築30年以上の家のリノベ(間取り編)
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今回も、築30年を超えるお家をリノベする時に、気にしておいてほしいチェックポイントについてお話をします。今回は間取り編です。
ずっと住んでいるお家の間取りについて不満があったとしても、仕方がないなと思うことが多いはずです。先人のことを悪く言いたくはないですが、40~50年前のお家の間取りは今考えたら疑問に思う点が結構多いです。典型的なのが、ものすごく広いお家なのに家族揃って狭い空間で生活している、しかも北側の暗くて寒いところにいるみたいなやつです。これは多分家を作った時の主が、二間続きのしっかりした和室をいいところに作って客間にして、昔は冠婚葬祭を家でやることが多かったですから、自分の葬式をする場所にしたりと、死ぬ最後の瞬間のことを心配して、その場所が最優先に考えられて間取りが作られていることです。なので多くの場合、そういう家は洗濯機を置くようなスペースが家の外にあったりします。
せっかくリノベされるならということで、ある実例を入れながらこういうことを気にしてやってもらえるといいのかなということをお話ししていきたいと思います。うちが実際にリノベをしたおうちがあって、すごくいい手本になると思います。詳しくは動画を見てくださいね。
リノベ後は客間をなくして、リビングを持ってきて、奥には寝室を持ってきました。玄関をなくすことによって水回り・洗面・脱衣・洗濯など広く取っています。ウォークスルー型のデイリークローゼットを階段の下の空間を上手く使って取って、トイレの位置も変えました。こういうのを見ていただくと、間取りに好みはあるかもしれませんけど、機能的にはすごく変わりました。
このお家のプランを考えるにあたってポイントになったことは、まったく発想を変えるということが1つです。サラッと言いましたけど、例えばトイレを家の真ん中に持ってくるなんて昔はあり得なかったと思うんですけど、水洗トイレが普及した現在において、汲み取り式トイレが主だった昔と比べたら、トイレをどうしても外周側に持ってこないといけないわけではなくなりました。
玄関は生かすべきかもしれませんけど、玄関を潰してもいいと思うとちょっと発想が変わると思います。それから和室も、日本人にとって非常にありがたい空間ではあるんですけど、客間ではなくみんなが日頃から使える空間にするというような発想に変えてみる。その上で次に大切なのが、家事がどれだけしやすいかなんです。
人間のストレスはいろいろあると思うんですけど、炊事・家事・洗濯をしてる時とか、意外と家事をやっている時のストレスが大きいと思うので、家事のストレスを軽減させたい。今回のテーマは間取りなので、熱い・寒いという話は置いといて、いかに作業がしやすいか。例えばここだったら昔はここで洗濯して、どこに干したかというと、広縁の前はお客さんがいつ来るかわからなくて干せなかったから、2階に干していたと思うんです。
リノベ後は乾燥機を使うかもしくはすぐ出たところに洗濯物を干す感じにしています。そして何より家事のしやすさ・使いやすさにおいて最近よく言う回遊型というのを間取りを変える時に実現できないかと考えてみるのも発想が変わっていく1つの方法論になると思います。
そしてよい場所にほどよい収納。このお家は玄関ホールが結構広かったんですけど、本当に小さい箱がポンッと置いてあっただけでリノベ後はシューズクロークに上から下まで。以前の玄関に置いていた下駄箱はこれぐらいの高さしかなかったんですけど、シューズクロークには上から下まで天井高が2200~2400mmの空間に全部靴を置けるじゃないですか。平面的には大して変わらないとしても、トータルの収納量が爆上がりになるんです。
こんなようなものにしてほどよい場所にほどよい収納という感じで考えていきます。例えばトイレを出たところにストック用の収納があったり、洗面・脱衣するところに下着・洗剤のストックを置ける収納があったり。ほどよい場所というのは大きくなくてもいいんです。住み手の方が以前おっしゃってましたけど、ここの押し入れが大きかったけど何が入っていたのかわからないような感じに最後はなってたそうです。なので、こういうところをどこがいい場所なのか、どのぐらいのほどよさが必要なのかを考える。
そしてこのプランのいいところは、夜に起きてトイレ行きたい時にトイレが近い。それから冬にお風呂入ってポカポカ温まったらクローゼットを通って寝室行くことができます。こういう感じで、トイレも以前だったら外周側にあって窓もあったし、玄関側は暖房がないからわりと寒くなってしまいやすかったけど、家のど真ん中というのは大抵暖かくしているから必然的にここも暖かいというような形で、トイレ・浴室・寝室の繋がりによって暖かさがより味わえる。そんなようなことも間仕切りを考える時の1つのポイントだと思います。
そしてこの家は南向きのお家なのに、住んでた方は寒くて仕方なかったとおっしゃっていました。この広縁でここに障子があって締め切ったりしたら日が入らないんです。なのでせっかく南に開いてるお家ならここの開口をしっかりと取って太陽の光を十分に活用する。なので南側の窓は大きくしていって、東側・北側・西側の窓は小さくしていく。窓を減らせるところは減らしていったりして、あまり大きくは変えてないですけど、効果的に太陽に素直な家にチェンジできています。
最後見ていただきたいのが、大きな柱通りのところに間仕切りをしっかり残しています。トータルで言うとこのお家はとても地震に強くなったと思います。築30年以上の家のリノベをするというのは、間取りを大きく触れる最後のチャンスなので、こういうような6つのポイントを少し気にしてやっていただくと、満足度が高いリノベになっていくのかなと思います。
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