バリアフリーでも段差があると良い場合がある
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今日のテーマはバリアフリー住宅についてです。
バリアフリー住宅は、
今や当たり前になりつつありますが、
実際に建てるとなると、色々気になることが出てきます。
今回はバリアフリーを考えるなら、
事前に知っておくといいなと思う
ポイントについて、解説をしていきたいと思います。
バリアフリー住宅には、色々な定義があります。
一般的によく思われるのは、
バリアフリー住宅=段差のない家だと思います。
先日、私の田舎の叔父の家をリフォームしました。
昔の家なので、至る所に敷居があるんですよね。
特にドアや扉があるところには必ず敷居が入っています。
その敷居は、畳の高さとは同じになっていますが、
板の間や廊下、ホール、リビングのフロアなどとの
間には絶対に段差があります。
大体4cmぐらいのものですが、
足腰が弱ってくると、この段差が危ないんですよね。
叔父も、もうすぐ80代になります。
最近は腰も曲がってきて、
4cmの段差がすごく疎ましいと言っていました。
今、バリアフリー住宅を建てるなら、
この段差はせいぜい3mmに納めます。
ここまで段差を小さくするのは、非常に良いことです。
一方、意外な点として、
段差が全くない家がいいのかと言うと、
そうではないこともあります。
叔父もですね、先程の4cmくらいの段差は
足が引っかかるからNGなんですけど、
逆にある程度の段差は欲しい、と言うんですね。
どういうことかと言うと、
「小上がり」があったら便利だということです。
歳を取って足腰が弱ってくると、
立ったり座ったり、正座するのが苦痛になるので、
みんな椅子に座りたくなります。
なので周りの人は、家の段差をなくして、
ちょっといいソファを置いてあげるのがいいなと思うんですね。
僕も母と暮らしていて、昔、同じことを思ったので、
いいソファーを買いました。
でも、座りたがらないんですね。
買ってきてすぐの頃は「いいね」と
言ってくれたけど、全然座らない。
「お母ちゃん何で座らへんの?」と聞いたら
「いいソファだけど体が沈むやろ?」と言うんです。
いいソファって、ふかふかしてて、
体が沈むんですよね。でも、これを
「いいなぁ」と思えるのは若い時だけなんです。
そのまま寝てしまうなら問題ないんですけど、
お茶が飲みたくなったり、
トイレも行きたくなったとき、
ソファから立ち上がりますよね。
本人曰く、ふかふかしたソファだと、
この動作は体にすごいストレスがかかるようです。
なので座りやすくて立ちやすい、
という視点で考えると、ふかふかのソファより、
硬い板でつくられたようなものが良くなります。
まとめると、バリアフリー住宅を考える時は、
部屋と部屋、部屋と廊下の間に
段差がないことが大切になります。
階段を作る場合は1段分の高さについても、
よく考える必要がありますね。
これらに加えて、
小上がりのようなものがあると、
暮らしぶりはずっとラクになるという事も、
ぜひ知っていただきたいです。
最近は若い人でも、
小上がりを作りたいということが増えています。
この場合は、バリアフリーの要素より、
収納としても使えることや、和室に置きたい、
という気持ちの方が大きいですね。
でも、作っておけば、将来の生活でもありがたいものになります。
小上がりに関しては、
高さはどれ位がいいのか悩みますよね。
僕の経験値から言うと、40cmがいいと思います。
すごく小柄なおばあちゃんが使う場合は、
もう少し低いほうが座りやすいです。
小上がりを作る時は、
10cm 、20cm、 30cm、 40cmの
4種類の高さから選ぶことが多いですね。
例えば20cmの小上がりは、
お子さんがいらっしゃるご家族だと
「この高さがいいね」となることが多いです。
でも20cmの小上がりは、
スカートをよく履く方にとっては、
足が動かしづらかったりして、
使いにくいことがあるようです。
30cmは無難な高さではあります。
でも、小上がりの下のデッドスペースを
収納にする場合、「ちょっと小さいな」と
思われる方が多いです。
ちなみに20cmだと収納はかなり小さいです。
10cmだと作れないですね。
40cmは、ちょっと腰かけて使う分には良いですが、
その段差を超えて収納がある、
といった設計にすると、昇るのが少し大変です。
この場合は30cm、もしくは20cmをおすすめします。
なので、「小上がりをどこに置くか」
「小上がりの周りには何を配置するのが」を
決めた上で、高さを決められるのがいいと思います。
先日のリフォームでは、
叔父と使いやすい階段についても考えました。
2人で色々実験してみた結果でいうと、
1段分の高さは18cmくらい、
踏み面は25cmくらいが良いとなりました。
ちなみに踏み面が25cmというのは、
一般的な階段より少し広めです。
以前、別の動画で階段の解説をしたことがあります。
そちらも見ていただけるとうれしいですが、
今ここでハッキリした寸法を知りたいという人は、
さっきの数値を覚えておいてください。
ここまで段差をメインに話してきましたが、
もう1つ気にしてほしいことがあります。
それは玄関の扉です。
最近は高気密・高断熱の家が増えています。
特に高気密な家で、24時間換気を実施していると、
風圧の影響で、玄関ドア開ける時に結構な力が要ります。
そうすると腕力が弱い方はストレスになりますよね。
その時は玄関のドアのノブを、
レバーハンドルなどにするのがおすすめです。
よくある丸ノブだと、開閉に結構な力が
必要になるので気をつけてください。
それから玄関土間のスペースは広めにするのがいいです。
重たいドア開けるとき、勢い余って後ろに倒れてしまう、
ということも無くはありません。
大体900とかのスペースがあるといいです。
いま、僕が玄関ドアの話をしたのは、
みなさんには高気密・高断熱の家を
建てていただきたいからです。
バリアフリーと言うと、
段差を思い浮かべる方が多いですが、
僕は温度のバリアフリーも大切だと考えています。
どの部屋も一定の温度になっている家は、
体への負担が少ないですし、
ヒートショック対策にもなります。
段差への配慮があって、かつ、
高気密・高断熱の家に住んでいただくことが
本当のバリアフリーになりますので、
ぜひ覚えておいてください。
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