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真面目に考える夫婦の寝室問題

今日のテーマは真面目に考える夫婦の寝室問題です。なかなかセンシティブな話題ではありますが、お話してみたいと思います。

以前、リビング階段のメリット・デメリットの動画を投稿しました。「リビング階段いいですよね」というコメントをいただけた一方で、「リビング階段にして失敗でした」というコメントもいただきました。そのコメントの続きで、共感された方がリビング階段にした最大のデメリットととして、2階の音1階の音が響き渡る、というのを書かれていました。

リビング階段というのは、たいてい吹き抜けと組み合わせて、1階と2階をつなぎます。なので1階と2階の音がそれぞれ響きわたって気になるそうなんですね。その話から延長して、子どもが年頃になってきて、夫婦の営みってあるじゃないですか。こういうことに関して、すごく抵抗感があったと言うか、すごい気を遣ったということがあったので、工務店さんとか設計者の方に事前に聞いとけばよかったなぁと思われたそうなんです。

こういう話って、面と向かってし合うの難しいんですよね。でも一方で確かに、こういう問題はあります。

今回のコメントに関しては、技術である程度解消ができます。荒技になりますが、ご夫婦の寝室のドアを防音ドアにする方法をあります。後から対応もできますが、最初から設置する方法もあります。ドアからの音抜けがやっぱり多いですので、防音ドアにすると少し安心感があると思います。「ドア1枚では安心感が…」という方は、2階の間取りを考える際、夫婦の寝室を一番奥に持って来て、お子様たちが近づきにくくするというのがあります。

ただ夫婦の寝室のそばにトイレを持ってきたいという場合は、お子様たちがお部屋のそばを通ることもありますので、よく考える必要があります。また夫婦の寝室と別の部屋との境目に関して、壁だけで心許ないということであれば、間に収納を設置すると、上手にプライバシー性を高めることができます。

この問題って「こういう間取りがいいですか?」と提案ができるといいんですけど、設計側からすると、なぜそれがいいのかという説明がしにくいんですよね。また住む側も赤裸々に言いたくないところがありますので、ここが非常に悩ましいです。動画を見ていただいているみなさんには、こういう間取りもある、というのも頭に入れながら、家づくりに活かしていただければと思います。

この寝室問題に関連して、以前、私は別の動画で「夫婦の寝室って最小寸法はどれぐらいにしたら良いか?」というのを投稿しました。この動画では、今まで僕が見てきたケースで、4畳半の真ん中にどーんとダブルベッドを置くのもありましたよ、というのを話しています。

若いご夫婦の方が住まれていて、二人ともこれで十分満足されてるそうですが、おじさんの僕としては、ちょっと気になることがありました。それは、いつまでダブルベッドで寝るのか?ということです。みなさんに日本のシティホテルを想像してほしいのですが、シティホテルって家族旅行で使うこともあれば、仕事で使ったり、色々な用途があるんですよね。部屋の仕様についてお話すると、一般的にダブルベッドとツインベッドというのがありまして、これの比率を言うとダブルベットは結構少ないです。日本の夫婦の寝室も同じようなところがあって、ダブルベッドのほうがいい期間というのは、そんなに長くないです。

いずれは、ツインベッドにしてそれぞれの寝る形に変化することが多いと思います。このツインベットにする時も、シングルとシングルって形もあるし、シングルとセミダブルにする形がありますよね。後者の方はご夫婦で別々にゆっくり寝るけど、仲良くしたいなっていう日はセミダブルの方で2人で寝る、という使い方になります。

私がとても尊敬する住宅設計の大御所で宮脇檀(みやわきまゆみ)先生という方がいらっしゃいます。吉村順三先生の一番弟子でたくさんの本を書かれています。その中で「男と女の家」という本がありまして、日本人がタブーにしがちな性の問題とか、それから色んな排泄問題とかも含めて男と女にはそれぞれの固有の差があって、それでも一緒に仲良く暮らしていくことが書かれています。

この本の中で、宮脇先生は「夫婦別就寝」という言葉を使われています。夫婦には、お互いが別のところで寝るというのが、普通になる時があるんだよという内容です。もちろんすべての夫婦に当てはまる訳ではないですが、多くの夫婦はそうだと思います。年齢もさまざまで、シニア夫婦だけでなく、子育て世代ご夫婦も別就寝をいう形態を取られるケースがあります。

例えば僕の友人で新婚の頃はダブルベッドで2人寝ていたご夫婦がいます。その後子どもが生まれたタイミングで、そのダブルベッドはお母さんと赤ちゃんが使うものになりました。旦那さんは1階の和室で寝ているそうです。これは夫婦仲が悪いのではなく、ご主人は朝早い仕事で、赤ちゃんは夜泣きもするので、奥様の思いやりで、この形になったそうです。「あなたが仕事がある日は下でゆっくり寝てね」と。「じゃあ土日は俺が面倒見る」というケースです。

この別就寝には色んな形があって、2つ例を挙げたいと思います。まず1つ目はちょっと分離というタイプ。これはハウスメーカーさんがシニア向きの寝室を計画するときの事例で時々取り入れられているのでご存知の方もいると思います。1つの部屋があって、間仕切りで緩やかに分けるものですね。例えば寝る前に読書したい奥さんと、すぐに眠りたい旦那さんの場合、同じベッドだと、奥さんがライト点けているのがストレスになって口喧嘩のもとになったりしますよね。そういうご夫婦にはおすすめです。

一方で音に関しては、ある程度聞こえてしまいます。僕も今まで2〜3回、夜中に枕で女房に叩かれたことありますけど、結構いびきかくんです。あまりにいびきがうるさくて耐えられない時に「もういい加減にして」って叩かれました。そんな感じでいびきがものすごく気になる奥さんもいらっしゃいますよね。逆に女性でもいびきかく方いらっしゃいますので、旦那さんがナーバスっていうこともあると思います。そういう方は分離を強くしていく形になります。

「それなら完全分離にしすればいい」という話になりがちですが、ここが男女の文でございまして、たまには仲良くしたい日もあるじゃないですか。そうすると次のおすすめがコネクティングタイプになります。仕切られているけれど、廊下に出ずに、お互いのスペースに行けるというものです。ちなみにホテルにもコネクティングタイプルームがあります。ツインの部屋だけど行き来ができる。昼間は子どもたちと過ごすけど、夜になったら隣のスペースに移動して、夫婦でお菓子食べたりお酒飲んだり、という風に使えます。これを夫婦の寝室でやるということです。

どちらが良いかは、ご夫婦の考え方やタイミングによって変わると思います。最近は将来の暮らしを考えて、子ども部屋を広めにつくって間仕切りを入れたいという、若い子育て世代のご夫婦が多いです。そのときに自分たちの部屋を、ちょっと分離したものにするか、コネクティングタイプにするか想定されておくといいと思います。

例えば窓の配置を考えるときに、小さい窓2つ付けたほうがいいなというのが分かったりするので。足腰がしっかりしている時期は2階の寝室を使って、しんどくなってきたら1階を使う場合は変わってきますので、それはまた相談してください。

何しても、せっかく家を建てるなら、長い間夫婦でちゃんとコミュニケーションできて、ふれあいもあって、仲良く暮らせるというのが僕は一番良いことだと思います。今回の問題はナイーブなとこもあるので相談しにくいし、提案する方も根掘り葉掘り聞いて言うのは憚られるところがあります。でも、ご夫婦の方で「ちゃんと提案してもらいたい」ってことであれば、ちょっと旦那さんに頑張ってもらって。リーダーシップ発揮してもらって、満足度の高い家づくりにつなげていただけたらと思います。

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