間取りには賞味期限がある
今回は
家の耐久性の話をします。
構造とか外装ではなく
間取りの耐久性に
ついてです。
間取りの耐久性について
僕が切り出したは
理由があります。
私は結構古くから
家づくりをやっていて
ここ最近、
建てて15年とか
20年経ったお客様から
リフォームの相談を
受けることが
増えています。
15年から20年位前に
お手伝いしたお客様は
これから子育てを頑張る
という方が多くて、
当時もいろいろと
当時なりに考えて
どうやったら
家の間取りが良くなるか
お客様と一緒に
考えていました。
当然、その頃から
家の基礎や外装など
こうした方が良い
という話はしてきました。
外装の
リフォーム相談も
受けますが、
15年から20年ぐらい
経った家のお客様は
外装より家の間取りを
いじりたいという方が
多いです。
そうしたお客様を
何件かお手伝いする中で、
「間取りは、新築の時に
15年とか20年後の
生活を想像して
考えた方がいいな」
と気付かされました。
15年〜20年前に
よく作っていた
間取りの典型例は、
玄関が真ん中にあって
階段を上がると
ホールがあって、
両側に部屋がある
という設計でした。
一つは夫婦の主寝室。
ウォークイン
クローゼットは当時も
よく作っていました。
もう一つは
お子さん2人の部屋です。
これで家を建てて、
20年経つと、
お子さんは独り立ちを
していきますよね。
そうすると、
このような間取りは
15年位で賞味期限が
切れてしまいます。
壁や柱があるので、
「この壁を取りたい」
「ここの柱も取りたい」
と言われても、
構造的に難しいですと
答えるしかできません。
結果、間取りが
思うように変えられない
ということがあります。
なのでここからは
僕からの提案になります。
これから家を建てる方は、
2階をがらんどうの
倉庫みたいにして
家が持つような構造を
検討してください。
これを
スケルトン・インフィル
と言います。
どんな形にも
間仕切りが組める
という考え方ですね。
家は例えば50年間
住もうと思ったら、
今、建っている家は
基本的なことが
押さえられていれば
案外大丈夫です。
でも間仕切りの
賞味期限は変わりません。
15年もしくは20年で
賞味期限が切れると
捉えていただいて、
どうすべきか
一考してほしいです。
将来どういう区切り方
できるかなぁと
考えられるので
とても面白いですよ。
間仕切りの自由度を
効くようにしておいて、
窓の位置も上手に
考えておくと、
将来こんな風に
切り替えたいと
思った時にあんまり
お金をかけずに
大規模な間仕切り
移動ができます。
間取りの耐久性を
考える際に、
人生にはいろいろな
変化があることも
知っておいて
いただきたいです。
一番は子どもの成長です。
そして子どもは、
いつか巣立ちます。
最近も
こんな相談がありました。
家族計画では
子どもは2でしたが、
3人目を授かった
ご家族がいました。
子ども部屋を
3人分取りたい、
と相談を受けましたが、
フリーな間仕切りに
したほうが良かったね、
みたいな話になりました。
子供の成長は
いろんなプロセスが
ありますから、
考えておく余地が
あるといいですね。
それから
夫婦のあり方も
変わります。
若い頃は
メインベッドルームに
ダブルベッドを置いて
2人で寝ていた時代が
あったんですけどね。
歳を取ってくると、
寝る時間が変わったり
いびきうるさかったりで
別々のほうがいいねと
なります。
空間があるなら、
お互いの寝るスペースを
つくったり、
空いたスペースは
収納にしたり、
みたいなこともできます。
そういう風にしておく
夫婦のあり方もあります。
そして3つ目です。
新型コロナウイルスの
影響で在宅勤務が
リアルにありました。
そうすると、
家のどこで仕事をするか、
という問題があります。
スケルトン・インフィルなら
仕事スペースをつくることも
できたかもしれません。
30年、40年と
長く暮らしていれば
仕事のあり方が
変わることもありえます。
なので
間取りを考えるときには
スケルトンインフィル
という考えもあることを
知っていただくと、
本当の意味で
ロングライフな
住まいづくりが
できると思います。
ぜひこういう視点も
持っておいてくださいね。