規格のS1が多いです。 簡単に言うと800Paを基準にして作られています。この800Paを風速で言い換えると36m/sになります。36m/sというと結構強いですね。外出るの怖いぐらいです。
この規格のシャッターを付けて「それって安心ですよね?」と聞かれると、場所によっては安心ですと言い切れないことが出てきます。
例えば2019年に千葉に上陸した台風がゴルフネットを倒したことがニュースになりました。あの時は最大瞬間風速は50m/s 〜60m/sなので、S1のシャッターでは耐えられないということになります。
2018年には関西国際空港で橋にタンカーがぶつかった事故もありました。あのときも50m/s〜60m/sの風が吹いたんですよね。
となると、標準のシャッターではなくて風に強いタイプの方が良いんじゃないか?となります。そうすると台風圧タイプ S2という規格があって、これは1200Paほどの圧力に耐えられるようになっています。ただ風速で換算すると44m/sになるんですね。
住宅メーカーさんとかが「強いやつを使うので大丈夫です」と言っても、このS2であることが多いです。
S2よりも強い住宅用シャッターを求める場合は、S3という規格の商品があります。これは最近ぼちぼち出てきていて有名なLIXILさんとかでも取り扱っています。これは1600Pa、風速にすると51m/sぐらいを想定しています。S1から比べたらすごい丈夫ですよね。
シャッターの規格としてはS3以上も、もちろんあります。ただS4以上となるとビルとか高層の建物に付けるようなものになります。圧力耐用になるので住宅で取り付けるケースは少ないはずです。
住宅用シャッターの規格に話を戻すと、S1が並、S2が上、S3が特上という風に思ってもらったらいいかなと思います。
さっき千葉と大阪の話をしましたが、日本では各エリアに基準風速というのがあります。
九州地方、四国地方、関西だと和歌山とか、中部地方とか、あとは意外と関東も風が強いエリアになっています。ちなみに数値でお伝えすると九州・四国の基準風速は40m/s。東京は40m/s。モリシタのある兵庫は34m/sになります。
なので選ぶ際は、まず自分たちの住んでいるエリアの基準風速を確認してください。このとき、更に細かくみると地形や周りの建物の影響で、風が強い場所もあります。
例えばモリシタ・アット・ホームは姫路の山吹というところにあるんですね。山吹は名前から想像がつくように、結構強い風が吹くところになります。あとは標高が高いところにある分譲地も結構風が強いですよね。
シャッターを選ぶ時は「風強いからシャッター付けておこう」ではなく、「うちのエリアは基準風速〇〇」と確認していただいて、よほど強い地域であればS2・S3の基準を満たしてる物を付けた方がより安全ということになります。
特に最近は日射取得を奨励してる関係で大きな開口を南に取るケースが多いです。なので、ぜひ頭に置いていただければと思います。
この話をすると「基準風速なんて知らなかった」とか「シャッターの規格なんて初めて聞いた」という反応が結構あります。今(9月ごろ)は台風のニュースをよく聞く時期になるので、家づくりされる方は今回の話を参考にしていただいて、シャッターを選んでみてください。