エコキュートとエコジョーズはどちらが良い?
今回のテーマは給湯器です。エコキュートというものとエコジョーズというものがあります。お客様から「どちらを選んだらいいのかな?」という質問を受けましたので、それについて解説していきたいと思います。
エコキュートとエコジョーズの違いってわかりますか?これはどちらも高効率・省エネ性の高い給湯器の2大商品という感じで、よく引き合いに出てきます。
エコキュートは電気で沸かすタイプでエコジョーズはガスで沸かすタイプです。最近の電気代の上昇を考えると、エコキュートはすごく影響を受けます。だからか「ガス給湯器にしておいた方がいいですか?」というご質問を受けますが、そこに関しては電気も天然ガスで発電することがあります。電気代が上がっているということは、ガス代も上がりますので、各契約されている先によって少し差があるかもしれませんが、大きく有利・不利というのはないです。
エコキュート・エコジョーズの比較について基本的な解説をしていきます。僕の板書を見てください。
まずエコキュートは電気で、エコジョーズはガスでお湯を作ります。1軒の家では、1年間にいろんなエネルギーを使いますよね。一番たくさんお金が掛かる光熱費は給湯代と言われています。なので、一番大きいウェイトのところを何で沸かすのか?という問題は家計に直結しますよね。
「省エネ性が高い方はどっち?」というのは、それぞれこんな感じです。
エコキュートはヒートポンプという技術を使います。エアコンと一緒です。空気中にある熱を汲み上げたとします。エネルギー1だとしたら、エネルギー効率を上げて何倍にするのがヒートポンプを使う給湯なので結構お得と言われています。
一方エコジョーズは何が良いかと言うと、熱効率が良いです。ガスは火を炊きますよね。ガス給湯器の側に行ったらすごく熱い排気が出ていると思います。これまでのガス給湯器は、この排気の熱を捨てているだけでしたが、エコジョーズは、それだともったいないので排熱を回収してお湯を作る方に回しています。排熱利用という点でエコジョーズはすごく優れていると言われています。
エコジョーズは通常のガスの給湯器と比較して、効率が15%ぐらい上がると言われています。だからガス代も15%ぐらいはカットするという感じです。
光熱費で換算すると、4人家族ぐらいの設定で考えたらエコキュートは年間が大体4〜6万円と言われています。一方でエコジョーズは年間6〜10万円ぐらい。光熱費としてはガスの方が掛かると言われています。
エコキュートのメリットは、ランニングコストです。毎月のお湯の電気代が比較的、安く済みます。それから災害の時。貯湯槽と言って、お湯をタンクに370リットルほど溜めることができるので、断水になっても溜めた分だけは緊急避難的に使えます。非常用水源になるということですね。それから電気で沸かすので太陽光発電との相性がいいです。
デメリットは、限られたお湯を1日に使うので、たまにお客さんが来たとか、おじいちゃん・おばあちゃんが来たとか、息子の友だちが5人ぐらい遊びに来て、わんさかお風呂に入ってシャワーをバンバン使うとなったらお湯切れする可能性があります。急には沸かせないので、その時には困るでしょう。それが不安なら、 430リットルのものを選んでおくのも1つの方策だと思います。
それから水道の水を一旦沸かしてタンクに溜めるので、水道の塩素が飛んでしまいます。なので直接飲料に関してはメーカーはあまり推奨していません。個人的には飲んでも大丈夫かなと思っていますが、アカン・いいとなったら推奨はしないということです。
それから最大のデメリットが大きさです。2mぐらい背丈があって、搬入するのも1人じゃ無理です。なので家にエコキュートの貯湯槽を置いたら、そこは通れないみたいなこともああります。
あとはカビが生える?という心配をされる方がいます。確かに、配置されてる家の環境によっては室外機にカビが生えるというケースを見たことがあります。エコキュートの貯湯槽は大体ステンレスでできていますが、ケースとの間にうまく水が回らず、風が通らなくてカビが生えることは設置の条件によってはゼロではないと思います。
ただタンクは密閉されていますし、毎日80℃ぐらいの温度で沸かすので、菌やカビが生育できるような温度ではありません。どっちかと言うと、湯垢みたいなものが溜まるということはゼロではありません。時々、水抜きをするのは必要だと思います。
次にエコジョーズ。メリットは必要な時に必要なだけ使えることです。人が増えても、給湯器を回す限りはお湯が潤沢に出ます。それからエコキュートの機械に比べたらエコジョーズの機械は比較的安いです。エコキュートが40万円台後半から80万円。エコジョーズは25万円から高くても40万円ぐらいまでです。
それから水道の水を直接入れて瞬間で湯を沸かすので、飲むこともできます。あとはガス工事をするので、わざわざガス乾燥機用のガス工事をしなくても、エコジョーズと共用することができます。それから、エコジョーズは70〜80cmぐらいの大きさなのでコンパクトです。
デメリットは、ランニングコストがやや高い。それから一番のデメリットは給湯器が入手しにくいところです。物が不足していて、手に入りません。半導体不足から始まる物不足がどこまで続くかわかりませんが、2022年中は大きなデメリットになるでしょう。それから太陽光発電とは連携ができません。ガスですからね。
さて、電気代が上がっていますが、今現時点ではエコキュートの方がちょっと優位性があるかなと思います。そして何より今後で一番思うのは、太陽光発電との連動です。太陽光はとにかく、お金がなくても載せておけという時代です。自家消費ができますからね。それだけでも得になります。
10年経って買取金額が終わったら、もしくは買取金額がガタッと下がったら、自家消費するというフェーズになります。その時はガスよりも、深夜電力よりも、太陽光発電をそのまま使う方が得に決まっています。そうすると劇的に給湯費はエコキュートの方に軍配が上がるでしょう。もちろん、エコキュートの寿命も10年ぐらいと言われているので、上手に使って12〜3年。享受できるのは何年間かもしれませんが、次に買い換える時はソーラーチャージ型やダイキンさんのおひさまエコキュートも検討できます。
日中の太陽光発電でダイレクトで沸かすことができれば、夕方に使うときに、お湯がほとんど冷めていません。そうすると効率がとてもいいですよね。
それを考えると、まだエコキュートが有利かなというのが今の僕の私見になります。