これからの時代のテレビの置き方を考えてみた
今日のテーマはテレビ周りについてです。
私の動画を見ていただいた方から「テレビ周りがゴチャゴチャして片付かないんですけど、何か良いアイデアないですか?」という質問を受けました。その話を聞いて、収納のこととかも考えたのですが、それよりも今更ながらですが、現代の暮らしにおけるテレビの置き方というのを一度考えたほうが為になるかもと思いましたので、そのことを詳しく話していきます。
まずは私のスケッチを見てください。これは昔よく見た、テレビがある光景ですね。四畳半の部屋に丸いちゃぶ台を置いて、それをみんなで囲んでテレビを見ていました。サザエさんとかで出てくるような光景です。僕の世代からすると、テレビってすごく特別なものでした。アポロが月に行った時に、それをみんなで見たりね。
その当時ウチの家のテレビは白黒でした。あとはテレビに足がついていて、室内アンテナで、部屋内にアンテナ立るのですが映り悪かったですね。真空管で時々画面がチラつくのでパンと叩いたりもしました。
その後ですね、家具のようなカラーテレビの時代になりました。当時ウチはキドカラーというカラーテレビを使っていました。この時期、キドカラーの飛行船というのが全国をプロモーションで回ってて、それを子ども心に追っかけた思い出があります。親父がキドカラーのカラーテレビを買ってきたときは、家族みんなですごい盛り上がりました。今見たら置物みたいな、大きなテレビであさま山荘事件とか見ましたね。歴史のおじいさんの独り言みたいな感じで申し訳ないですが、それぐらいテレビって、僕らの思い出に強烈に残るものだったんです。大げさにいうと家族の求心基地みたいなものでした。
その後テレビはブラウン管テレビとなって、どんどん大型化していくんですよね。最盛期だったら24型ぐらい。これも親父が買って帰ってきた日は「ウチの家頑張ったなぁ」みたいな感じで、すごいうれしくて狂乱してました。この大きなブラウン管テレビは、大体8畳分ぐらいのリビングスペースのコーナーに置いている家が多かったと思います。今はコーナーにテレビを置く人あまりいないですよね。テレビの下にはVHSのビデオとか、Pioneerのレーザーディスクとかありましたよね。これも親父が頑張って買ってくれて、1枚か2枚かしかなかったけど、何度も見たりしましたね。
ここから一気に世の中が変わりましたよね。いわゆる地デジとかいう話が出てきて、テレビはプラズマとか液晶とか言うようなものに変わって、それと同時にテレビの置き方も、昔とはガラッと変わっていきます。
今は、南に大きい窓がある部屋なら、東か西かの壁面にテレビを付けるケースが多いんじゃないかな。後は南側に窓は作るんですが、全面には取らず、上側に配置するパターンもあります。下側の壁面を大きめにして、テレビはそこに付ける。これも多いんですよ。個人的にもおすすめです。道路からテレビがあるのが見えにくいし、明かりも入ってくるし、画面もきれいに見えます。
逆によく見る失敗は、北側にテレビを置くケース。これはテレビ画面に外の景色とかが映り込みます。なので日中は画面が見にくいですね。夜は大丈夫かもしれませんが、あまりおすすめはしません。こんな感じでテレビの置き方は、今と昔でだいぶ違います。
最近は、このフラットテレビを壁面に取り付けるケースが増えています。テレビって昔は足とかベースが付いてて、置いて使うのが基本でしたよね。でも今は壁付金物の種類が豊富で、よほど特殊なテレビでも壁付けできるようになっています。またフラットテレビは薄いので壁掛けのほうが部屋もスッキリ見えます。
冒頭で出た相談者さんの話に戻るのですが、テレビ周りがゴチャゴチャするという悩みの1つには、コードが原因になっていることもあると思います。テレビというのは裏側に電源やテレビのアンテナのためのコードがありますよね。DVDプレーヤーとか、今でもVHSを愛用している人は、さらにコードが増える。
僕の知り合いで、音響に凝ってる人がいます。その人はテレビの奥にスピーカーを配置していて、さらには神棚みたいな感じで棚まで作っていました。これを見たとき「すごいなぁよく考えてあるなぁ」と思いました。でも引っ越しをされて、新しい家に行ったら、コードがこうなってました。「ここまでやったのなら、工務店の人スピーカーの線、入れてあげればよかったのに」と思いましたね。ただ、これには理由があったと思います。
線を入れる場所ってどうしても外壁になることが多いです。でも外壁は断熱材が入っているので、線とかを入れたくないんですね。特にスピーカーの線は、下手にさわると音のクオリティーに関わってくるので、CD管という空の配管を入れるようにしています。そうすると断熱が一部損なわれたり、施工しにくいという問題が出てくるので、担当した住宅会社さんは断ったのかもしれません。じゃあ、どうしたらいいのかというと「コードが見えないようにCD管仕込んでください」ということになります。
ただ、この内容は誰でも思いつくものなので、僕は別の視点から解決策を考えてみたいと思います。考えるにあたって意識したのは、テレビを取り巻く時代感です。冒頭に四畳半の部屋でちゃぶ台を囲んで、家族でワイワイしながらテレビを見た話をしましたよね。でも、その当時と比べて、今は家族でテレビ見る機会って少ないと思います。
例えば、うちの子どもたちを見ていると、タブレットやスマホで自分の好きなyoutubeを見ていることのほうが多いです。みんな、それぞれが好きなものを、自分のペースで見るという感じ。家族が集まってテレビを見るのは大晦日の紅白歌合戦とか、オリンピックのときぐらいです。普段はネット経由のコンテンツ、Netflixがほとんどです。
ウチの家族は僕も含め、5人全員がNetflixに登録しています。これも昔とは全然違うなぁと思うのですが、僕がNetflixを見るときは森下誉樹に合うものを出してくれるし、うちの女房ならうちの女房に合うものを出してくれる。家族ごとに最適化してくれますよね。Youtubeも同じで、ウチの家族はYoutubeもすごく見ています。
何を見てるかと言うと、ダイエットメニューが多いかな。ストレッチとか筋トレとかピラティスとか。テレビ前にあるテーブルを一旦どけて、その前の空間で運動しながら見る、といったスタイルですね。ああいうのがあると、家で個別トレーニング受けている気分になりますよね。彼女たちの生活をみていると、ますますテレビの使い方は変わってきたなぁと思います。
なので今回僕が思ったのは、テレビで観るものによって、リビングにおけるテレビやソファの配置とか距離感というのは変えていく必要がある、ということです。例えば壁面に50型のフラットテレビを付けた場合、どれぐらい離れた距離で見たらいいかというと、学者さんが考えた適正な距離は、このフラット画面から人間の目まで2.6mぐらい必要だそうです。これは50型の場合ですね。2.6m離れたほうが良いですよ、と推奨しています。僕の感覚では2.6mって結構離れてるなぁって印象があります。
一方で、それぐらいの距離が必要だなと思う人もいらっしゃいますよね。じゃあ、どこまで近づいてもいいかというと1.4mが限界だそうです。それより近くで見るのはアカンよっていう感じです。僕が離れているなぁと感じる理由は、映画を見ることが多いからですね。家で映画を見るときは大抵2m切れるかどうかぐらいのところで楽しんでいます。でも、人によっては2mぐらいで見ていると乗り物酔いしたときみたいな感覚になります。なので、この2mというのは絶対の数値ではありません。推奨値ではないので注意してくださいね。
フラットテレビで、Youtubeのヨガとかストレッチ動画を見る人は、画面の前で一緒に動きたいと思いますので、ある程度の広さがいりますよね。そうなってくると、家族みんなが、それぞれの用途にあった距離が取れるように、ソファの位置などはフレキシブルに対応できるかというような事が、次の課題になると思っています。
こうしたことを考えたたうえで、フラットテレビを使って、テレビ周辺が片付かないと状況というのを想定してみました。そうすると、ウチの家はすでにそうなっていたんですね。その最大の理由はゲーム機です。娘たちがイマドキの子たちなので、結構な頻度でゲームをするんですね。ゲーム機っていっぱいコードがあるので、すぐにぐちゃぐちゃになります。ちゃんと片付けてくれたらいいんですが、置きっぱなしになっていることも多いです。そうした状況を考えると、ゲーム機をよく使うなら、フラットテレビのすぐ下には収納があると良いかもしれません。
DVDで映画を見る人も同じですね。そういった人はテレビのそばに、DVDを並べるための棚を作ると思います。今回僕が提案しているのは、DVDチューナーとかゲーム機といったものを収納するためのものですね。それを手元につくる、ということです。例えばソファがあって、すぐそばに棚があって、ソフトの取り出しはもちろん、コードの設定とかDVD操作がすぐできれば、すごく便利ですよね。
僕はホンマの休みの日は、朝から晩までDVDを連続3本でみたいなぁと思ったりします。そのときDVDがソファのそばにあったらいいなと思いますね。なぜかと言ったら、そういうときって大抵お酒飲みながら見るんですよ。あちこち行くの面倒くさいので、手元にあったらいいなと思います。
ゲーム機も同じで、端子をすぐ挿して操作できるなら、コードも短く済みますから、スッキリすると思います。僕はあまりゲーム機の種類くわしくないので、もしワイヤレスでできるものがあるなら、それで問題ないと思います。ただ、コードがあるもので、テレビの周りをぐちゃぐちゃさせたくないということを考えたら、ゲーム機は手元にあるほうがいいですよね。
テレビ本体とチューナー、ゲーム機をどうつないでいくかというのも課題になると思います。例えばフラットテレビがあったら、7〜8cmでもいいから壁をふかして、フラットテレビの後ろ側にあえて空間を作るんです。そうすると配管・配線ができます。張り出すケースもアリですが、全部ふかしてしてもいいと思います。
そのCD管の28とか36というと27〜35mmぐらいになります。35mmってまぁまぁな大きさですよね。たとえばhdmiという高画像の端子は頭が大きいので、小さいCD管じゃ通らないことがあります。でも35mmもあれば通ります。
電気屋さんに「CD管仕込んでください」と言うと針金みたいなので予備線でね、後で素人の方が針金にくくり付けて、テープとめてピューと引っ張ったらコード入れるようにしてくれると思います。そうやっていただいたら、床下を通って、自分の好みの位置にCD管を持ってきておいてもらうと。
ゲーム機とかってテレビの真下に置くものという先入観がありますが、場合によってはサイドの方が使いやすい、ということもあると思います。今のアイデアなら、外壁の壁面にCD管を仕込むという、わざわざ難しいことをする必要もなくなるのでいいと思います。
改めてになりますが、今回僕が一番言いたいのは、テレビを見る頻度、それから見るコンテンツはどうなのかを確認してみてください。例えば僕みたいに映画だけ見たいのか、もしくはテレビの前で運動したいのか、お子さんがいらっしゃるならアニメを見る、ゲームするといったニーズも出てくると思います。そのニーズを確認すると、その家族にとって良いテレビの置き方というものが分かるはずです。