ChatGPTに聞いてみた。「家を買っていい人・ダメな人」
今回は「家を買っていい人・ダメな人」をChatGPTに聞いてみました。
先日、若いお施主様のご夫婦とお話しする機会がありました。その際、ご夫婦から「森下さん、僕たちは家を買っても大丈夫でしょうか? 買ったらダメですかね?」という、とてもシンプルでありながら、多くの方が抱える悩ましい質問をいただきました。これまでも、家を買っても問題のない方と、慎重に判断したほうがよい方の違いについてお話しすることがよくありました。今回も改めて、その点について解説していきたいと思います。
私自身の考えをそのままお伝えするのもよいのですが、ちょっとした遊び心もあり、ChatGPTを使ってみることにしました。そこで、過去に私がブログやYouTubeで解説してきた持論をテキストデータとして入力し、その内容を踏まえたうえで「家を買ってもよい人と、そうでない人の違い」についてChatGPTに答えさせてみました。家を買うというのは、どの時代においても大きな金額が必要となる人生の重要な決断の一つです。そのため、「なんとなく欲しい」と思っても、今すぐ購入すべきかどうかを迷うのは、ごく自然なことだと思います。今日は、そのやり取りをもとに、少しお話ししていきたいと思います。
まず、家を買うのを慎重に考えたほうがよい人の特徴として、1つ目は「とりあえず今の家賃がもったいないから」という理由だけで購入を考えている人です。2つ目は、転職や転勤の可能性が高い人です。3つ目は、貯金がほぼ0の人です。家の購入には、頭金や諸費用がかかるだけでなく、予期せぬ出費に対応できる余裕も必要ですので、慎重に考えるべきでしょう。4つ目は、銀行の審査で出た「借りられる額=そのまま借りても大丈夫な額」だと思い込んでいる人です。確かに、借りられる額があるからといって、すべてを住宅ローンに回してしまうのは危険です。「借りられるから買う」という安易な決断は避けたほうがよいでしょう。
私たちは姫路という地方都市に住んでいますが、神戸や大阪といった大都市圏に近づくほど住宅の購入価格が大きく変わってきます。友人の話を聞くと「そんな額を普通に借りるの?」と驚くこともあります。ただ、それが本当に自分にとって適切な選択なのかは、慎重に考える必要があると思います。また、家を買うことが「当然のこと」「買うのが当たり前」という考え方をしている人も、一度冷静に考えたほうがよいかもしれません。特に、私の世代までは「結婚して子どもができたら、家を買うのが一人前」という価値観が根強くありました。そして、いまだに本人よりも親御さんが「そろそろ家を買うべき」と考えているケースも少なくないと思います。しかし、今の時代はライフスタイルが多様化しているため、「家を買うことが正解」というわけではなく、人それぞれの選択があってよいのではないかと思います。
6つ目は、家を買った後の維持費を考えていない人です。住宅は購入して終わりではなく、10年後・20年後のメンテナンス費用が発生します。これらをしっかり見据えたうえで購入しないと、後々苦労することになります。7つ目として、「夫婦の意見がまとまっていない人」です。これは、おそらく私がこれまでお話ししてきた内容を学習したうえで抽出してくれたのだと思いますが、思わずニヤッとしてしまいました。
AIが挙げた7つのポイントの中で、私が最も慎重になってほしいのは、「夫婦の意見が本当に一致しているかどうか」という点です。これは非常に根が深く、大きな問題になり得ます。私の周囲を見ても、夫婦が別々の道を選ぶケースは増えてきているように感じます。実際、現在では3組に1組の夫婦が、何らかの形で離婚する可能性があるという統計も出ています。
家をこれから買おうとするご夫婦は、基本的には円満な関係にあると思いますが、その「円満」という状態も、すべてにおいて意見が完全に一致しているという場合もあれば、お互いに何かしらの遠慮や引っかかりを抱えているケースもあります。特に、夫婦間の関係が変化するタイミングで問題が顕在化しやすく、その原因は「自分の本心」にあることが多いのです。自分自身の本心というのは、意外と自分でも意識的に認識できていないことがあります。家づくりを始めようとしても夫婦間でスピード感が合わなかったり、一緒に行動することが難しくなったりすることがあるかもしれません。もしそのような状況なら、一度立ち止まってじっくり話し合ってみるのも大切だと思います。
最近では「子どもとの向き合い方」や「家事・育児と仕事の優先順位」といった問題が、夫婦間のすれ違いの原因になることが増えているように感じます。もしお互いの中に少しでも躊躇があるなら、一度じっくり向き合ってみることをおすすめします。
では、家を買ってもいい人とはどんな人なのかです。まずAIが挙げたのは、「ライフプランが明確にある人」です。人生の計画を細かく考える人もいれば、成り行きに任せるタイプの人もいます。ただ、全体的には慎重に計画を立てる人が増えてきたように思います。家を買うときには「家を買う計画」が優先されるのですが、家を買う目的は何かといえば、「幸せな人生を送るため」です。つまり最も大事なのは「豊かで幸せな人生を送るためのプラン」があるかどうかです。そのため、家を買う前に自分たちのライフプランをしっかり考えることが大切です。
そして、そのライフプランの一部として「安定した収入があること」も、当然ながら大前提になります。次に、「自己資金がしっかり準備できている人」です。頭金や諸費用は、基本的に住宅ローンで賄えない部分です。私自身、若い頃は本当に貯金ができないタイプでした。でも、結婚して家庭を持つことを考えると、貯金ができるスキルは大事です。これは単にお金の話ではなく、「計画的にお金を管理できる力」とも言い換えられます。このスキルがないまま家を買ってしまうと、後々苦労することになります。理想は定年を迎えるまでにローンを完済する形が望ましいですし、繰り上げ返済の計画もしっかり考えたいところです。
さらに、子育てが終わった後は、自分たちの老後資金を準備するフェーズに入るため、家計管理がしっかりできる人でないと、長期的に安定した生活を維持するのは難しくなります。そして4つ目は、「住宅ローンの仕組みを理解している人」です。これは非常に重要なポイントで、特にこれから金利が上がっていく可能性がある中では、より慎重に考えるべきです。最近は変動金利を選ぶ方も多いですが、変動を選ぶのであれば、そのリスクマネジメントを自分でしっかり行う必要があります。そのためには、住宅ローンの仕組みを理解しておかなければなりません。
▼住宅ローンの金利が上がる時代の基本的な考え方
https://www.m-athome.co.jp/movie/loan_kinri_kanngae
こうした条件をクリアしている方であれば、家を買うことは大きなメリットがあります。大切なのは、家を買うことが目的にならないこと。家を買うこと自体がゴールではなく、「より良い人生を送るための手段」として考えたときに、自分たちにとって本当にプラスになるのかどうかを見極めることが大事だと思います。
5つ目のポイントとして、「家を資産として考えられる人」です。これは非常に深いテーマだと思います。「家なんて買うものじゃない」「買った途端に価値が半分になるようなものを買うなんて資金効率が悪すぎる」といった意見もあります。確かにライフスタイルや職業、住むエリアによっては、その考え方が合理的である場合もあります。しかし、一般的には多くの人が「家を買って一生住む」ことを前提にしています。そう考えると、単に「資産価値が下がる」という視点だけで家を買わないという選択をするのは、少し短絡的かもしれません。特に、日本では年齢を重ねると賃貸住宅を借りにくくなるというリスクもあります。そうした点も考慮すると、「自分の家があること」は、安心して暮らせる大きな要素の一つになります。
また、家の資産価値というのは、「購入価格」と「売却価格」だけで決まるわけではありません。長く住み続けることで得られる安心感や、老後の住まいとしての確保など、金銭的な価値以外にも大きな意味があります。そのうえで、一生住むつもりで購入した家でも、将来的に手放す可能性があるとしたら、「資産としての価値」を意識することも重要になります。
では、「資産になる家」とはどんな家なのか。この点については、以前の動画で建築家・堀部先生の考え方をもとに解説しています。ぜひそちらの動画も参考にしてみてください。
▼家を建てる時に読んでおくと良い本(堀部安嗣先生編)
https://www.m-athome.co.jp/movie/ie_book_horibe
6つ目のポイントは、「どこに住むのかエリアが明確になっている人」です。特に、土地から探して家を建てる場合に重要になります。「どこでもいいから家が欲しい」という状態では、なかなか家づくりは進みません。なぜかというと、広すぎるエリアで探していると、決断がしにくいからです。実際に土地を探してみるとわかりますが、具体的にある程度エリアを絞り込まないと決めることは難しくなります。そのため、夫婦や家族の意見をしっかりとすり合わせて、住むエリアを明確にしておくことが大切です。
また、それと同時に「家を買わないなら、一生賃貸に住むことになる」という点も考えておく必要があります。賃貸と持ち家の違いを理解したうえで、自分にとって最適な選択をすることが大切です。
今回、AIの回答は「なるほど」と思う点が多かったです。特に、「貯金ができる」ということについては、ぜひ考えていただきたいです。これは、単にお金を貯めることだけを指しているわけではなく、「夫婦で協力して貯金をする」ということが大切なのです。よくあるのが、共働きでそれぞれが別の財布を持っているケース。このスタイル自体は問題ないのですが、「どうやって貯金をしていくのか」という話し合いがないと、結果的に貯金ができないままになってしまうことがあります。
また、夫婦どちらかに任せているご家庭も多いですが、夫婦で一緒に「どうやって貯金を確保するか」を考えることが大切です。これは、まさに「生き方の選び方」とも言えるでしょう。AIはこの点をサラッと言っていましたが、私はしつこく強調しておきたいと思います。
時代の変化に伴い、住宅購入のハードルは決して低くありません。しかし、それでも「家が欲しい」と思うなら、しっかりと準備をして、納得のいく形で購入していただきたいと思っています。ぜひ参考にしてください。