春がきたので「気持ちのいいリビング」って何かを考える
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気持ちのいい春が来たので、それにちなんで気持ちのいいリビングとは何かについて考えたいと思います。
みんな気持ちのいいリビングが欲しいじゃないですか。新築を設計するにあたって、間取りを作る時に一番最初に考えるのはリビングの位置じゃないかと思います。
なんたってリビングというのは、家族みんなが一番集まってきて一番長くいる空間ですから、ここの快適性がものすごく重要になってきますよね。だからここは優先順位が高くなることはとてもよくわかります。
「気持ちのいいリビングとは?」という質問を考えた時に、一番よく出てくるのは日当たりがいい場所です。日当たりがいいリビングはいいですよね。これに併せて、風通しも良い方がいいです。
そしてもう1つ大きい要件が、景色がいいことです。穴蔵で何も見えないリビングよりは、外の良い景色が見える方が快適ですよね。そういうことも全部踏まえて、リッチで豊かな感じが醸し出されていくのだと思います。
実際にいいリビングがどんな風に作られているのかを考察していきます。日当たりがいいかどうかは、みんな気にしていると思います。しかし、おざなりになっているというか後回しになっていると僕が感じるのは、景色の良さです。
例えば、日当たりを望む人が土地をもし選べるとしたら、南側道路を選びますよね。南側に道路がある敷地で考えた時には、南側に玄関を持ってこないといけません。駐車場も都市だったら2台ぐらい必要です。
日当たりがすごくいい良い土地を買って、いい感じには建てられたと思うけど、結果どうなるかと言うと、南側のリビングの窓からは車のお尻しか見えないのです。車好きが車を眺めたい気持ちはあるけど、ちょっと意味が違いますよね。車好きの人って前から見たいのではないでしょうか。だから、ちょっともったいない感じがします。
もっと言うと、道路から車1台分と言ったら5mぐらいしか離れてないから、高低差がないと道路と近いのです。そうすると、日当たりのいいリビングもついついカーテンを閉めるという現象が起きてしまいます。
前も他の動画で語りましたが、「日当たりを求めてたんじゃないの?」と。日当たりも中途半端になって、景色も良くない。ここの土地に家を建てた醍醐味が半減したみたいなことが起きてしまうのです。
例えば僕だったら、同じ南側の敷地を与えられてもこんな風にします。車の駐車場を2つ並びにせず、知恵を絞って南入りではなく西入り・東入りにします。車を横に置く分だけ、5mの半分ですから2.5mしか取れないかもしれませんが、リビングの前に庭を持ってくるのです。
そうすると何が良いことがあるかと言うと、庭と車との間に目隠しのフェンスができたり、植栽を植えられたり、あるいはデッキができたりします。デッキの上にプランターを置いてもいいし、植栽を植えたりしたら景色が良いですよね。リビングから緑が見えたり、子どもたちが外で遊んでるのが見えたりすると、ウキウキすると思います。
玄関を西にやったおかげで、限られた間口の南を全部開口にできるから、より日当たりに貢献するじゃないですか。翻って、冬場に日射取得ができるから、暖かい家にもなります。もっと言うなら、目隠しのフェンスをすることによって、南側道路の弱点だった外からの視線を遮断することもできるから、より落ち着いた空間になりやすいのです。
それからこんな例もあります。道路が西・東にあったりする敷地で往々にしてあるのは、間口が絞られていて東西には長いという所では、大体こんな配置をします。間口が限られているから仕方ないとは思いますが、なぜか隣家があるのに判で押したように南側に大きな窓を持ってきたりするのです。
そうすると、南の窓なのに隣家があるおかげでほぼ日は入りません。なおかつ隣家の北側って大抵は裏側みたいな所なので、カッコいい家が見えるのではなくただの壁が見える可能性が高いです。下手したらエコキュートの貯湯槽があったり、ゴミ箱が置いてあったりするかもしれません。
また、南側に部屋を持ってきたいですよね。だから、西入りのさらに北側に入り口を持ってきて、南側の居室を確保するあまり駐車場を南に寄せて2台取りがちです。
そうじゃなくて、あえて北側に駐車場を2台分作って、南の空間に庭を考えるというやり方があります。例えば吹き抜けを持ってきて、1階の窓からはあまり光は入らないけど、2階の吹き抜けの窓からは光が取りやすいことがよくあります。あるいは、東側はうまく光が入ってきそうな隙間があれば、ハイサイドライト(高窓)をつけて、東の朝日を入れていくみたいな感じで明るさを取ったりするのです。
気持ちのいいリビングという要件を考えていくと、リビング(の位置)を考えることに併せて、駐車場の位置というか配置の仕方をどうするかが重要になります。でも、「後で考えたらいいや」とか、ぼんやり考えてる人が多い印象です。これは残念です。ぜひプランが始まったら、ここの視点は持っておいてください。
最後に、ここのところ飯塚豊先生が言われている、家が豊かな空間を作るためのポイントをご紹介します。それは、中間領域というものが必要だということです。中間領域という言葉に耳慣れていない人のためにも、説明しますね。
よくあるのは、デッキの上にパーゴラがあるやつです。大抵デッキがある所って、内側がリビングというケースが多いのですが、外部だけど内側と連なって延長された曖昧な空間。つまり、外でも内でもない空間を中間領域と言います。
今の季節、「桜の木がうちにも1本あったら良かった」と思っているお父さんもいるんじゃないでしょうか。奥さんからは「毛虫が出るからやめて」と言われるけど、僕なんかは「毛虫は自分が取るから桜を植えさせて」というタイプのオヤジです。年に一度また春が来たなと、またみんなで桜を見られたことにとても郷愁を感じるタイプなので。
日本の昔の縁側とか濡れ縁とかもそうだし、街のカフェで言うならオープンカフェです。アウトドアリビングと呼んでもいいし、中庭という感じで表現する場合もあります。こういう風な空間をリビングと繋げられるとなお良いです。これが豊かさを作る1つのキーだと思います。庭との繋がりをリビングとセットで考えないと、いかにもリビングはもったいないということです。
まとめていきましょう。気持ちのいいリビングを作りたいとみなさん思っていると思うのですが、日当たりだけに囚われず、景色の良さとは何かをいつも心に置いておいてください。それをクリアするには、駐車場の位置・配置と庭との繋がりということも覚えておいていただきたいです。
この三位でリビングを考えてもらうと、きっと満足してもらえるリビングになると思います。ぜひ参考にしてみてください。
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