断熱性能を上げても涼しい家にはならない
今回のテーマは
夏涼しい家の作り方の
基本についてです。
夏涼しい家が欲しければ
断熱性能をすごく上げたら
いいですよね、と
質問を受けることも
あります。
それは半分合っていて、
半分違うと言うのが
正直なところなので
今日はその辺りを
解説したいと思います。
僕たちがすごく
リスペクトしている
一条工務店さんあたりが
こう考えられていると
思います。
Wの断熱とか、
屋根部分の断熱も
十分されたりして
非常に強烈な
断熱ができている家です。
一条さんと言わなくても
そうした住宅が
あると思いますが、
こういう家にしたら
涼しくなるのか言うと、
何点かポイントを
押さえていないと
せっかくのお宝が
持ち腐れになる
ことがあります。
夏涼しい家とは
何か言うと、
日射のカット、
つまり太陽光のカット。
これが一番です。
僕はすごく声を
大にして言います。
次に断熱性能。
そしてそれに
付随するものが
気密性です。
だから
断熱性はあるけど
気密性が低かったら
あまり意味は
ありません。
だから掛け算です。
そして最後に
空調のやり方です。
いくら断熱しても、
この暑い日本で
空調なくして
断熱だけで涼しい
なんてあり得ません。
現代社会では
重要なファクター
だと思います。
なので
「日射カット」
「断熱」
「気密性」
「空調」
これによって
涼しさが決まります。
どれか一つ疎かにすると
それは涼しい家なのかな?
という事です。
例えば強烈な
断熱性能の家が
あったとしても、
日射が入ると
強烈に熱を受けます。
これは
断熱性能にかかわらず
庇(ひさし)を伸ばすか
カーテンみたいな
「よしず」とか「すだれ」で
カットしないと
防げません。
なので
断熱性能と気密性能が
すごくても
日射が入ってしまえば
非常に断熱性能がある、
熱を蓄える力が大きいので
熱が入っちゃうと
外に逃げません。
なのでとても暑いです。
では何をやるかというと
エアコンを各室で付けて
冷やそうとします。
太陽の熱が強烈なので、
これを打ち消して
さらに涼しくする
エネルギーたるや、
ちょっと大変なことに
なると思います。
断熱性能だけ良くても
だめということが
わかると思います。
もう一つ
ものすごく感じるのは、
強烈な断熱を誇る
お家に関しては
各室空調というのを
夏場に勧めるケースも
意外に多いです。
例えばで
夏場リビングにいると
します。
みんな外出してるから、
他の部屋は空調していない
ので暑いです。
熱は暑い方から低い方に
逃げていきます。
つまり
余計に空調が
効きにくくなります。
だからこれに
打ち負かそうと思ったら
太陽光を完全に
蓋して真っ暗にしてない
限りは太陽光が
ずっと入ってきますので
うだるような暑さです。
その熱があると
家の中の方が
外より暑い
みたいなことが
起きます。
そういうこと考えると、
家全体を空調して
均一な温度にしたら
日差しが入らないように
しておけばそんなに
温度は上がりません。
なので
断熱性能を上げただけでは
絶対に涼しい家には
なりません。
合理的じゃないというのは
すごく乱暴な説明でも
理解していただけたかな
と思います。
ぜひ涼しい家が欲しい時は
断熱はある一定はして、
どれぐらい日射をカット
してくれているかが
ポイントの1つです。
かつ空調に関しては
どれだけ合理的に
やれるのかいうのを
考えてください。
せっかく断熱して
コストかけた家を
作っても、結局住んだら
力技じゃないと
涼しくならないという
ことになってしまいます。
ぜひご注意を
していただきたいと
思います。