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全館空調:二階ホールエアコンという選択

まだ残暑が残っているこの時期、少し秋が近づいてきてはいますが、今日はまたエアコンの話をしたいと思います。特に全館空調についてです。最近では全館空調が非常に進化していて、とても快適なので、おすすめしているのですが、今日はその中でも特に冷房に関する話をさせていただきます。

私たちがよく使っている方法の一つに、小屋裏エアコンというものがあります。小屋裏エアコンはとても素晴らしいシステムですが、今日はその代替案として、2階ホールエアコンという新しい全館空調の方法についてご紹介したいと思います。

この2階ホールエアコンは、私たちの新しいモデルハウスでも採用していますので、興味のある方はぜひ見学に来ていただければと思います。

▼当社の新しいモデルハウス
https://www.m-athome.co.jp/modelhouse/yasumuro/

このアイデアを最初に教えてくれたのは、私の大親友である群馬県の小暮さんと、岡山県の小林工業さんです。彼らのインスピレーションをもとに、私たちもこの新しい方法を試みています。

まず、小屋裏エアコンについて簡単におさらいします。小屋裏エアコンは、屋根裏収納のようなスペースにルームエアコンを設置し、その冷気をファンで各部屋やリビングに送り込むシステムです。冷気は自然に下に落ちる性質があるため、効率よく家全体を冷やすことができるという利点があります。特に、2階を冷やしておくことで、冷気が階段から下に降りてきて、1階のリビングも自然と冷えるという効果が期待できます。

このシステムの利点は、各部屋に均等に冷気を送れることです。ただし、個別のエアコンのように詳細な温度設定や風向きの調整はできませんが、全体的に快適な温度と湿度を保つことができます。

私がこの小屋裏エアコンを最初に知ったのは、松尾先生から教わった時で、非常に衝撃を受けました。こんなに効率的で快適な空調システムがあるのか、と感動しました。それ以来、10年以上にわたりこのシステムを採用してきました。

小屋裏エアコンの素晴らしさがある一方で、いくつかのデメリットや難しさも存在します。まず、設置には機械的な配置や調整が必要であり、小屋裏空間にエアコンを上げるためには、天井断熱ではなく屋根断熱が求められます。屋根断熱はコストが高くなる傾向があり、さらに空調システム全体の調整も複雑で、技術的なスキルが必要です。調整が不十分だと、各部屋に均一に冷気が行き渡らないという問題が発生することもあります。

一方で、2階ホールエアコンは非常にシンプルなシステムです。この方法では、2階のホールを中心にエアコンを設置し、そこから冷気を送り出すことで、個室群を十分に冷やし、さらには冷気が自然と階段や吹き抜けを通じて1階にも降りていくため、リビングなども効果的に冷やすことができます。ホールエアコンの利点は、シンプルさとダクティングの複雑さを避けられることです。

今回のモデルハウスでは、このホールエアコンを使った折衷案を採用しています。つまり、小屋裏エアコンのようにファンで冷気を分岐しつつも、基本的にはワンフロアタイプの空調システムを取り入れています。各部屋への冷気の回り方は、ファンを使いながら工夫する必要がありますが、全体的にシンプルであり、コストを抑えやすいというメリットがあります。

この話を通じて、ワンルームタイプの間取りの利点を知っていただきたいと思います。多くの日本人は、部屋を細かく仕切る部分空調の感覚がまだ残っているかもしれませんが、特に秋や春などの過ごしやすい時期には、建具を閉めずにオープンな空間で暮らすことも一つの選択肢だと提案したいです。

確かに、暑い夏や寒い冬には建具を閉めて部屋を快適に保つことが重要ですが、春や秋などの過ごしやすい季節には、自然と家の中をオープンにしていることが多いですよね。そこで、もし家の中が年中、春や秋のような快適な状態を保てたら、建具の役割が限定的になるのではないでしょうか。部屋を閉じこもりたい時や、プライベートな空間を作りたい時にだけ建具を使い、普段は家族との交流を重視したオープンな空間で過ごすことも可能です。そういった考え方を取り入れたワンルームタイプの間取りは、日本の伝統的な田の字型の家屋にも通じており、私たちのDNAにはその感覚が根付いているかもしれません。部屋を細かく仕切る必要が本当にあるのか、もう一度考えてみることが大切かもしれません。

さらに、エアコンのメンテナンス問題についても触れたいと思います。気候変動による影響で、エアコンの使用環境は厳しくなっており、以前よりも汚れやすく、故障が発生しやすい時代になってきています。特に沖縄など、エアコンが酷使される地域では、その傾向が顕著です。エアコンの定期的な清掃や故障への対応がこれまで以上に重要になっています。

その中で、小屋裏エアコンは特にメンテナンスが大変な部分があります。小屋裏空間に設置されているため、定期的な清掃や点検には梯子や折りたたみ階段を使わなければならず、簡単にアクセスできる場所ではありません。特に家の若い者が忙しい中、ついつい疎かにされがちな部分ですが、今の時代はしっかりとメンテナンスを行う必要があります。

一方で、ホールエアコンは通常の部屋に設置されているため、メンテナンスが簡単です。脚立さえあれば、誰でも気軽に掃除ができるため、メンテナンスの負担も少ないです。こういうことを考えると、ワンルームタイプの間取りに限定されていきますけど、ホールエアコンも非常に賢い選択になりますね。

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