かっこいい外観の基本:AC室外機やエコキュートの配置
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今回は、カッコいい外観の基本:AC室外機やエコキュートの配置について解説します。
やっぱりカッコいい家が欲しいですよね。カッコいい外観の家を作るときの基本、エアコンの室外機やエコキュートの配置について解説していきたいと思います。カッコいい家が欲しいと、いろいろなことを考えますよね。みなさんを見ていると、こだわって考えているのは間取り(平面計画)です。やはり使いやすい間取りは大事です。間取りの方向性が見えてくると、次に外観(立面計画)に気持ちが移っていく方が多いと思います。
そもそも外観とは、屋根形状・壁・色合いなどです。また私たちが気になるのは、窓の大きさや位置です。しかし、考えた上で「カッコいい家になった」というのが一番良くないパターンです。別の動画でも解説しましたが、外観に影響を与えているものとして、樋の位置があります。樋が例えばとんでもないところに降りていたらすごく邪魔です。「樋がなかったらすっきりするのに」と思うことが多々あります。究極的には、樋が全くない家のほうがカッコいいです。地方に行くと「この家いいな」と思う家は、樋がないことがあります。西日本では絶対に雨どいが必要ですが、雨どいの有無は大きな違いを生みます。
それ以上に最近気になるのが、ルームエアコンの室外機と配管ルートです。今は夏が暑くて長いため、エアコンの性能や省エネ性が高くなり、家が高性能化していることから、以前にも増してルームエアコンが使われるようになっています。そうなると、例えばルームエアコンを取り付けると、1階では3〜4m、2階では6〜7m、3階になると9〜10mぐらいの配管の延べ長さになります。30坪ぐらいの家だと間口は7〜8mぐらいなので、その間口に匹敵する、もしくはそれ以上の長さの配管が縦に引かれることになります。配管が縦に引かれているインパクトはすごく大きいですよね。でも、カッコいい外観を考えるときには、これを忘れがちです。
そしてもう1つがエコキュートです。この図にも書いていますが、エコキュートは「貯湯ユニット」と「ヒートポンプユニット」の2つに分かれています。冷蔵庫のようなものとエアコンの室外機のようなものがセットで必ず置かれます。室外機は70〜80cmぐらいで、かなりのボリュームがあります。玄関に冷蔵庫ぐらいの大きさのエコキュートが置いてあったらびっくりしませんか?でも、玄関の横にエコキュートの貯湯ユニットが置かれている家は結構あります。そういう家に限って、サイディングを凝った張り分けにしていたり、屋根形状にこだわっていたりします。「なぜこのエコキュートを吟味しなかったのかな?」と思うことがあります。なので、カッコいい外観を考えるときは、位置・間取り・屋根形状を考えた後に、次は配管チェックを忘れないでください。
今回もう一度、その配管チェックの手順を確認しておきます。まず間取りが確定したら、その間取りのどこにエアコンの室内機を付けるのかを仮決めしてください。仮決めした後に、あなたの家の「勝負面」はどこなのかを考えてください。家によっては、真南が勝負面の家もあれば、北面には何もないような家もあります。外観を左右するのが北面だけの場合もあれば、二面・三面、また草原の一軒家だったら四面すべてという場合もありますよね。でも強いて言うなら、どこが勝負面なのかを確認してください。それを意識しながら仮決めした位置に室内機を付けると、必然的に配管の位置が決まってきます。そうすると、配管の位置を調整して吟味できるので、凝った窓のそばに配管が来ることを避けられます。同様に、エコキュートの位置も仮決めして吟味して考えます。こうした手順を通して見直してもらうと、「これなら許容できるかな」や「一部隠蔽しつつ、メンテナンスも考えられるかな」といった相談が可能です。
あるお客さんに「子ども部屋はすぐにエアコンを付けられないから、どんなエアコンを将来付けるかもわからないし、品番が変わるかもしれないから決められません」と言われたことがあります。そういう場合は、あらかじめ「エアコンスリーブ」を設置すると良いです。マンションなどでよく見られるもので、キャップを外すとエアコンの配管を通せる穴が作られています。エアコンスリーブは普通の住宅でも対応できるので、こうした方法も検討すると良いでしょう。
最後に、こうしたことを踏まえた上でよくやりがちなポイントについて補足します。外観的に配管が最もうるさくデザインを損ねているのは、実は横引きなんです。この図は縦引きで、比較的「仕方がない」と許容できるかもしれませんが、この図のように「カックン」と曲がっている横引きはよく見ませんか?「結構いい家ができたな」と思っていても、エアコンシーズンになると「なんで正面なのにクランク状に付けちゃったの?」と思うことがよくあります。特に凝った窓を付けた場所に限って、こういうことが起こりがちです。
また、24時間換気のフードや台所のフードなど、いわゆるフードカバーが付いているものも見落としがちです。これも少し気にしておいてもらえると良いと思います。エアコンの配管の美観を損ねる場合、フードカバーの位置を30cmほどずらすのは簡単にできることです。それほど大きなものでもないですし、内観にも影響を与えるほどではないので、気を付けてみてください。
さらに、この図のように凝った窓の外観を考えたとき、室外機を無理に地面に置かず、壁付けにする方法もあります。壁付けの金物を使ってぶら下げる形です。その際、私はあえて切妻の妻側ではなく、桁側に付け替えました。この室外機については「室外機に雨かかり」と言われ、庇が出ている方が室外機には良いとされています。例えば、南面や西日が強い面に室外機が設置される場合、庇があることで直射日光が遮られ、エアコンにかかる負荷が軽減されるので、こういった点も考慮してみてください。
最後に、壁付けにする際は、上手に金物を取り付けたり、振動防止のゴムを挟んだりしないと、振動が気になる人もいます。私はがさつなので気にせず寝られますが、妻は振動が気になって寝られないことがありました。
このように、完全に逃げ道がないわけではないので、気をつけながら考えてみてください。外観はあくまで大枠だけで決まるものではありません。ミース・ファン・デル・ローエの言葉に「神は細部に宿る」というものがありますが、美しさは細かな部分の積み重ねで作られていると思います。外観にこだわる方は、ぜひ参考にしてください。
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