構造・断熱(省エネ)・耐久性を簡単にチェックする方法
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今日は、新築計画の際に構造・断熱(省エネ)・耐久性を簡単にチェックする方法をご紹介します。
家づくりの細かい検討を始めたら、知りたい情報がありますよね。例えば構造とか、それから断熱性とか耐久性とか。そういったものを簡単にチェックする方法を解説していきたいと思います。
最初にご紹介したいのは、一般社団法人みんなの住宅研究所さんです。家づくりをされるにあたって、いろんな設計者・施工者の方、ハウスメーカーさん・工務店さんを比較検討しますよね。
比較するということは、基準を知っておきたいじゃないですか。いろんなことを勉強して情報は取っていても、網羅的に抜かりなくチェックしようと思うと、何かツールみたいなものがあった方がいいと思います。
そこで、みんなの住宅研究所という社団法人が、エンドユーザーの人がこれから家づくりをするにあたって知っておくといい情報を提供しているのです。
どういう方がその会の中心の担い手かというと、3名いらっしゃいます。木造住宅の構造計算に関して腐心されている構造塾というプロの塾がありますが、そこのトップ講師の佐藤先生。私の師匠である松尾設計の松尾先生。それからもう1人が、住まいの屋根換気壁通気研究会のトップである神戸さんです。
ちなみに住まいの屋根換気壁通気研究会は、日本の建物の耐久性の権威でいらっしゃる石川廣三先生という知る人ぞ知る方を中心にして、家の耐久性を上げていくための通気・換気に関して研究している会です。
そういう方々が中心になって、構造・断熱・耐久性どれか1つではなく、網羅的にみなさんにニュートラルな情報を提供するということで作られた団体になります。
この団体の存在を知っていただいて、みなさんにオススメしたいのが、ホームページにあるこの団体が推奨する建物の仕様のリストです。プロ向けにもエンドユーザー向けにも掲載しているので、ぜひエンドユーザー向けの構造・断熱・耐久性という3つのチェックシートを、PDFでダウンロードされるといいと思います。
非常に簡潔に書いてありますが、なかなか秀逸なチェックリストです。このシートにはA・B・Cとあるのですが、Aは何かというと現時点でよくある住宅の問題点が書いてあります。Bには、みんなの住宅研究所さんが考える推奨レベルが書いてあります。そして最後に予算・こだわりを含めて、理想レベルの基準がCに書いてあります。この3つがすごく役に立つと思うのです。
こんなことを言うと他の業者さんが嫌がるかもしれませんが、例えばある会社さんの見極めをしたい時にこれを持っていって、まずBレベルがちゃんとできているかどうかを具体的に聞けばいいと思います。
私が思う1つのポイントは、B欄の2番目「許容応力度計算による耐震等級3になっているか」とか、8番目の「太陽光パネルを載せる前提で壁量計算はしてあるか、また偏心の検討をしているか」みたいな質問です。ある種、業者からしたらマニアックで嫌な質問だとは思いますが、こういうことにちゃんと答えられるのは相当信頼できる会社さんだと思います。
さらに「◯◯断層の所に家を建てるからより地震に対して備えておきたい」という方は、「Cレベルのことは可能ですか?」と聞くこともありです。あるいは、標準仕様でCレベルのすごい会社さんもあると思います。
2つ目は、断熱に関するシートです。Bでいくと、例えばC値は1以下であるかどうか。それから結露検討が透湿抵抗比で検討してあるかどうか。かなり専門的ですが、ストレートに聞けばいいと思います。そうすると「実はこういう風にしてます」と見せてくれたりします。「ちょっとうちはしていません」と言われたら、検討されていないかよくわかってないということです。
わかりにくいところで言うと、天井屋根部断熱があります。ここの研究所のすごいところは、ポイントをすごく絞っているところです。よく、うちは壁がダブル断熱だとか◯◯フォーム・セルロースファイバーを使ってますとか言うけど、断熱を考える時のポイントは屋根・天井だと思います。屋根・天井のR値、いわゆる熱抵抗値でどれくらいを考えているかという質問は、業者からすると怖い質問です。
ちなみに天井断熱R値4.4は、一般的な16kgぐらいのグラスウールで換算すると、チャカチャカッと計算した16.74cm。つまり17cmぐらいないと十分ではないとこのリストは言っています。屋根断熱にしたら19cmです。私がいつも20cmにはしましょうと言っているのは、ここからきています。
こういう風にR値で答えてくれてもいいし、「こういう熱伝導率の断熱材を使ってこういう風な熱抵抗値を想定しています」と答えてくれる会社は、かなりしっかりしています。こういうところで判定ができるはずです。
それから日射取得・日射遮蔽に関しては、そもそもこの言葉について明確に答えられないと、基本設計で不安がある会社さんになると思います。断熱のところはそういう風に見てください。
最後に耐久性です。ここが難しいというかわかりにくいと思いますが、とてもシンプルなことが書いてあります。例えば推奨レベルを見ると、屋根の形状が雨水が掛かりにくいように軒の出があるかどうか。仮にゼロ軒の時はどういう風にしてあるか、みたいなことを答えてもらうために聞けばいいと思います。
あとは、バルコニーの手すり壁の通気層の天端をどうしているかという質問です。それから内部結露対策で結露計算をちゃんと行っているかとか。これを1個1個ちゃんと答えられるかはとても重要です。
ユーザーの方が読んでわかる必要はありません。お勧めするのは、これを持っていって相談相手に聞くだけです。それでちゃんと答えてくれる会社さんを選べば、まず間違いはないと思います。ぜひみんなの住宅研究所のサイトに関しては、活用してください。
この住宅研究所は、今もどんどん勉強しようという工務店さんとか業者さんの加盟が増えています。日々の活動でみんなで勉強しようとか、「いろいろ勉強して議論していたらこれがよりいいということがわかった」みたいな感じで情報発信がされると思います。1回見て利用していただいてもいいし、時々チェックしていただいて基準の確認もしていただけたらと思います。
併せて、最近よく同業者の方から「YouTubeを観させてもらってますよ」とおっしゃっていただくので、そういうお仲間のみなさんにはプロ向きの詳しい内容をダウンロードしていただきたいと思います。それを見てお互い切磋琢磨したいし、意見交換をしたいので見てみてください。
今日はある程度マニアックな話でしたが、大事なことだと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
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