1月後半にはじまった48年ぶりの冬の寒波も峠をこして、ようやく春の兆しが見えてきましたね。しかしながら、春と言えば「花粉」がそろそろ気になるシーズン。寒さが和らいだら次は「花粉症」やれやれですね。
私は最近まで「花粉症」にならずに生きてきました。しかし、3年前のある日突然発症。今ではアレルギーの薬が欠かせない状態になり、「花粉症」の辛さが少しずつ理解できるようになりました。
そうなる前の私は、梅雨の時期など洗濯モノが乾かなくなるので、私の部屋にがんがん洗濯モノをぶら下げ、果ては机の上に竿までかける母に、「部屋干し反対!」と言って文句を言ってって来た男です。なのでお恥ずかしい話なのですが、「花粉が気になるので、洗濯モノを外に干したくない」と言われているお施主様の要望の意味を、ようやく本当の意味で理解できるようになりました。今では「部屋干しスペース」の重要性を誰より語るようになっています(笑)
お施主様が家づくりで「部屋干し」を前提に計画される時は、もっぱら2階のホールなどの多目的スペースに「昇降式の竿」を進めることが多かったのですが、先般あるお施主様から、「部屋干しのための専用室」を間取りに組み込むご希望をいただきました。スペースにして約2畳分。窓をしっかり大きくとりサニールームのような空間を作ります。そこに9畳用の除湿機を置くという計画です。計画段階では「冬場もうまく乾くかな?」「日当たりのいい南面をつぶすので、もったいないかな?」そんなことも少し考えました。
しかし、完成後ご入居宅にお邪魔してお話を伺うと「寒い真冬の中でもよく乾くし、洗濯モノの管理がとても楽」と実際に生活された感想をいただき、改めて勉強になりました。
限られたスペースの中で、南面に部屋干し室をつくるのは、もったいないような気がします。でも、コンプレッサー式の除湿機(2万円程度)を使えば、10時間まわして1日あたり45円弱しか電気代もかかりません。何より私がいやだった部屋干しするジメジメを感じないですし、独立した部屋なので美観を損なうこともありません。
この施主様は、ご夫婦でフルに働かれているので、平日に家事を上手に終わらし、休日にはまったり家族で過ごすために、日常の家事、特に洗濯にかかる時間やストレスをなるべく少なくしたいということで、すごく洗濯干し場の取り方を考えられていました。花粉症じゃない方でも、天気に左右されない洗濯干し場は、かなりメリットがあると思います
著名な設計士の先生やプロ同士の交流で情報を吸収することも大切ですが、家づくりに真剣なお客様とのお付き合いで学ばせていただくことがさらに大切と思う日々です。いまさらですが、これまでご縁をいただいた800組のご家族とのやりとりが、私たちの家づくりを支えてくださっていると、あらためて深く感謝いたします。