屋外設置?屋内設置?どっちが良い?エコキュートのタンク
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今日はエコキュートのタンクを屋外設置にするか・屋内設置にするかについて、ご説明します。
まず、エコキュートがどんな形をしているかというと、いわゆるエアコンの室外機の大型版みたいな室外機があります。そして、大きい冷蔵庫のような嵩の張るタンクがその横にあります。これがエコキュートのセットです。
僕は本州の兵庫県姫路市という温暖なところに住んでいるので、おそらく「エコキュートのタンクなんか外に設置するのが当たり前じゃない?」と言う人ばかりだと思います。しかしこれが、最近の電気代・ガス代など光熱費の高騰で、設置方法を再考してもいいんじゃないのかという議論を呼んでいるんです。
西日本の人は屋外設置型が常識だと思っていますが、実は北海道・東北に行くと屋外設置している方が少ないエリアもあります。函館にすごく仲のいい工務店の社長がいるのですが、彼なんかは「エコキュートのタンクは屋内設置でしょ?そんなの北海道では常識ですよ」と言っていたので驚きました。
どういうことかと言うと、まずはエコキュートの構造の説明をしていきます。エコキュートは大きく言うと、ヒートポンプのユニットと貯湯タンク(お湯をためるタンク)に分かれているんです。
ヒートポンプユニットも厳密に言うと2つに分かれてて、空気用の熱交換器と、水を加熱する用の熱交換器を含んでいるものに分かれます。水道の水が入ってきたらタンクにフニョフニョとたまりながら、そのまま熱交換器に行って熱交換がされるイメージです。熱交換と言うとわかりにくいですが、つまりお湯を沸かすことです。
ここがヒートポンプの素晴らしい発明なんですけど、寒くても暑くても空気にある熱を汲み上げて、コンプレッサーに持ってきて熱を交換できます。だから真冬の寒い時でも、熱を汲み上げられるんです。
この動画は7月に収録していますが、暑い時なんかは特に熱を吸い上げられますよね。だから当然エコキュートも、冬場より夏の方がより負担が少ないわけです。早くお湯が沸くわけなので。そして温度が高くなった分は、循環ポンプで貯湯タンクに行って、混ざり合いながら最後はお湯としてお風呂・洗面台・台所に行くという原理になります。
エコキュートというのは、そもそも深夜電力で沸かすというのが基本だと思います。深夜電力と言ったら、夜の11時ぐらい〜翌朝の6時・7時です。この深夜電力帯は、今まで比較的価格が安かったので、「安い電気を使ってお湯を沸かすからお得ですよ」ということだったわけです。
朝一番にお湯がいっぱい湧いてる状態になりますが、一番お湯を使うのはいつでしょうか。朝風呂に入る人はいいですが、大概は仕事・学校が終わってから夕方・夜にお風呂に入るじゃないですか。お湯を一番使うのが夕方以降だと、朝の6〜7時ぐらいから12〜13時間後ぐらいまでお湯を大事に保温して置いておかなければなりません。
お湯をためておくタンクは魔法瓶みたいなものだから、断熱材でお湯を包んでいます。錆びたりしないように、多分ステンレスのタンクだと思うんです。その中にためてあるお湯を、断熱材に包んで冷まさないようにしながら、夕方に使うという形になります。
貯湯タンクをサーモカメラで写すと、見事に上側の辺りが赤くなっていて、タンク自体の温度が高いのがわかります。温度が高いのがわかるということは、熱がタンクの外に出ているわけです。ということは、屋外に貯湯タンクを置いていたら、貯湯タンクにためた熱は全部外に逃げてしまうことになります。
夏は微々たるものです。ただ冬場は、例えばお湯を沸かしてやっと沸いたという時に外が氷点下になっていたら、寒いところにお湯の入った筒が置いてあることになるから、どんどん熱が逃げていくじゃないですか。外に置いて熱がどんどん奪われていくから、せっかく沸かしたのにもったいないです。
そのため、北海道とかの寒いところに行ったら、西日本みたいに温暖な所に比べたらすごく寒さが厳しいから、屋内に置くことになります。寒冷地用は多少は断熱が強化してあるとは思いますが、そうは言っても断熱材でぐるぐる巻きにして巨大なタンクにしたら置くところがなくなりますよね。
夏は暑いのに家の中に熱いタンクを置いて熱を付加されるから、少しだけ辛いところがあるんですけど、冬場に関しては暖房のプラスになりますよね。そういうわけで、寒い北海道・東北の人は室内設置を結構やられているのです。
ただ、冒頭で申し上げましたように、エネルギーのコストが爆上がりしています。1軒の家の消費エネルギーのうち、お湯を沸かすことは一番エネルギーを使うので、冷めたらまた沸かすというのはもったいないと考えると、屋内設置を考えてもいいんじゃないかなという議論です。
そうは言っても、タンクは大きい冷蔵庫1個分ぐらいあるので、「室内に置いたら狭くなるやん」と嫌がる人もいます。ただ、室内に設置するということも、「これからのエネルギーが高騰する時代に関しては1つの選択肢としてあるんだよ」ということを今回は知っていただきたかったんです。
特に僕の住んでいる兵庫県でも、三田市とか僕の生まれ故郷の宍粟市なんかは、冬場は結構冷えます。こういう田舎の方だったら土地が結構空いていて、比較的大きな家を建てられるケースが多いですよね。
屋内に設置することによって光熱費を抑えられるので、スペースを取るというデメリットはありますが、こんなことも頭に置いておいていただきたいと思います。
ちなみに置き方は2種類あって、一般的には1階の床に置いて、まるまるタンクが室内にあるような感じです。難しいという人もいるかもしれないけど、床下に設置して残りを部屋にだす方法もあります。最近はほとんどの木造の家がベタ基礎で床が湿気てなくてガッチリしているので、こういう方法もアリです。
実は今、新しいモデルハウスがいよいよ完成間近になってまして、8月になったら見てもらえるんですけど、屋内設置でなるべくボリュームを出さずにエコキュートを設置してみました。僕は意外とボリュームを抑えられたんじゃないかなと思っています。
上に物を置く・置かないというのを気にしないといけないところもあると思うけど、最悪は上にスペースを作って洗濯物を干したり、一部を収納スペースにするみたいなこともできないことはありません。
メンテナンスの方法もいろいろ考えて、エコキュートの周りを木材のスペーサーみたいなもので封じたり、すぐ近くの床に点検口を設けたりしたら結構うまくやれたので、こんな設置方法もあるということを知っておいてもらえたらと思います。
実際どれぐらいのボリューム感なのか気になる方は、ご近所の方でしたらモデルハウスをぜひ見に来てください。こういう選択肢もあるんだと参考にしていただければと思います。
また、夏場に暑くなるというデメリットの話をしましたが、それがメリットに転化することがあるんです。何かというと、夏場にエアコンを回したら温度は下がるけど湿気がいまいち下がらない時があると思います。熱源である貯湯タンクが部屋内にあるということは、再熱するということです。一旦冷めた空気に再度熱を加えたら、湿度を下げやすくなるということが報告されています。僕もこれから実験してみようと思っています。
何と言っても、エアコンが夏に冷やすエネルギーは冬場に比べたら随分小さいものなので、ちょっとぐらい熱があってもあまり居住性には影響を受けません。1年を通したら暖房にとってプラスにもなります。
ユーティリティ・脱衣場に置こうと思っているのですが、脱衣場って結構寒いじゃないですか。そこの温度を安定させることにも貢献してくれるので、結構いいんじゃないかなと思ってます。
メリット・デメリットはあると思いますが、スペースを取られる以外のデメリットは特にないんじゃないかと思います。5地域・6地域の本州の方も、室内設置を選択肢の1つと思っていただけたらいいなということで、ご紹介させていただきました。ぜひ参考にしてみてください。
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