見せる収納・隠す収納のポイント
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今日は見せる収納・隠す収納を選ぶポイントについてご説明します。
よく収納を考える時に悩むポイントで、見せるか隠すかの議論があります。現場で打ち合わせしていると悩まれる方をよく見かけるので、今日はそのことについて解説していきたいと思います。
例えば見せる収納・隠す収納で一番よく議論になるのは、キッチンの背面収納です。どんなのかというと、見せるタイプとはいわゆる棚を通しにして、そこに家電・調味料・食器とかを置いていく形です。もう1つが、大きな建具(たてぐ)を作って、その向こうに棚を設える形です。
見せる収納のメリットは、当たり前ですが物がすぐ出せることですよね。棚でバッと見えて一目瞭然なので、何を持っているかわかりやすくなります。そして、ご自分の好きなテイストのインテリアとか小物で自分の表現したいものを出せること。これが最大のメリットだと思います。
一方でデメリットもあります。見えているだけに、埃がたまったら掃除しなければならないし、無造作に置いて感じが悪いみたいなことがあると、手間を掛けなければなりません。
また、最初は気合いが入っていても、だんだん生活感溢れる物が置かれてゴチャゴチャしてくるものです。「最初の決心はどこに行ったの?」みたいな。こういうデメリットがあったりします。
一方で隠す収納のメリットは、扉をピタッと閉めてしまえば見た目はスッキリしますよね。これが最大のメリットです。もう1つは、いろんなバラバラのテイストの物を置いてもスッキリします。何より手間が掛からないということは、ラクということですよね。デメリットは何かと言うと、建具があるとどこに何があるかが探しにくいということがあります。
うちの設計の蔭山というチーフがいるのですが、彼女にいつもこう言います。「これは意外と面倒なんです」と。特に、私は3枚建ての建具が好きで「ええやん」と言うのですが、彼女にすごく怒られるのです。
「3枚建てだと2回開けなければいけませんよね」「引き違いの大きいやつなら1回開けただけで済むんですよ」と。「私も使っているからわかるけど、絶対に2枚建ての方がいいですよ」と言うぐらい、建具というのはある面で面倒ということです。
見せる収納ではその都度処分できていたものも、隠されるので「まぁええか」という感じになって、不要な物が知らないうちに溜まるところがデメリットと言われています。
今日私が一番言いたかったのは、たくさんのお施主様の家づくりをさせていただく中で、見せる収納をやられる方も多いのです。時々竣工後にお邪魔させていただいて見せていただくと、「ここはええ感じやな」と思う家と「アチャー!」という家があります。
私も「アチャー!」タイプなので責められませんが、ちゃんとしている人は何がそんなに違うのかと思い、ある奥さんに聞きました。そうしたら、カッコよく見せる収納をされている人の意識の高さが5つほどあったので、ご紹介します。
綺麗にカッコよく見せるにはポイントがいくつかあって、1つは揃えることだと言っていました。同じ素材にするとか、同じ色にするとか、同じサイズにするというふうに、統一するということです。
無印良品の◯◯セット・ニトリの◯◯シリーズみたいな感じでカトラリーとかを揃えていくと、見た感じがカッコ良くなると。確かにという感じですよね。
私が一番すごいと思ったのは、「余白が大事だ」と言っていたことです。「つい物を詰め込んでしまうけど、空いている空間・抜け感がないとせせこましくなっちゃうので
余白を大事にしています」と。うちの会社に来てほしいと思うぐらいカッコいいなと思いました。
あとは見せる・隠すのバランスも結構大事です。見せる収納で、例えばちょっとした小物をボックスとかカゴに入れて、見せているんだけど隠すみたいな。このバランスで粋に感じるようになるらしいです。
オープンになっていて段々になっている棚だと、大きめの物を下側に置いて中型・小型をだんだん上に上げていく感じで、重量感のバランスを低重心にしておくと落ち着いた感じに見えるということです。
交互に置くのもいいです。例えば本と植物とか、食器と雑貨とか。食器一団で置いたら次に雑貨一団みたいな感じで、全部一列に置くよりリズムが付きます。こういうところを大事にしているそうです。
もちろんこれは、長いインタビューを聞いて「まとめたらこういうことをおっしゃっているのかな?」ということです。こんなことを言えたら評論家です。
これは何人かの奥様から教えていただいたエッセンスなので、私が長々と解説したことを聞いて「ステキ!ワクワクする!ぜひしてみたい」と思われる方は見せる収納をやってくださいという感じです。
でもそれはちょっと大変かなとか、それに喜びがあると思わないのだったら、隠す収納の方がいいかなと思ったりします。隠す時も、カゴとかケースで隠してもうまく取り出しが一塊でできるようにする工夫とか、ラベルをちゃんと付けた方が管理はラクです。
もし建具を付けられるなら、建具はシンプルに。何枚も複雑にするとアクションが増えて使いにくくなります。そして何より、いらない物が溜まる問題に関しては、「どうしよう?」という物が溜まるでしょう。そういう物を溜めるための何でも置き場、バッファみたいな所を作ることが大事です。
絶対に必要だとわかる物は、元に戻さなければなりませんよね。でも、「これはどうかな?」と思う物はバッファスペースに置くと、非常にスッキリするということです。
見せる収納をするか・隠す収納をするかのポイントは、決断を先延ばしにしないようにするか、伸ばすなら伸ばすでバッファを作って上手に管理することが大事だということです。これは私が考えたというよりは、素敵な暮らしをされている奥さんたちが教えてくれました。
ここまで、見た目を綺麗にしないといけないみたいなことを言ってきましたが、個人的にはゴチャゴチャ置いて見せるようにするのは結構好きです。特に自分の仕事場はそんな感じです。本やペンを一塊に、カラーペンを置いたり。地球儀とか仮面ライダーとか、いろんな物が置いてあります。
ゴチャゴチャと置いて、落ち着きのない感じが落ち着く人もいますよね。見せる収納を選んでも、そういうテイストの暮らしにしていくと思えばいいのではないかと思っています。
「じゃあ今日の話は何だったんだ」ということになるかもしれませんが、そんな風に自由に暮らし方を楽しんでもらえたらと思います。ぜひ参考にしてみてください。
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