南にウッドデッキを作ると失敗する?
今日はウッドデッキを作る時の注意点をお話します。家を建てるにあたって、ウッドデッキも作りたいという方が最近すごく増えてきてます。おそらくコロナの関係で、家でゆっくりすることが増えたというのがあると思います。
家の中のリビングがインナーリビングだとしたら、外のデッキはアウトリビングというような感じで、リビングが続いた形にしたいという人が多いですね。そういうのを希望されている方にありがちなパターンと、その時のポイントを解説します。
家を建てる時、南に面したいい敷地をほしいという方、多いですよね。願いがかなって、南側に土地が取れたら、南側にウッドデッキを作りたいという方も多いと思います。でも僕は、こういう形のウッドデッキの作り方って、実は一番良くないんじゃないかなと思っています。
なぜかを解説する前に、まず、このウッドデッキは、いつ、どういう目的で使うのか、ということを考えていただきたいです。
土地を探す時、多くの方が、南側にあって、道路との高低差がない敷地というのを希望されます。でも、リビングを起点にして間取りを考えた場合、住みづらい家になることがあるんですね。よく見るのは、南側にリビングを持ってくる間取り。この間取りだと、日当たりをしっかり確保したいから、窓を作りますよね。そうすると外の道路から、家の中が丸見えになるんですよ。視線をカットしたいから、終日カーテンを引くことになりますよね。このリビングと連続してウッドデッキを作ると、外から丸見えになりますから、せっかくお金をかけて作ったのに、見た目もあまりよくない、ということになってしまいます。
またウッドデッキといえば、バーベキューとか、プールで水遊びと、夏に使うイメージが強いと思います。でも、この形だと夏に使うは結構しんどいです。なぜかと言うと、表面の温度がかなり高くなるんです。昔、夏場に、直射日光が当たった南側のウッドデッキを測ってみたら表面温度が58〜60℃くらいありました。素足で出たら熱くて立ってられないですよね。コンクリートの方が熱いイメージがありますが、実はコンクリートでも45℃位。芝生や土だと40℃以下です。なので木というのは直射日光が当たったら、結構な高温になります。なので、真夏の日曜日の昼間にバーベキューとかプール遊びというのは、暑すぎてしんどいです。
もし南側にデッキを作るなら、日よけを作ることも考えてください。パラソルでもいいですが、そんなに大きな物ってなかなかないので、一緒に作るのがいいと思います。また、外からの視線カットも必要なので、目隠しを作るのもおすすめします。すぐ外に道路があるとしたら、道路の高さから2m位の目隠しがあるといいです。子どもさんを水遊びさせる時、親御さんも結構薄着だと思うので、そういうことを気にせず過ごせるようにするためにも、作っておいてください。逆に、南のいい場所にウッドデッキが出来ても、日よけや目隠しが無かったら使いづらいです。せっかくお金かけて完成させたのに、住んでみたら全然使わない、ということが無いようにするためにも、ぜひ覚えておいてください。
僕は、西とか東側にデッキを作るのもいいと考えています。自分もね、若い頃はウッドデッキ作って、夏はそこでビール飲んで過ごしてみたいなと思っていました。でも正直言って、ほとんど使っていないです。では、いつするかと言ったら秋口。すこし涼しくなってきた頃に椅子を出して過ごす、ということはありました。10月とか11月もいい感じです。日が暮れてくると肌寒くなりますが、その時間帯に西日がやわらかく差し込んできて、意外と気持ちのいい空間になるんですよね。西側のデッキも悪くないと思います。
東側のデッキは、お子さんを水遊びさせるときに良いと思います。特にお昼過ぎてから遊ぶとなると、この当たりは結構陰ってきます。でも水は、ほんのりあったかくていい感じになるので。こうした良さもありますね。過去には、北側にデッキを作ったお客様もいます。直ぐ側が道路になるので生け垣とかで目隠しして、遊べるようにしました。夏場は、陰になって意外と涼しいので、こっちに作ってよかったとおっしゃっていましたね。
なので、南側に大きいウッドデッキを作ることは、時に注意が必要だということを知っておいていただきたいです。「南側に作りたい!」と方位のことだけ考えてしまうと、暑さとか目線の問題で、使いづらいものになってしまいますので。
前に違う動画でも話したことがありますが、デッキを作る時は寸法にも注意が必要です。1200mmとか1300mmくらいの大きさで作っても、使いづらいと思います。というより、人が座るには怖いと思います。特にテーブルを置いて、その横に椅子を置くとなるとスペースギリギリになって、落ちそうになるんですね。子どもがふざけて、ドーンと押したりしたら後ろに倒れてしまうこともあります。それなら600mmぐらいの濡れ縁にして、腰掛けて使うものとして作るほうがいいと思います。
「南側にせなアカン」とか「大きくしなきゃ」という思いが強くなりすぎた結果、ちょっと無理して中途半端な寸法になってしまうのは、あまり面白くないです。
繰り返しになりますが、南側の明るい場所でウッドデッキを作る時に大切なのは、日よけと目隠しを作ることです。
また、ウッドデッキの下側は結構汚いので、こうしたところが見えないようにしてください。もしくは柄のきれいな木を使う。そうすると、使う自分たちも外からの人にとっても、きれいなウッドデッキが作れます。
家づくりをしていると、結構無造作に作られたウッドデッキを見かけます。みなさまには「せっかく作ったのに使いづらい」ということがないよう、ぜひ知っておいていただければと思います。