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キッチンパネルの種類と選び方

今日はキッチンパネルの種類と選び方について解説します。

最近、キッチンの前の壁にキッチンパネルを貼ることが多いです。そこに貼るパネルをどうやって選べばいいのかというご質問がありましたので、そのことについて私なりに解説をしていきたいと思います。

私みたいなおじさんからすると、キッチンパネルは最近のものという印象です。せっかくの機会なので、日本の住宅におけるキッチンの壁の変遷について少しお話ししたいと思います。昔の流し台って今みたいなキッチンの形じゃなくて、洗い場と、おくどさんと言うお釜のスペースがある造りでした。木壁・塗り壁・漆喰などが主流だったと思います。そんな壁の造りが変わったのは、ステンレスやモザイクタイルを貼った流し台みたいなものが出てきた時です。

初期に一番多かったのは、リーズナブルなモルタルの金ゴテ押さえというやつです。下地に薄い板を貼り付けて、フェルトという黒い紙を貼り、ラス網をホッチキスの親分みたいなもので留めて、それにモルタルを塗って、最後にコテでキレイに仕上げてツヤッとさせます。

その後、「もうちょっとおしゃれにしたい」と言ってできたのがタイル貼りというものです。タイル貼りは長く定番でした。私が子どもの頃まではモザイクタイルという小さいタイルを貼り付けるタイプが主流でした。それが10cm角になって、ちょっと豪華な15cm角・30cm角になっていき、タイルが一番ポピュラーな感じになったのです。そういう歴史があります。

タイルは綺麗ですが、扱いにくさもあります。それがタイル目地です。白とかグレーの目地を入れることが多いですが、それが割れたり落ちたりします。特に昔はレンジフードがなかったので、窓や換気扇のプロペラで煙を出していました。うまく湯気・煙が抜けていかないので、目地にも汚れが付きやすかったと思います。そこで、何かこれに代わるものがないかなと出てきたのがキッチンパネルなのです。

キッチンパネルの最大の特徴は、汚れが取れやすいこと。言い換えると、目地が非常に少ないです。大判のものを貼り付けるので、10cmのタイルを繋ぎ合わせるのと比べたら目地も少ないに決まっています。タイルに代わるものとして好まれるようになりました。

キッチンパネルには、大きく言うと3つの種類があります。金属製と不燃化粧板、それからホーローです。それぞれどんなものがあるのか説明していきます。

金属は、私が知る限りはステンレスかアルミが多いです。中華料理屋の厨房に行くと、壁は大体ステンレス貼りになっています。あれはキッチンパネルというより、ステンレスの薄板を貼り付けているようなものです。プロが使うぐらいだから火・熱に強いですし、ほとんど腐食もしません。掃除も非常にやりやすいということで、今でも好まれる方は多いです。

好まれる方は、シンプル・無機質な感じでスタイリッシュになるということで選ばれることが多いと思います。しかし1つ欠点があって、ステンレスは硬いので加工がすごく大変なのです。加工する取り付け大工さんやキッチンセットを組む方は、カッターの歯を2,3枚持ってこないと仕事が終わらないぐらい、仕事が大変になります。それに比べてアルミは柔らかいので加工しやすいです。金属なので火にも強いですが、一番の特徴はステンレスに比べて光を反射しやすく、明るく見えることだと思います。ステンレスもピカピカしていますが、跳ね返しで言うとアルミの方が強い印象です。ステンレスの地金の雰囲気の質感と、アルミの地金の質感の好みの差や加工のしやすさで、どちらかを選ばれます。一般的にステンレスは値段が高いです。

次に最も多いのが不燃化粧版です。これはデザインがとてもたくさんあります。特に住設メーカーさんの、LIXILさん・タカラスタンダードさん・サンウェーブさんが出されているキッチンとキッチンパネルは、セットになっています。そのため、メーカーが出しているシリーズの一定のラインナップの中から選ぶことが多いです。住設メーカーが用意しているパネルの種類は程度が知れているため、特殊な表面材・扉材を使うようなキッチンを好む方にはしっくり来ない時もあると思います。そういう時はメーカー純正じゃなくて、アイカ工業さんなどが作っている汎用品の中から選んでいただくと、こだわりはかなり再現できると思います。

不燃化粧版なので、樹脂とは言え耐水性・耐火性もあるし熱にも強いです。燃えない加工がしてあるので、安心して使うことができます。タイルや金属と違って柔らかくて加工しやすいので、仕事もしやすいです。3種類の中だと一番安価で求めやすくなっています。

3つ目のホーロー板は、ホーロー鍋と一緒でそれを板状にしたものです。金属の表面に釉薬を掛けて、擬似的に表面にガラス面みたいなものを作るため、熱・汚れ・傷に非常に強く光沢もあります。タイルほどではありませんが、値段は高めです。また、金属の芯材がスチールだと磁石が付くため、台所の壁にマグネット式フックや小物を置く台などを付けたい方は、非常に重宝されると思います。

こうした種類の中からキッチンパネルを選ぶポイントは、まずは色目です。デザインも、石目柄や木目調などいろいろあります。そういうデザインものはあくまでフェイクですが、ステンレスやホーローは素材そのものです。あとは、キッチン全体の雰囲気とのマッチングを考えたり、セット価格でコストも安くなりがちだったりするため、メーカーを基準に選ぶという手もあります。手入れのしやすさでは、撥油加工と言って油をはじきやすい加工が付いているか・付いていないかも、汚れ防止として大きいポイントなので注意してください。このように、色目・デザイン・素材感・メーカー・手入れのしやすさでキッチンパネルを選んでいただきます。その選択肢として、大きく3つあるということを知っておいてもらえれば、満足のいく選び方ができると思います。

キッチンパネルの施工を何回かやらせていただいて、気付いたことがあります。台所の汚れが目立つのは嫌だからと言って、ダークトーンのパネルを選んで、クロスの代わりに広く貼りたいという方もいらっしゃいますよね。しかしそれでやりすぎると、キッチンが暗い印象を受けた時がありました。貼る面積とパネル自体の明るさに関して、吟味が必要だということを頭に置いておいてください。

最後にちょっとしたアドバイスです。正面にはパネルをもちろん貼ると思いますが、サイドはキッチンの奥行きギリギリでパネルを納めたい方もいらっしゃると思います。コストを考えると、なるべく最小限の寸法でやりたいですよね。しかし機能面で考えると、側面のパネルはキッチンよりちょっと出ている方が掃除もしやすいし、納まりも綺麗に見えやすいです。そういうことを含めると、あまり小さくしすぎないということもポイントです。これも頭に置いていただければと思います。

キッチンパネル選びの参考にしてみてください。

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