私にも2人の子供がいます。長女は大学を卒業し就職2年目、少しは仕事になれてきた様子。次女は高校3年生で、大学受験本番に向かうにあたり多忙な日々を過ごしています。二人の娘は大きくなりました。
「もうすぐ子育てが終わるんだな・・・」と感慨に浸っていたのですが、よくよく考えたら、子育てを積極的に手伝った具体的な記憶があんまり浮かばない。つまり、女房のこと全然手伝ってないんですよね。まったく典型的な昭和の男、思わず冷や汗が出てしまいました。
家業である工務店事業を営むにあたり、女房は経理や各種手続きなどの総務的な仕事を、結婚後ずっと切り盛りしてくれました。つまり我が家は「共働き」で成り立ってこれたわけなのです。なのに、片割れの旦那に子育てを手伝った記憶が薄いわけですので、彼女の苦労はいかばかりと、今さらながらですが謝りました。
「仕事が大変だったから仕方ないじゃない。私は大丈夫だったよ。おばあちゃんが、家事から娘たちの面倒をずっとみて下さったからねー。うちの娘たちはおばちゃんに育ててもらったようなものよ。」おおそうか、女房と母親がうまくやってくれなかったら、今の自分は全然なかったな~と。今頃そんなことに気がつくなんて、二重の意味で冷や汗を流しました。
最近、夫婦でフルタイム働いて子育てする厳しい現実を「共働きサバイバル」と表現することを知りました。イクメンなんて言葉もありますが、仕事は甘くなくてなかなか時間とエネルギーを避けなくて悩んでいるパパ。パパを支えるためにワンオペ育児で、心身に大きな負担を抱え悲鳴をあげているママ。(注:ワンオペ=コンビニなどの一人勤務のこと)
実は、育児は毎日の家事で出来ているんですよね。掃除して洗濯して、食事作って片づけて、朝から晩まで子供たちの面倒をみて、それらがサクサクと進まないとこなせない。逆に家事がラクにスムーズに出来るようになると、育児の負担もずいぶん和らぐのです。
私を筆頭に昭和の男たちは、育児を手伝うというと、休みの日に子供と遊ぶとか、たまに子供に説教するくらいをもって満足してしまっていることが多かったかもしれません。でも、根本的な解決は家事が軽減されないとできません。もちろん、現代の若いパパは家事にも積極的にかかわる方も増えています。だからこそ、これからの住まいには、外の仕事と両立しやすい「家事が効率よくできる仕組み」が必要だと思います。(男性は、スムーズに出来ないと、メンドクサイと匙を投げてしまうことも多いしね(笑))
この問題は、もはや個人だけのものではないと思います。国や地域としても、子育てを経験したベテランの女性のサポートを受けられる仕組み(昔は近所のおばちゃんが子供預かってくれたり助け合い多かったですよね)、人的ネットワークの受け皿づくりが急がれます。なので、私たち工務店もプロとして「家事がラクにできる住まい」の提供をより意識的に頑張ってゆきます。