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片付く家の各論:クローゼットにも通風・採光を

今回は片付く家の各論ということで、「クローゼットにも通風・採光を」というテーマでお話しします。

今回も、大島健二先生が書かれた「住まいかた解剖図鑑」の中に「本当その通りだな」と思うことがあったので、そのことをネタに解説をしていきたいと思います。

お題は、クローゼットについてです。片付く家については、みんな「片付きやすい家が欲しい」とおっしゃりますが、それはいろんなことの積み重ねだと思います。その中でも1つ核になるのが、衣類の保管・管理です。今は多くのお家がウォークインクローゼットを代表にやってることが多いと思います。

このクローゼットに大島先生がキャッチフレーズをつけられていて、それがとても素敵だったので、ご紹介したいと思います。それはこういうキャッチフレーズです。

「クローゼットにも通風・採光を」

これを見た時に「なるほど確かに、なんとなくおぼろげに思ってたけど、まさにそうだな」と感じました。その中身を解説していきます。

クローゼットって、限られた空間で、やや狭くて、暗くて、窓もなくて、入っていくとどん詰まり、という感じのものが多いと思います。ついつい物を置いちゃって、いっぱいぎゅうぎゅうに入ってるような感じだと思います。そういうところで何が起きるかというと、そこが難攻不落な服塚になるんです。「おーい、僕の欲しい服はどこにあるんだ」という感じです。

ウォークインクローゼットはスタンダードで、みんな作ります。でも作り方を間違えると、真っ暗になって奥のものが取れないとか、衣類がぎゅうぎゅうに入って虫が来たりします。服に虫が来るのは、多くの場合は風通しが原因です。それから、探す時には光がないことも問題です。

こういうことを踏まえて、大島先生は「クローゼットをもっとアクティブなものにしてもいいんじゃないか」とおっしゃっています。さらにクローゼットのタイプとして、2つご紹介されています。

まず1つ目に「クローゼットを取るなら前室タイプがいい」とおっしゃっています。前室とは、主な寝室の前の部屋という意味です。クローゼットを通って寝室に行く作りにしておくと、クローゼットが絶えず目につくようになります。さらに先生は、「クローゼットの上部は解放したらいい」とおっしゃっています。間仕切りで上まで仕切ってしまうんじゃなくて、ちょっと隙間を空けておくということです。そうすると、周りから光・風が入りやすくなります。

こうすることで、寝室は最もプライベートな空間ですから、プライベート空間への緩衝帯になる、このクローゼットがあることによって、より寝室のプライベート性が高まり、とてもいいんじゃないかと提案をされています。

ただ、上部開放はすごく素敵ですが、上から埃が溜まりやすいという欠点もあります。だから、その上には棚板みたいな感じのものをつけて、直接埃が落ちてきにくいようにするといいと思います。棚板だったら、埃が溜まってもパッと拭けば終わりです。

もう1つ紹介されているのが、行灯タイプです。図のように、平面的にはごく普通の、寝室にウォークインクローゼットを切っているパターンです。これの、間仕切り部分を格子状にして、ツインカーボンのポリカの板みたいなものを使って、光が通るところと格子で交互にすることで、間仕切りなんだけど光が入るようになります。そうすると、この絵の間取りなら左下の窓から光が入ってくるから暗くないし、上部を開放すれば通風と採光ができます。こういう風に、クローゼット自体を行灯・提灯のようなイメージにする作り方も、面白いですよね。

こういうのは、大きな箱の中にもう1個小さい箱があるみたいな感じで「入れ子」と言います。入れ子構造というのもよく著名な設計士の方がやられることで、これをやるとちょっとカッコいいクローゼットになるし、使い勝手もいいです。

結局、服も押し込んでしまったら、監督不行届になるんです。人間、目についたらいろいろ気にしてやるけど、見えなくなったらわからなくなります。若い人は「そんなことない」と思うかもしれないけど、そんなことないです。年を取ったら忘れやすくなります。家は長いこと住んでもらうわけなので、そういうこともやってもらうといいのかなと、私は思います。

こういうことに触発された部分もありまして、今回当社で新しいモデルハウスを作った際には、クローゼットと洗濯室の部分の両方で、吹き抜けとハイサイドライトを作りました。クローゼットの上に吹き抜けってあまり聞かないと思いますが、上がパッと吹き抜けた感じで、上から光が入るような、そういうクローゼット空間を作っています。

「そういうのって、どういう感じがするんだろう?無駄じゃないんだろうか?」などと感じられると思います。ぜひ、論より証拠、百聞は一見に如かずなので、気になる方がお近くにいらっしゃったら、見てもらえたら参考になるんじゃないかと思います。

クローゼットって、暗くて、空調されてないイメージがあって、冬は寒い・夏は暑いみたいな感じで、そこに長居する感じはないと思います。でも吹き抜けがあることで、私たちがやる全館空調とのマッチングも良くなり、非常に快適な感じになります。

私は最近つくづく思うんですけど、リビング・ダイニングなどが快適なのは当たり前ですが、水回り・クローゼット空間も快適じゃないとアカンと思うのです。何がアカンかというと、家事をするのにストレスなんです。「寒いところは嫌い」「暑いところは嫌い」ということはよく聞きます。暑かったり寒かったりしたら、手入れをしたりそこを設えたりすることが、つい億劫になります。ものをポンと置いて、後でやろうと思って行ってしまうんじゃなくて、その時に粘り強くできるためには、根性を出せというよりは環境を良くしてあげるのがいいと思います。これはとてもいいことだと思います。

小ネタではありますがとっても大事なところじゃないかと思うので、ぜひ参考にしてもらえたらと思います。

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