真空断熱材は最強なのか?メリット・デメリット
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今回は真空断熱材について解説します。
真空断熱材は銀色の薄い袋に入っていて、湿気が入らないように密封されています。銀色のフィルム状の袋の中には芯材として細くて薄いグラスウールが入れられ、袋の中の空気を抜くことで真空状態が作られます。通常の袋と異なり、グラスウールには一定の隙間があり、それにより真空が形成されます。この特性から、真空断熱材は熱が伝わりにくい特性を持つ材料です。
なので真空断熱材は熱伝導率が非常に低く、薄い厚さでも優れた断熱性能を発揮します。一般的なグラスウール16Kは熱伝導率が0.038W/m・Kほどですが、フェノール系の断熱材は0.020W/m・Kほどであり、真空断熱材は0.002W/m・Kと非常に低い熱伝導率を持ちます。
この性質により、真空断熱材は薄い厚みで高い断熱性能を実現できます。例えば、同じ断熱性能を持つ場合、真空断熱材は非常に薄いもので済むため、スペースを取りません。昔の冷蔵庫が分厚かったのに対して、最近の冷蔵庫は容積を増やしながらも薄型になっています。このような技術に真空断熱材が使われており、家庭用冷蔵庫などにも応用されています。
要するに、真空断熱材は薄い厚みで高い断熱性能を提供し、スペースを節約できるメリットがあります。例えば壁の内側はおそらく10cmぐらいの厚さがあると思いますが、真空断熱材を使用することでその厚さをわずか6mmに減らすことができます。これにより、約90mmほどのスペースが空間として残り、部屋内で有効に利用できます。たとえば、奥行きのないニッチや本棚を作成することができ、床面積を有効活用できるメリットがあります。
さらに、真空断熱材は非常に高い性能を持っています。特にコンパクトなクーラーボックスなどの保冷器具に適しており、軽量でかさばらず、性能が非常に優れています。これは真空断熱材の最大のメリットの一つです。
一方で、デメリットも存在します。まず、真空断熱材は一般的な断熱材に比べてコストが高いです。大きな面積になるほど、コストが高騰する傾向があります。また、施工が複雑で、穴が開きやすいという問題もあります。真空断熱材はアルミのシートで包まれたグラスウールの芯材を含む脆い材料であり、施工時に注意が必要です。穴が開くと外部の空気が入り込み、性能が低下します。施工には時間と手間がかかり、施工賃も高くつくことがあります。
さらに、真空断熱材の寿命が比較的短いと言われています。約10年ほどで性能が劣化することがあり、新しい技術が登場するたびに性能が向上するため、寿命が短いとされています。また、結露の危険性も指摘されており、使用方法に注意が必要です。真空断熱材は熱を効果的に遮断するため、温度差が結露の原因になるのかもしれません。
最近、室内にエコキュートを設置するアイデアが話題になっていますが、エコキュートは熱を奪われやすいため、冬季の寒さから守るカバーや真空断熱材のような部材の開発が有望かもしれません。ただし、大きな面積をカバーする場合、コスト削減と施工性の向上が重要な課題です。また、施工中にミスが発生した場合にも耐久性を確保する必要があります。これらの課題をクリアするまでは様子見をして、慎重に検討する必要があると思います。
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