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2024年入居から変わる住宅ローン減税のポイント

2024年(来年)の1月から、住宅ローン減税の扱いが少し変わります。それについて詳しくお話しします。まず、住宅ローン減税に関連する国の指針について説明します。

2021年に、エネルギー基本計画や地球温暖化対策の計画を改訂し、省エネルギーとCO2削減に重点を置く方針を採りました。これにより、住宅に関する議論が変わり、方向性が定まりました。

2021年にこの指針が策定され、2022年に新型コロナウイルスの蔓延による経済的な不安定状況も考慮して、住宅建設が国内経済を刺激する手段として住宅ローン減税の延長が検討されました。この措置は非常に有益ですが、一つの重要な変更がありました。

同時に、2021年のエネルギー基本計画の流れから、建物の省エネルギー化に関する法律が2023年(今年)の4月に改正され、例えば「フラット35」(かつての住宅金融公庫)の借入れ基準が、省エネルギー基準を満たした建物に対して定められました。これにより、現在フラット35を利用中の方々は、新しい基準をクリアする必要が生じました。

2024年(来年)の1月からは、住宅ローン減税を受けるためには、あなたの住宅が省エネルギー基準を満たしていなければならないという必須要件が追加されます。さらに、2025年(再来年)の4月からは、省エネルギー基準を満たさない建物の新築が原則禁止とされ、全ての新築住宅に省エネルギー基準適合が義務付けられます。

これらの変更に伴い、来年から住宅ローン減税の条件がどう変わるかが注目されます。住宅ローン減税は、住宅ローン残高に対して所得税と住民税を13年間最大0.7%まで控除する制度です。重要なのは、借入れの総額に関する制限があることです。借りる金額は自身の信用力に依存しますが、控除の対象となる借入額には上限があり、2022年から定められています。省エネルギー基準を満たさない住宅については、借入上限は3000万円です。

省エネルギー基準を適合した住宅については、借入上限が増加し、借りる金額が多いほど控除の対象となる金額が増えます。ZEH水準省エネルギー住宅(ゼロエネルギー住宅)は500万円の追加控除があり、認定長期優良住宅や認定低炭素住宅など、高い省エネ性を認定された住宅にも追加控除があります。これらの制度は、2023年までの限度額が5000万円でしたが、来年からは一部が削減されます。認定長期優良住宅は4500万円、ZEH水準省エネ住宅は3500万円、省エネ基準適合住宅は3000万円までの借入に関して適用され、それを超える借入には控除が適用されません。

要するに、これらの変更は借入枠を制限するものではなく、省エネ性の高い住宅建設を奨励するために設けられたものです。省エネルギー性の高い住宅を建てる場合、断熱や気密工事などが必要で、建設費用が増えることがあります。しかし、国からの支援を受けることで、手元にお金がなくても建設が可能となります。したがって、借入額に上限があると考えるべきです。

国が枠を設けて省エネルギー基準を推奨する理由は、住宅を初めて求める人々が資金的に限られていることがあります。彼らが初期コストにだけ焦点を当てず、省エネ性の高い住宅を選ぶことは、ランニングコストを削減し、総コストを抑えるために重要です。これは国民の健康や資産価値の向上に寄与し、そのために国は借入限度額を増やしています。

重要なのは、省エネルギー基準に適合しない住宅は住宅ローン減税の対象外であることです。これは厳しい要件であり、ローン減税の控除期間は以前の10年から13年に延長された背景には、消費税が8%から10%に上がったことに伴う負担増を緩和するための政策も関与しています。つまり、現在は消費税10%の時代ですが、8%時代並みのコストで住宅を手に入れやすくなったという側面も考慮されています。

繰り返しますが、2024年1月1日以降に入居する場合、建設された住宅が省エネルギー基準に適合していることを証明する証明書が必要です。この証明書がなければ、住宅ローン減税を受けることはできません。ハウスメーカーや工務店はプロで、通常はこの証明書を提供してくれるでしょうが、ミスがあるかもしれないため、注意が必要です。

なお、例外として、2023年の12月31日までに確認申請を受けた建物や、2024年6月30日までに竣工した建物については、証明書がなくても住宅ローン減税の適用がありますが、限度額は2000万円に制限され、控除期間は10年に短縮されます。

また、省エネ性が低く、手に入りやすい住宅についても、特別な救済策があります。建売住宅など、手頃な価格の住宅でも、省エネ基準に適合しない場合、一定の条件で控除が受けられる仕組みです。

最後に、この証明書について詳しく説明します。一般的には、建設住宅性能評価書と呼ばれ、登録された住宅の性能を評価する機関が発行します。設計住宅性能評価と混同しないようにしてください。前者は完成した建物の評価であり、後者は設計段階の評価です。住宅に省エネルギー性能証明書を発行する権限は、建築士にも与えられています。建築士が設計と施工を行った住宅について、省エネ基準適合の証明書を発行できます。建築士が関与している場合、彼らに証明書の発行を依頼できるため、覚えておくと便利です。

最後に、省エネルギー基準適合の「基準」について説明します。現在、住宅の断熱性能には国が7つの段階を定めています。それは1番から7番までの等級です。省エネ基準適合の要件は、断熱等級が4以上であることです。具体的に言えば、平成28年の基準を満たす必要があります。建物の断熱等級に関して、日本では6地域で評価され、主要地域である本州周辺ではUa値(外皮性能)が0.87以下であることが断熱等級4を意味します。

したがって、一昔前に建てられた家や10〜15年前に建てられた家の多くは、平成28年の基準を満たしていません。この基準は、かつての住宅に比べて随分と断熱性が向上しています。国は、このような住宅を基準以下とし、省エネ基準に適合していないと示しています。ZEH基準(ゼロエネルギー住宅)は、断熱等級5とされ、Ua値は0.6以下です。要するに、ゼロエネルギー住宅にするには、最低限の基準を満たす必要があります。

さらに、断熱等級6以上になると、より高性能な家となります。断熱等級6はUa値が0.46以下で、一般的にHEAT20のG1グレードぐらいの性能です。G1はZEH基準とG2基準の中間くらいに位置します。断熱等級7は、非常に高性能な家で、Ua値は0.26です。したがって、今後新たに家を建てる場合、断熱等級6の家をおすすめします。予算に制約がある場合でも、最低でも断熱等級5.5以上の性能が求められる可能性があります。断熱等級7の家は、高性能ながら予算が余裕がある場合に検討できますが、バランスを考えると断熱等級6の家が得策かもしれません。

これらの情報を考慮して、家の購入を検討する際には、省エネルギー性能を重視し、住宅ローン減税を受けるための条件を把握することが重要です。住宅ローン減税が受けられないことで、余分な負担が発生する可能性があるため、慎重に計画を立てましょう。

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