子供が自ら勉強したくなる家を考えてみた
今日のテーマは、子どもが自ら勉強したくなる家についてです。
お母さんお父さんの立場からすると、子どもがしっかり勉強できているかということは気になりますよね。できることならお父さんやお母さんがやいやい言うのではなく、子ども自らが勉強を好きになったり、勉強をする環境になったらいいなと思われているはずです。
僕には学習塾の経営をしている友人がいます。彼に「子どもにしっかり勉強させるには何が大事なの?」と聞いてみました。すると彼からは「子どもに勉強をさせるために一番重要な
正直、拍子抜けする答えでした。こういう参考書を使いなさいとか、こういう教師に教えてもらったらいいよという内容が返ってくると思っていたので。
彼曰く、子どもの気持ちになると、勉強に集中したり、勉強机でずっと過ごしたり、椅子に座っていることが最も苦痛なんだというんですね。そういったことがしやすくなるような環境にすることで、子どもの学業成績は上がるし、勉強の自信ができてくるんだと力説していました。
その話を聞いて、彼の塾を見学させてもらいました。どんな所かと言うと、個人ブースが並んでいるんですね。
一蘭というラーメン屋さんをご存知ですか?あのお店は、味に集中できるよう両側に囲いのあるブースがあって、そこでラーメンを食べるんですね。まさにあんな感じです。
塾ってスクール形式でオープンにやっているイメージでしたが、彼の塾は反対でした。
個人のブースが並んでいて、BGMとかもないです。子どもが勉強をしているカリカリ…という音だけが聞こえるような場所でした。「すごいな・これが集中するということか」と非常に驚きました。
そういった現場も見た上で、子どもが勉強したくなるという言い方は語弊があるかもしれませんが、勉強に集中できる環境ということについて、僕なりに考えてみました。
考えを話す前に、もう1つ、みなさんに聞いていただきたい話があります。
オーストリアの大学の先生でジョアンナ・シコラさんという博士がいらっしゃいます。その人の研究で、勉強がすごくできる子たちを16万人調べたというのがあります。16万人ってすごい人数ですよね。
調査したところ、思春期の頃、家に本がたくさんある環境だった子が、読み書きや計算、ICT(情報リテラシー)といった能力が非常に高かったそうです。
そのことを聞いて、僕は単純なので、子どもが本を好きになれる環境を作ったら、勉強したくなる家になるのではと思ったので、そのアイデアを喋っていきたいと思います。
僕のスケッチを見てください。
今回はアイデアレベルなので、五月雨式に書いています。体系的じゃないです。
まず、子どもが本を読むようになるには、本が置かれている高さが重要だと思います。子どもの目線に本がないといけません。小学校低学年のお子さんもそうですし、5年生・6年生、中学年も同じです。手が届く高さに本がないと、手に取れないですよね。
なので、子どもの目の高さに本を置くようなコーナーがあったり、本棚があったりすると良いかなと思います。子どもは、ふいに本を読みたくなるので。
今回この先生の研究を読んでしみじみ思ったことがあります。一番大事なのは、今お伝えしたような子どもが一番好きな場所に本を置くこと。もう1つが、表現に語弊があるかもしれませんが、お母さんがいる場所であることです。
今の共働きの時代に置き換えると、お父さん・お母さんがいる場所に本があるのがいいと思います。
前段で塾の経営をしている友人が、子どもが集中できる環境としてシングルブースみたいなものを提案してくれました。そうすると、家に置き換えた場合、子どもが一番集中できる環境は、おそらく勉強部屋になります。ですが、子どもって自分の部屋で勉強に集中しますか?
僕の経験を言うと、うちの子どもは子ども部屋にいると、ろくなことをしてなかったです。
まず、勉強机の前に座っていられなかったです。結局、漫画の本を読んだりおもちゃで遊んだりしていました。僕が様子を見に行くとワッと驚いて「見つかっちゃった…」と苦笑いする、というパターンが多かったです。
なので、今回のテーマは、単に集中できる勉強部屋を作ってあげたらいいという内容ではないんだなと思っています。
子どもが集中できないのは、実は寂しいからなんですよね。
先ほどの話を絡めると、お母さんが側にいてくれたら、子どもたちは寂しくないですよね。
個人のブースみたいなのがなくても、お母さんが側にいてくれるだけで勉強に集中できることは可能だと思います。
本のタイトルがうろ覚えで恐縮ですが、昔ベストセラーに、頭の良くなる子どもを作るというようなものがありました。
その本の中に「リビング学習をしている子は成績がいい子が多い」というのがありました。ながら勉強というものですね。自分の部屋ではなく、リビングで勉強する子たちです。
その本を読んだ直後は「ふーん。そうなのか」という感じでしたが、今となっては「そうかそうか」と納得します。子どもの立場からすると、自分の部屋に1人というのは寂しいんだなと思ったんですね。
勉強する習慣が付くのって、多くは小学生頃からだと思います。(中学生のケースもあるとおもいますが。)
小学3年生とか4年生ぐらいから、習慣がつくとうれしいですよね。そういったことを想定すると、お母さん・お父さんの側に勉強スペースを作るというのがいいと思います。さらに知的好奇心が高まるように、そのスペースに本を置くと、もっといいですよね。
スケッチにイメージを描いてみました。
最近はお母さんが在宅勤務されていることも多いと思います。パパのワークスペースがある家も増えていますよね。そこには子どものスタディコーナーもあって、お父さんの本も子どもの本もたくさん並んでいると、すごく素敵じゃないですか?
蛇足になりますが、家の中に家族みんなで使う本棚が置かれているお家ありますよね。
家族みんなで使う本棚って、一般的にはお父さん・お母さんの本がほとんどということが多いです。でも、子ども目線の高さぐらいは、子ども用の本を置くスペースにすると、非常にいいと思います。最初のうちは自分の本を取って読むと思いますが、ある時期になると少し上の段にある、お母さんとかお父さんの本を見「これ読んでみたい」とか「これ興味ある」という風に知的好奇心が刺激されるかもしれないですよね。
最近だとブックシェルフが、廊下・階段・ホール・トイレとかにあることも多いです。
我が家もトイレにあります。このブックシェルフがあると、本が手に取りやすくなります。置くものは本でもいいですし、極端な話、漫画でもいいと思います。漫画でも歴史ものや、知識系のものがありますのでね。人が座ってゆっくりするような“たまり”になる所にあると、本を取って読むことがしやすくなります。階段もリビング階段なら、階段に座って読むこともできます。
いろいろな場所をあげましたが、僕はリビングにこそ本を置くスペースを作っていただけたらと思います。リビングの一角を確保するのは難しいと思いますので、リビングに隣接した所に子どものスタディコーナーを作って本も置けるといいですよね。
昔、僕の友だちの家で、居間の所に続きで縁側があって、そこに子ども机を置いて「ここが自分の勉強場所なんだ」という子がいました。僕の思い出だと、その子はよく勉強ができる子でした。おそらくその子は、家族がワイワイ話している側で勉強していたので、寂しさを感じず、集中できたのではないかと思います。
メリハリをどうやって作ってあげるかも大切です。
リビングの側だったら「ちょっと休憩しようか」「お茶飲んでひと休みしようか」ということもしやすいです。こういう時間があると、勉強も楽しいものだというイメージができて、勉強が習慣になっていくと思います。
今の話を踏まえて、友人の塾経営者が言っていたことをお伝えすると「勉強するスケジュールが組めるようになることが大事」とのことです。
例えば学校から帰ってきたら、この時間はリビングで宿題するとか、ご飯を食べてみんながまったりした頃には1時間だけ予習する、みたいなスケジュール化を一緒にしてあげられると良いということも言っていました。
最後まとめになります。
今回の提案は、勉強と遊びを限りなくニアリーにするという感じです。寂しさを排除して、集中できる環境を作ってあげる。さらに、気軽に座れて本が読める場所もあると、自発的に勉強することに繋がっていくかも、という内容になります。
今回の話は、今の段階ではアイデアレベルでしかないです。でも、こういったことを参考にしていただきながら子ども部屋を考えていただくと、面白い家ができると思います。