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建具のあり方は存在感の扱いで決まる

今回は室内建具のあり方について解説します。

まず建具のあり方についてです。「あり方」という言葉は難しいですが、「建具のあり方はその存在感の扱いで決まる」という言葉を読んだ時に、なるほどと感じました。大島先生は室内建具は二つの考え方で作るべきだと述べています。まず、建具は間仕切りの一部です。部屋と部屋を仕切る間仕切りです。そのため、間仕切りの一部としての室内建具はその存在感を薄くしたり消したりする方向性があります。この考え方は非常に興味深いですね。

もう一つの考え方は、インテリアとしての要素として存在感をアピールする方向です。例えば、私も日常的に行っているのは、存在感を消す建具です。一方で、スタンダードな家づくりでは「建具は真っ白にしましょう」ということもあります。全体を真っ白にして、天井まで一枚にすることで、垂れ壁がなくなり、存在感が薄くなるシンプルさが生まれます。また、ゴージャスな木組みや、重厚感のある木目調のドアなど、存在感をアピールする建具も素敵です。金属のピカピカしたものや、真っ赤なドア、ブルーのドアなども魅力的です。室内の建具が「存在感を出すべき」なのか、「存在感を消すべき」なのかを考えることが重要です。

次に機能についてですが、建具は引き戸か開き戸のどちらかです。機能としては同じですが、デザインが異なります。同じデザインの引き戸と開き戸が混在することで、統一感のある空間を作ることができます。

最後に建具の種類を紹介します。まずはフラッシュ戸という、化粧合板や塗装ができるような扉です。もう一つは框戸という、四方に枠を組んで羽目板のように仕上げる扉です。凹凸や木目、色などで存在感を出すことができます。また、フラッシュ戸には大手という木を打ち付けたものもあります。これにはクロスやふすま紙を貼ることができます。大手は壁と同じ素材で建具を仕上げたり、塗装したりするのに便利です。羽目板は、全て木製のパネルでなく、一部にガラスやカットガラスを入れることで光を取り込む素敵なデザインになります。

次に引き戸とか開き戸を考えると引き戸の収まりで重要なものは敷居と鴨居です。よくあるスタンダードなものは、溝が切ってあって上も建具がガイドです。外れないようにスーッと滑っていきます。

それから上の鴨居はあるんだけど、下はVレールという1本の7〜8mmぐらいのレールで、シャープなものがあります。これはVレールに戸車という形になるので敷居に比べると摩擦が少なくてすごくスムーズです。これでも鴨居の存在感が出てくるので吊りレール(上吊り)という引き戸を上に吊る形で、建具がビヨンビヨンしないようにガイドを落とし込みます。それを上げたり動かしたときに敷居がなくなるんです。敷居がすっきりしてお掃除がしやすかったり、開けた時に1つの空間になりやすいです。

そして吊りレールの複合のもので、上はL型の鴨居で非常に控えめな感じだけど、下はVレールになっているものもあります。そしてそのL型の金物を受ける「ひばた」という上でL型の金物がスムーズになるような金属のガイドレールをつける形があります。こういう組み合わせで考えると存在感をアピールする引き戸は敷居や鴨居が入った方がいいです。でも存在感を消していこうとなると、吊りレールでレールなしにしたり、Vレールは上手にフロアの方向を考えれば目立たないものなので、そういう風にするのがおすすめです。

そして収納扉に関しては両開き、片開きがスタンダードです。最近多いのは折れ戸でくの字に折れているやつです。もっと珍しいのがフラット戸で扉が交差になっていて、コアンって突きつけられた建具が、コアンと上がっていくような金物でできている扉です。デザイン的にかっこいいです。

それから軸回しという仏壇の扉でよく使われるものもあります。別名垂直収納扉とも言います。ピボットスライダーのような感じです。観音開きで開いた戸が収納される扉です。普段は開けっぱなしにしておけば建具の存在感はなくなりますが、閉めるときはシューッと扉が出てきて閉まる感じです。これは軸が回っているため、軸回しと言います。そして最後に上下フリースと言われるもので、上が開いて下が開くような扉です。

これらは全て開き戸の変形ですが、バリエーションとして両開き、片開き、中折れ戸などもあります。これらはドアにも使えますし、収納の壁にも使えるので、先生はこういう括りにされているのだと思います。

よくインテリアコーディネーターの方でインテリア性の強い建具をすすめてくる人は多いと思います。でも本当にふさわしいものは、存在感の有無で考えるべきです。建具を消した方が良いのか、アピールした方が良いのかという線引きで考えることで、より洗練されたデザインになると思います。ぜひ参考にしてください。

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