お一人様こそ家を建てたほうがいい
今日のテーマはお一人様の家づくりについてです。先日、独身の方から「独り身で、家づくりをするのって不思議ですか？」と相談をいただきました。一般的に新築を建てる方というのは、これから子育てをする方とか、あるいは子育てが終わったから夫婦2人でゆっくり暮らしたいという方が多いです。そういうイメージがあるので、独身の方は、「家族がいるわけではないけど建ててもいいかな？」と思われるのかもしれません。
僕の周りで、40歳ぐらいの人を見ると3割ぐらいは独身です。結婚するという感じもあまりなくて、マイペースに暮らしている方が多いです。なので独身の方の家づくりというのは、これからさらに増えてくるし、珍しいことではなくなっていくと思います。この状況を踏まえて、独身の方が家を建てるというのは、どういうことなのかな?というのを考えてみたいと思います。
僕は結婚して娘もいるので、独身の方について完全に把握はしていません。でも、もし僕が今、独身だとして、「家を建てたい」となったら、そこには何か大きな目的があるのだと思います。それは大きく分けると2つあって、1つは集う場所が欲しくて家を建てる、もう1つは没頭する場が欲しくて家を建てる、というのが出てきます。
1つ目の“集う場所”というのは、友達を呼んで共通の好きなことを楽しむとか、一緒に食事するシーンを想定しています。これは、ちょっと発展した形になりますが、僕の会社には独身で音楽が大好きな社員がいて、スタジオ併設型の家を建てました。周りも音楽好きな人ばかりで、「スタジオあるんやったら演奏させて」という感じで人がよく来るそうです。
2つ目の没頭する場は、趣味とか好きなことを存分に楽しむシーンを想定しています。例えば、何かをコレクションするのが好きな人っていらっしゃいますよね。乗り物なら車とかオートバイ、自転車などがあります。そうした方だとガレージが見えるリビングなんかが分かりやすいと思います。キャンプが好きな方でしたら、キャンプギアを家でメンテンスしたり、それを眺めながらお酒飲んだりする空間、映画や古いオーディオを楽しむための空間もあります。ものづくりが好きな方でしたら、自分専用のアトリエとか工房が当てはまります。
ちなみに、集いと没頭の間に「寛ぐ場」というのもあります。これは日常の生活の中で、何もしないでゴロゴロしたり、お風呂にゆっくり浸かったり、お茶飲んだり、ペットと過ごしたりするシーンになります。
今、いろいろ挙げましたが、“集う場所”と“没頭する場所”を、もっともっと深めたい、極めたい、味わいたいという方は、ぜひ家を建てたほうがいいと思います。こういうのはマンションでは実現しにくいので。自分のための家を建てて、大いに楽しんでほしいです。
僕は家づくりの相談を受けた時に、「なぜ家を建てたいのですか？」とか「どういう暮らし、生き方をしたいんですか？」と質問を投げかけています。この集いとか趣味というのは、まさに「何のために生きているのですか?」という問いにつながるものだと思いますので。思い切り挑戦してください。
一方で独身の方が「家づくりしていいのかな？」と思う背景には、フラッとハウスメーカーさんのモデルハウスを見学したとき、家族連れでなかったり、女性1人で行ったから、まともに話を聞いてもらえなかったという経験があったりします。「見学に行ったの迷惑だったのかなぁ」と思ってしまうんですね。大きい会社の営業マン全員がそうとは限りませんが、多少はそういう傾向があります。でも、自分の趣味とか仲間と過ごす時間のために「家欲しいと思ってるんです」と伝えることができれば、キチンと対応してくれると思います。なかなか言い出しにくい部分はあるかもしれませんが、トライしてみてください。
趣味を突き詰めた家を建てたい場合ですが、大手ハウスメーカーさんだと、制約があって上手く形にできないこともあります。その時、僕がおすすめするのは地元の工務店さんです、。特に物へのこだわりが強かったり、似た趣味を持っている社長さんやスタッフがいるところは良いですね。そういうことは、各会社さんのブログとかSNSを見ると分かりやすいと思いますので、ぜひチェックしてみてください。
独身の方が家をつくるのには、こんな良いこともあるなぁと思うことがあります。今の時点では1人で住むのを想定していますが、もし将来、自分の人生のパートナーが見つかった時、趣味性とかを追い求めた家は、さらに良いものになるはずです。例えば40代の時に1人で住んでいて、そこから彼女や彼氏ができるとなった時、集いの中でキーになるものは共通の思考だったり趣味になると思うんですね。普通の家より、趣味性が強い家のほうがご自身の魅力の増幅にも繋がるはずです。
何にしても家づくりというのは、家族がいる方なら、家族を幸せにするものだと思いますし、お1人の方ならば、自分を幸せにするために取り組んでもらえたらと思います。
