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家づくりで起こりがちな失敗(収納編)

今回は家づくりで起こりがちな収納での失敗について解説します。

私の動画をご覧いただいている方からご質問をいただきました。家づくりを始めるにあたって、ありがちな収納での失敗に対しての対処をテーマに解説をしていきたいと思います。収納に関しては、今までも動画でいろいろなことをお話ししてきました。今回の動画は、そのおさらいと思ってください。

まず、収納において何をもって失敗と呼ぶのかについてです。失敗と感じる最も多い理由は、「収納スペースがなかった、あるいはなくてもよかった」こと。2つ目は、「収納はあるけれど使いづらい」こと。3つ目は、「収納を作った場所がいまいちだった」という点です。こうならないためには、前もって準備をしておくことが大切です。

まず収納を考える際には、持っているものが異なるので個人差があります。そして優先順位も異なります。なので、まず各家庭でどんなものを持っているかをリストアップすることから始めてください。本、CD、趣味、仕事関係、学校関係などがどれぐらいあるかを、少し手間がかかるかもしれませんがリストアップしていただきたいです。

その上で、衣類に関してはどれくらいあるか悩まれる方もいます。私の考え方としては、衣類をハンガーにかけて吊るしたときに間口がどれくらいになるかという視点で考えるのがおすすめです。90cmで収まりそうなのか、180cmぐらい必要なのか、といったイメージです。

次に、未来予測をしてもらいます。それは、3年単位で未来を考えてみてください。「3年後はこんな感じかな」「あの子は何年生なのかな」というようなイメージです。たとえ子育てのための家づくりをしても、子どもは家を建ててから長くても住むのは10年ぐらいということもあります。さらに、子どもの趣味や習い事、クラブ活動などでどんなものが増えるか、大まかに想像できます。また、靴やカバンも意外と増えます。子どももいろいろなものを履きますし、カバンの種類も増えていきます。

次に、収納を考えるときの基本知識として最適な収納の奥行きを知っておいてほしいです。例えばクローゼットなら、60〜70cmの奥行きがあれば便利です。しかし、何も考えずに90cmの奥行きで1畳サイズのクローゼットを作ってしまう人もいますが、これは無駄です。また、多くの方がパントリーを作りたがりますが、パントリーの奥行きが45cmより深いと、非常に無駄が出ます。可能であれば、30cmくらいが望ましいですが、大きめのものもあるため、深くても45cmくらいがおすすめです。また、60cm以上の奥行きがある収納を考えるなら、引き出しの方が使い勝手が良いです。引き出しなら60cmの奥行きでも深く使えます。こうすることで、「収納が使いづらい、意味がなかった」ということが大幅に減ります。

また、収納を作る場所の問題については、位置よりも生活動線を重視してください。よく言われるのは掃除、調理、洗濯の動線です。これは家事に関することなので「家事動線」とも言います。生活動線という意味では、私が絶対に考えるのは身支度の動線です。朝起きて、どこで服を着替え、どんな風に移動するかなどです。私の場合、朝起きて最初にするのは犬の散歩です。その次に歯磨きや洗顔をします。こうした順序を確認しながら、身支度の順番やエリアの配置を考え、動線をはっきりさせていくことが重要です。

さらに、布団や寝具についても家によっては量が必要です。高気密・高断熱の家だと寝具の量は少なくて済むことが多いですが、今ある布団の量で十分か、もっとコンパクトにできるかも考えてください。

もう1つは、季節ごとに必要なものです。例えば、扇風機やサーキュレーターは、エアコンをつけていても欲しい時がありますよね。冬には加湿器、梅雨時には除湿器、花粉の季節には空気清浄機なども必要です。これらをどこに置き、どこにしまうかは、後で不満のもとになりやすいです。さらに、忘れてはいけないのが節句人形です。お雛様、金太郎さん、兜などです。お子さんが小さい方にはピンと来ないかもしれませんが、節句人形を飾るのは1ヶ月程度で、残りの11ヶ月はどこに置くか悩むことになります。また、お掃除ロボットも最近では非常に便利ですが、使い終わった後にどこに置くかも考えておくべきポイントです。

そして、これはこれまでお話ししてきた内容の総まとめにもなりますが、まず優先順位の高い収納を考えてください。私が不足しがちだと思うのは玄関収納です。意外と玄関が簡単な下駄箱だけで済まされがちですが、玄関には土間系の収納が欲しいエリアです。例えば、ベビーカー、三輪車、ゴルフバッグ、スノーボードなど、少し土がつくようなものを玄関に置けると便利です。また、家族が多い方には、下駄箱ではなくシューズクロークを設けると非常に便利です。シューズクロークには、ぜひ扉をつけることをおすすめします。また、靴は想像以上に増えるので、可動棚があると便利です。ブーツのような高さのある靴も可動棚なら置きやすいです。それともう1つ、足のサイズの問題もあります。私は背は高くないですが、足は27cmと大きいです。下駄箱なら3足置けるスペースに2足しか置けないこともあるので、可動棚なら自由に調整できます。

また、最も収納が不足しがちな場所が、洗面所や脱衣場のある洗濯室です。ここは想像以上に物が増えやすい場所です。そのため、ニトリの隙間家具などが人気なのも納得です。洗面所には、思いがけず多くのものが増えていきます。例えば、電動歯ブラシやオーラルケア製品は年齢を重ねるにつれて増えていきますし、電気ヒゲ剃りを清潔に保つ機械も大きなスペースを取ります。

そして少し収納の話から逸れるかもしれませんが、洗濯室には物干しバーを設置するスペースとカウンターがあると便利です。物干しバーがあるとすぐに洗濯物を畳みたくなるため、カウンターもあった方が作業しやすいです。

キッチンについては、カップボードの上に置く調理家電の配置や種類をよく考えてください。調理を優先するならオープンなスタイルがいいですが、片付けた状態をお客さんに見られたくない方は収納の作り方が変わってきます。

さらに、リビングやダイニングにも収納があると便利です。例えば、小さなお子さんがいる場合、おもちゃをどこに置くかも考えるべきです。リビングで遊ばせない場合は問題ありませんが、遊ばせるならおもちゃをリビングの収納に片付けられる場所があると良いです。また、アルバムやライブラリーのようなものもリビングにあると便利です。家族でゲームを楽しむ習慣がある場合も、リビングにゲームを収納しておくと良いでしょう。また、ダイニング収納は、ダイニングテーブルを作業スペースやスタディーコーナーとして使うためにも活用できます。お子さんに勉強させる際には、本棚のような収納もあると便利です。

そしてよく言われるのが、デイリークローゼット(ファミリークローゼット)です。これに関しては、洗濯室とファミリークローゼットが隣接していると使い勝手が良く、洗濯したものをそのままクローゼットに収納できて効率的です。しかし、一方で1階の面積を広く使うことになるため、例えば1階にリビングが欲しい場合、リビングの広さが制限される可能性もあります。そのため、洗濯スペースを2階に持ってくる方がいいかどうかも含めて検討してください。また、1階に配置するなら、帰宅して入る動線に設置するのがいいのか、裏動線に配置するのが良いのかも考慮すると、使い勝手の良い収納になると思います。

また、パントリーの配置については、キッチン・パントリー・玄関の順が最も使いやすいです。玄関から帰宅した際にすぐに荷物をパントリーに収納し、パントリーに置いてあるものをキッチンで使えると効率が良くなります。パントリーには、二方向に出入口があると使い勝手がさらに良いですが、その分スペースが必要となるため、1階の面積をどれだけ占めるかを考慮して優先順位を決めてください。

一方、パントリーに小さな冷蔵庫やフリーザーを置く方もいます。フリーザーを置く場所としては、パントリーが合理的です。

また、ロフト、小屋裏、階段下も収納として活用できます。全てを1・2階の床面積内でまかなう必要はなく、ロフトや小屋裏はプラスアルファの収納として利用できるため、こういった場所も頭に入れておいてください。最後に個室収納についてです。主に子ども部屋や寝室で、クローゼットが一般的ですが、ファミリークローゼットのように集中収納の考え方もあります。これは「セントラル方式」と呼ばれる方法です。例えば、女の子の場合は各部屋にクローゼットがあった方が良いと考える方が多いようで、私の娘もそのように言っていました。一方で、男の子はセントラル方式でも特に気にしないことが多く、母親が管理してくれる方が楽だという意見もあります。子どもとの関わり方や自立の促し方に応じて、個室収納についても検討が必要だと思います。

さらに、番外編として小上がり収納があります。例えば、25〜40cm程度の高さに小上がりを設ける方も多く、この下を収納スペースとして活用できます。小上がりの高さを高くすると収納量も増えますが、その分上がりにくくなるため、こうした点も踏まえて設計を決めると良いでしょう。

自分たちの持ち物をチェックし、近い未来にどのような持ち物が変化していくのかを予想することは、一種のライフプランです。家づくりの際には、ライフプランが先にあることで良い家づくりができるので、このことを念頭に置いて収納計画を考えると失敗が少なくなると思います。ぜひ参考にしてください。

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