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都市部で「平屋暮らし」をかなえる方法

今回は、都市部で「平屋暮らし」をかなえる方法について解説します。

今全国で、平屋の家が流行っています。一種のブームかもしれませんし、人の好みの変化かもしれませんが、平屋の家を検討している方にお会いすることが多いです。

私は兵庫県の姫路市という中核都市に住んでいます。大都市とは言えませんが、まあまあ大きい市です。こういう都市部の中でも、平屋を考えている人は増えています。そして平屋を考えている方々が壁にぶつかる悩みがあります。今回は、都市部で平屋暮らしをどうやって叶えるかについて、解説したいと思います。

今回の話は、土地柄によっては全く関係ない地域もあると思います。群馬県で工務店をやっている大親友の小暮さんの地域は、すごく敷地が広くてびっくりするぐらい隣棟間隔があります。土地も広いところが多いので、いいな、素敵だなと思います。しかし、私たちの暮らしている姫路市・加古川市のような都市部周りになると、様相は変わります。

都市部で平屋を建てる時の問題は、周りが建て込んでいて十分な日当たりが取れないことです。大手ハウスメーカーさんが都市部で建てた平屋は、暗くないかな?と思う家も多いです。都市部は立て込んでいて、2階建て以上の建物が多く狭い敷地なので、日が当たりにくいです。

日当たりの解決方法は屋根の形を変えることです。私たちがよくやるのは、2階建てぐらいの高さに窓を設置して、上から光を取り込む方法です。いわゆる「ハイサイドライト」です。

立体的に描くとあまりカッコよくないですのですが、この絵のようなイメージです。厳密には庇を伸ばすので、もう少し屋根を伸ばしたりします。しかしこれは、太陽光発電を乗せると逆勾配になるので嫌と言う方もいます。北の方角だと逆勾配でいくらかロスしてしまいますが、発電ゼロにはならないので
割り切って乗せることもあります。それが嫌なら、東と西に勾配をとる形もできます。もちろん真南を向くよりは効率は落ちますが、5%のロスぐらいと言われています。

都市部で平屋を考える場合には、今からやれるなら絵のような形にしてみてもいいと思います。ただ、大手ハウスメーカーさんの建物は型式認定の関係で、こういう形状が取りにくいことがあります。仕方なく日当たりが悪い形になっているとしたら、もう少し自由にやってもいいと思います。

もう1つ、都市部で平屋を建てる時の最大の問題は、土地が小さく価格が高いことです。群馬県の敷地は70坪〜100坪あるのが普通だそうですが、姫路市で70坪はまあまあ広い土地です。なので平屋の家は、2階建てに比べたら面積あたりの価格は割増しになります。

例えば40坪くらいの土地なら、姫路市でも結構流通しています。そうすると、姫路市は建蔽率が60%くらいの住居地域が多いので、平屋だと24坪の家しか建てられません。24坪の家で4人家族で、広いリビング・十分な収納がほしいとなると大変です。建蔽率80%のところもありますが、それでも30〜32坪ぐらいの家になります。仮に30坪の家を建てるとしても、残り10坪ぐらいです。ここに、駐車スペースが7.5〜8畳ぐらい要るので、そうすると庭はほぼ取れません。

それなら20坪ぐらいの1階分を作って、総2階ではなく10坪ぐらいの部分2階を作るのがいいと思います。これなら平屋暮らしを満喫できます。

断面図で書きましたが、部分的に2階部分を作って、残った空間は勾配天井や部分吹き抜けにして、狭さを感じさせない作りにします。こういう作りにして「ほぼ平屋」という言い方でおすすめをすることが多いです。

平屋に住みたい人が本当にほしいものは「平屋暮らし」です。私の定義では「1階で家事のほとんどが完結する」「夫婦のメインの寝室も取れる」ということが「平屋暮らし」です。

20坪もあれば、大人2人がゆっくり住めるような平屋暮らし部分は確保できます。子どもも一人前になって夫婦2人で住むなら、20坪くらいの平屋でも全然いいと思います。しかし、まだ子育て中の方や、気軽に子どもや孫に遊びに帰ってきてほしい方は、部分2階がおすすめです。最初は子ども部屋にして、子どもたちが巣立ったらゲストルームにもできるので、都市部の平屋暮らしを求める人にはマッチすると思います。

実はこの「ほぼ平屋」は私にとって懐かしいコンセプトです。数年前には、松尾先生に設計していただいて、松尾先生バージョンの「ほぼ平屋」を建てました。今は当社の自主設計で「ほぼ平屋」のコンセプトを見てもらえるモデルハウスを建てています。このモデルハウスは8〜9月ぐらいには見ていただけると思います。

今回もいろいろなことをトライしています。「小屋裏エアコンの応用を利かした空調の仕方」「ユーティリティの上を高く取って、洗濯物を乾かしやすいスペースを作る」「LDKには構造的な梁を見せずに、すっきりとした広い空間を作る」といったことをやっているので、平屋の家を考えている方や、平屋暮らしを考えている人にはぜひ参考にしてもらえたらと思います。

最後に「ほぼ平屋」を建てる時に注意点があります。この絵のような大きい片流れの屋根を作ると、部分2階は作れますが、北側が陰になって暗くなるので、北側の家の人には迷惑です。なのでこの絵のように、後ろ側にも勾配取るという配慮があるといいと思います。

新築を建てると、妬まれたり羨ましく思う方もいます。そういう方と「平屋を建てると言っていたのに暗くなった」と近隣トラブルになる可能性もあるので、部分2階の場合は、屋根の勾配も意識すると近隣配慮にもつながると思います。

都市部で平屋暮らしを叶える方法という視点を持つと面白いと思うので、ぜひ参考にしてください。

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