少しのコストアップで満足度がアップする家づくりアイテム10選
今日は小ネタとして、少しのコストアップで満足度が高まる家づくりアイテム10選の解説をしたいと思います。
家づくりをやっている時、大きな枠組みの話が終わると細かな話を進めていくと思います。その時に、オプションを追加するとどんどん予算が増えていって、節約しようということになりますよね。そんな中でも、「ここは多めにお金を掛けてでもやって良かった」と満足感が上がった例があるんです。全部は網羅できていませんが、最近お客様からフィードバックいただいた10個について解説していきます。
まず良かったと言っていただくのが、窓の樹脂スペーサーです。今時、ほとんどの家の窓ガラスは、ペアガラスとかトリプルガラスではないでしょうか。窓を選ぶ時のポイントとして、「窓枠がオール樹脂、つまり樹脂窓の方が性能がいい」という話は、よくしています。そのため樹脂窓を採用されることは多いのですが、意外と見落としがちなのが、ガラスに入れるスペーサーです。ペアもトリプルも、ガラスの間には隙間があります。スペーサーはここに入れる物ですが、何も注文を付けなければアルミの物が挟まっているケースが多いです。これはアルミではなく樹脂製の方がいいと思います。窓の結露の心配がかなり低減するからです。見た目はそんなに変わりませんし、現実的に冬は暖かいし夏は涼しくなります。1軒の家だと数万円のコストアップで済むと思います。「うちは樹脂スペーサーになっているかな?」ということは、ぜひチェックしてみてください。
2つ目が、網戸のメッシュの細かさです。「この家は網戸は付いていますか?」とよく聞かれます。気持ちのいい風が吹いている時は、網戸にして風を入れたいと思う人は多いですよね。この網目(メッシュ)に寸法の規格があるのをご存知でしょうか。16から始まって200メッシュぐらいまでありますが、200メッシュはほとんど布みたいです。その中でも住宅でよく使うのは、16・18・20・24・30になります。この5つの中で最もスタンダードなのは、18かなと思います。18の網目は1.15mm×1.15mmです。これを小さいと思うか大きいと思うか。大きめのハエや蚊は通さないですが、ウンカみたいな小さい虫はすり抜けることがあります。なので、18より細かい20や24にするといいです。ちなみに24は、マスの目が0.84mm角になります。会社によっては値段は据え置きでいいですと言ってくれたり、わずか何百円の差しかないと思いますので、虫嫌いな方は小さいメッシュを選んでください。
3つ目がコンセントの素材選びです。コンセントは、パナソニックさんが出しているような白い樹脂のプレートを使うことが多いと思います。可もなく不可もなく綺麗だから選ばれると思いますが、これまでやってきた経験で言うと、真っ白な樹脂プレートって黄ばんでくるんですよね。だからクロスを貼り替えても、プレートだけそのままだったらすごく古く感じます。これをアルミにするだけで、素材感もあってリッチです。20年を越しても全然劣化しないし、見た目もほぼ変わりません。もちろん好き嫌いもあるので絶対とは言いませんが、アルミは素材なので意外といいですよ。こういうコンセントプレートもあるということを、頭に置いておいてください。
4つ目が、キッチンのステンレスシンクです。ステンレスシンクは1枚のステンレスからプレスで作る物ですが、ツルッとしたものと、エンボス加工と言って小さな波々みたいな加工がされているものがあります。このエンボス加工が結構オススメです。と言うのも、みなさんも経験があると思いますが、ステンレスシンクは使っていると意外に汚れますよね。傷も付きます。そういうのが気になったり、掃除も頻度高くやるのは面倒だと言われる方は、エンボス加工付きにしてもらうと、傷が目立ちにくいのでいいですよ。それでも汚れは付きますから、掃除は頑張ってください。
5つ目がカーテンをハニカムスクリーンにすることです。最近は中国製の価格が抑えられた物もあるので、カーテンとほぼ変わらない値段あるいは少し高いぐらいです。これをすると何がいいかと言うと、ハニカムスクリーンは提灯みたいになっていて空気層があるので、断熱性能が上がります。私の経験では、寒い冬の朝のリビングだと、カーテンと比べると1〜2℃くらい違ってきます。これは大きいですよね。ここも少しのコストアップで満足感が高まるポイントだと思います。
ここからさらに小ネタになっていきますが、6つ目のポイントは蛇口の止水栓です。洗面所の蛇口の下に、止水栓と言ってバルブが付いています。これに3つのパターンがあり、一番多いのはドライバー式と言ってマイナスドライバーで閉めたり開けたりするものです。それから、コインでないと開けられないほど大きいタイプの内ねじ式。普通はそれらが付いていることが多いです。もう1つハンドル式と言って、まさに蛇口のハンドルみたいになっているものもあります。止水栓は滅多に触らないかもしれませんが、水圧が高いエリアに住んでいる人は調整が必要な場合があります。水圧が高いと、水栓を開けると水が勢いよく出すぎて、不快な時があるからです。そういう時は止水栓で水圧を低めに調整するのですが、例えば掃除などで水量を一時的に上げたい時もあるので、ハンドル式だと便利です。あまり頻度はないと思いますが、意外とやっておくと嬉しいということなので、こんなものがあることを知っておいてください。
7番目がセンサー付き水栓です。最近は感染対策で、蛇口をあまり触りたくないじゃないですか。グチャグチャと泡が付いた手で触ったら蛇口に泡が付いて、掃除が2度手間になるみたいなことがありますよね。センサーがあれば蛇口を汚さないからラクだし、節水にもなります。バラつきはありますが、1〜5万円ぐらい出せばセンサー付きを付けられることが多いです。ただし、センサー付きはグースネックと言ってアヒルの首みたいなタイプになります。自在水栓に慣れていると、グースネックは融通が利かないため便利ではないと感じる人も時々いらっしゃいます。キッチンにグースネックを付ける時は、ぜひショールームなどで使用感を確認しておいてください。これはオススメかつ、注意するべきポイントです。
ここからが本当にとてもオススメです。水栓用のフットスイッチというものがあります。センサー付きは手を近付けたら水が出ますが、フットスイッチには線が仕込まれてあり、足元の巾木の所に付けたスイッチを足で突いたら水が出る仕組みです。これはウルトラ便利です。調理中、何かをしながらちょっと水を流したいことがあると思います。その度に水栓を開けたり締めたりするのは、気忙しい。それが、足でちょんとやれば水が出るようになるので、とても便利です。何より、小さい子どもだとセンサーに手が届かないこともありますが、フットスイッチなら子どもでも使えるから便利だと思います。これは数万円ぐらい掛かるかもしれませんが、やって良かったと言う人がとても多いので、よかったら採用してみてください。
また、足踏み式の蛇口というのもあります。これはフットスイッチに対してペダルです。フットスイッチは、どうしても高く付きます。キッチンぐらいならいいですが、トイレの手洗いみたいな所まで付けるには高いです。ペダルなら5千円とか1万円ぐらいで買えると思います。センサー式みたいに電気式ではないので、比較的に故障も少ないし、故障しても直しやすいです。価格も結構安いし、見た目もわかりやすいので、トイレなんかにはこれもいいかなと思います。
最後の10番目は、可動棚レール。レールに細かくフックがあって、小さなダボ(棚受)をカチッと掛け、その上に棚板をポンと置けるようなものです。両サイドにレールを立てて真ん中に板を乗せていくパターンと、1つの壁面にレールを付けて引っ掛けるパターンがあります。両サイドに壁が無いような所でも、棚板可動式の棚を作れるということです。暮らしていたら、いろんな物のサイズが変わってくるじゃないですか。昔はこの高さだったけど、急に高く・低くなったとか。そんな時、作り付けの棚だったら入らなくなることがありますが、可動棚レールなら棚板を移動させて調整できるので、これもとてもいいものだと思います。
このような感じで、ちょっとしたコストアップで満足感がグッと高まるアイデアを、ぜひ参考にしてみてください。