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寒くなる前に確認!「足元の温度を高めて健康に」

ようやく寒くなってきましたね。こういう季節になってくると寒さに備えて大事なことを改めて確認した方がいいです。今日のテーマは「寒くなる前に確認!足元の温度を高めて健康に」です。

今回の話は辻充孝先生の『ぜんぶ絵でわかるエコハウス』の中で教えていただいたことをお話しします。近年、高性能な家と人間の健康度の相関関係を調査する「スマートウェルネス住宅調査」が盛んに行われています。その中で、エビデンスが蓄積されてきました。辻先生は、寒くなってきたら「家は足元から暖めることがすごく大切」ということをおっしゃっています。

この絵は3つの家の状態の比較になります。断熱性能が高く、暖房もそれなりにされている暖かい家を基準として、暖房等で室温は一定以上だけど少し足元が寒く、隙間があるような家、そしてどこからも隙間風が入ってきて暖房を我慢しているような寒い家を比べていくと、いろんな統計値が出てきます。成人病などと言われているものだと、高血圧症、脂質異常症などがあります。私はなりやすいタイプで脂肪が溜まったりして脂質が増えます。糖尿病という怖い病気もあります。それから耳が聴こえにくくなることもあります。若い人にはわからないと思いますが、50代後半ぐらいになってくると顕著になってきます。若い人にも関係があることで言えば、骨折・ねんざも家の中でなることがあります。例えば、暖かい家に比べると、高血圧症は空気は暖かいけど足元が暖かくない家だと基準よりも1.5倍ぐらいなりやすいそうです。糖尿病だったら1.64倍、耳が聴こえにくいのが1.3倍です。なので足元の寒さと健康には因果関係があるんです。

亡くなったおじいちゃん・おばあちゃんは宍粟市の波賀町という山深くて冬はすごく寒くなるところに住んでいましたが、耳が遠かったです。年を取ったら耳が遠くなるとおじいちゃんは言っていましたが、寒さも影響があったのかもしれません。

日本では25〜30年前に建った家は断熱をしていないものが多いので基本寒いです。しかし、今の私たちのような建築業者の基準からすると、想像を絶するくらい寒い家に行くと、高血圧症は1.53倍、脂質異常症は1.39倍です。寒いから脂肪を蓄えるんですかね。聞こえにくさは1.39倍、骨折・ねんざは1.65倍です。

家の中で骨折することは年を取るとよくありますし、若い人でもねんざしたりします。体が寒さで固まることでなりやすくなります。ここで辻先生が特に強調されているのは、暖房をしている家でも、断熱性能が低くて足元が冷たい家と、家全体が寒い家とではあまりリスクが変わらないということです。高血圧症リスクは1.51倍と1.53倍で、0.02倍しか変わらないのです。足元が寒い家は良いことがないのです。今になってやっとエビデンスがはっきりしてきました。私の親父もそうでしたが、「寒いのはお前の根性が緩んでいるからだ」という考え方でした。今考えたら無茶苦茶です。

それから体の健康数値(γ-GTP・悪玉コレステロールなど)にも影響しています。病院に行って血液検査をしたら、「森下さん、お酒の飲みすぎだね」とか「ちょっとダイエットしないといけないよ」と言われます。これも一緒で、3つの家の状態の比較結果が出ています。室温が18℃以上の、ちょっと寒いかなという暖かいわけではない家。18℃を切っている12℃ぐらいの家。12℃を切ってしまうような寒い家では、18℃以上の比較的良好な暖かい家を基準1と考えると、中途半端に暖かい家は1.83倍ぐらい数値が悪くなるそうです。そして12℃以下の家は1.87倍になります。総コレステロール値に関しては1.64倍ぐらい溜まりやすいそうです。人間の身体における一種の防衛反応なのでしょうね。そして脂質異常症の5年間の発症の可能性は3.57倍になります。これにもちゃんとエビデンスがあります。3.57倍ってすごいですよね。18℃を下回る寒い家に住んでいると健康リスクが高まるということです。

今、私自身は高血圧症の治療の薬を欠かさず飲んでいるので、血圧は正常値内に入りつつあります。ただ、今の時期のような寒い朝は血圧が高いです。いつもは標準値に入っているのに、少し越える時があります。それから疲れや心配事がある時にも血圧が高くなります。血圧が高いということは、別の機会にも解説したいと思いますが、危険なことなんです。紐解いていくと、2018年にWHO(世界保健機構)が「人が住むところは18℃以上にするべき」と勧告しています。できればお子さんや高齢者は21℃以上を推奨するとのことです。真冬に10℃以下になっているお家も今でもあります。

お年寄りが1人で住んでいる家だと時々ありますが、ご家族の方やお子さん、お孫さんたちは気をつけてあげてほしいと思います。年を取った人は、「もう私たちは老い先が短い」とか「ここまで我慢してきて慣れているから」とよく言います。でも、それではいけないのです。ちゃんと暖かい家にしてほしいです。

私が以前からオススメしていることの中で、まずやってほしいことが「窓の強化」です。窓をプラダンという簡易の二重窓にするのはおすすめです。お金をかけずに、一般の方の日曜大工的な感じでできます。興味のある人は以前に動画を上げていますし、YouTubeで「プラダン窓」と検索して見てみてください。

▼寒さ一発改善!サクッとできる窓の断熱強化法
https://www.m-athome.co.jp/movie/mado_dannetsu_kyouka

2つ目は「床断熱の補強」もしてほしいです。最近よくあるお手軽な方法は、床下に潜れるのであれば潜って、発泡ウレタンを床に吹きつけるやり方です。こうすると、外周際や間仕切り下の気流止めになります。他の動画でも気流止めの話を毎年詳しくしつこく解説しているので、見てみてください。気流止めをすることで隙間風が足元から入ってこなくなります。足元が寒いということは、断熱材が入っていないことでも起きますが、断熱材が入っている床でも起きることはあります。大抵は隙間から気流が入ってくるので、これを止めてください。

そして、天井の断熱もスカスカな家が多いので、小屋裏から吹き込み系の断熱発泡ウレタンなどを使ってください。今朝もそうでしたが、放射冷却といって地上の熱を宇宙空間が奪おうとする現象が起きるため、晴天の朝は寒くなります。天井の断熱がしっかりしていると、暖めた家の熱が逃げにくくなります。そして、この対策は夏だけでなく冬にも効果があります。窓だけでなく、壁の断熱が弱い場合も強化すると良いでしょう。寒さはストレスになりやすいですし、健康を足元から確保することが思っている以上に重要な敵への対策になります。寒さの恐ろしさを意識してください。

そして、もう1つ思い出したことがあります。古いタイルのお風呂場は寒いですよね? 脱衣場も寒いですよね。もしお風呂が傷んでいるなら、ユニットバスに変えればお風呂がぐっと暖かくなります。ヒートショックを起こして湯船の中やお風呂の洗い場で倒れてしまう人も多いです。お風呂のリフォームを迷わずに実施してもらえたら、とても良いと思います。

さらに、最近は床置き型のエアコンもあります。ダイキンさんからこうしたタイプが発売されています。通常のエアコンは壁に取り付けるものですが、床に置いて2方向に暖気を吹き出し、床スレスレに温かい空気を送るタイプもあります。もしエアコンが古くなって買い替える際にスペースが許すのであれば、床置き型もおすすめです。若干価格が高い場合もありますが、床面に暖かい空気を送ることで足元の温度が上がります。エアコンで足元が寒いと感じる方も多いと思いますが、このタイプなら改善されるでしょう。

繰り返しになりますが、今年の冬が本格化する前に、足元から家を暖かくする対策をしていただけたらと思います。ぜひ参考にしてください。

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