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今日は、家づくりに住宅無料相談所を使うことについて解説します。

あるお客様からこういう相談を受けました。「無料で相談できる住まいの相談所が、最近たくさんあるじゃないですか。あれってどうなんですか？」みたいな感じでした。この無料相談所についてどういう視点で見るか、解説をしていきたいと思います。

住宅の無料相談所には原型がありますよね。私の知る限りで言うと保険屋さんです。ほけんの窓口とか保険の相談所とか、いろんな形の名前があります。そこに行くといろんな保険があって、数ある保険会社とか保険商品の中から自分に最適なものを、中立の立場で情報提供してもらえる所です。それの住宅版ということになります。

◯◯カウンターとか◯◯住宅相談所とか、最近本当にたくさんありますよね。そんなにいっぱいあるんだと驚くぐらいです。売りは第三者的な中立な情報の提供じゃないですか。絶対にそう期待して行かれますよね。

第三者的という言葉の裏側には、もう1つこういうことがあると思います。最近は少なくなったと思いますが、よくあるのはバリバリの営業マンさんからストーカー的に訪問されて売り込みされるみたいなことですよね。それが嫌だから相談所に行くということがあるはずなんです。

こういう無料相談所は、一体どういうビジネスモデルなのか。そこを確認しておいた方がいいと思います。無料相談所とはいえ、ビジネスなのでここをまず頭に置いておいてほしいです。

端的にメリットを言うと、例えばファイナンシャルプランナーの方がいらっしゃって、資金計画とかライフプランとかを含めて教えてくれることです。それから家づくりをやるにあたって、こういう手順で進めます・こういう段取りが必要ですという基本的な流れをしっかり学ぶことができます。これはすごくいいことですよね。

いわゆるアドバイザーとかカウンセラーという立場の方がいらっしゃるので、なんとなく家づくりに対する思いはあるけど、望む家とか暮らし方はぼんやりしているという人は、それが明確になるでしょう。それと何より、さっきも申し上げた売り込みがないじゃないですか。情報収集するにはとてもいい所だと思います。

しかし一方でデメリットがあるのです。例えば先ほど保険会社さんの相談所の話をしましたが、保険屋さんの詳しい人たちに業界の裏話をよくよく聞くと、本当に公平なのかと言われると、そうでもないと。お店や場所にもよるとは思いますが、ある一定の偏りがあるようです。

例えば嫌な言い方ですけど、手数料が多い商品とか、得意なパイプが太い商品みたいなものを紹介しがちだと思います。相談所はいろんな知識を提供して、最終的にあなたにぴったりの工務店さんやハウスメーカーさんを紹介してくれますが、その会社に偏りが意外とある可能性が高いのです。

身も蓋もない言い方をしますが、ビジネスですので。無料でやってる限り、紹介するだけではお金が1円も入ってこないじゃないですか。紹介した工務店さんとかハウスメーカーさんからの紹介料で生計を成り立たせているので、簡単に言うと成約する力がある（営業力と言った方がいいかもしれません）会社を紹介した方がいいですよね。そういうフィルターが働く可能性があります。

さっきも申し上げましたが、相談所は住宅会社から紹介料をもらっているので、お施主さんが安く買えているかというとそうでもない可能性があります。どういう仕組みかと言うと、まずお施主さんが住宅会社に行ったら相談をしますよね。「予算3,000万円ぐらいで家を建てたい」「こういうカッコいい家にしたい」みたいな相談をすると、「まずは個人情報をお書きください」とアンケートを書くことになります。

それを受けて住宅相談所さんは「ここなら今おっしゃった予算3,000万円で建てる家が建てられるんじゃないですか？」というのを紹介してくれるということです。その次はどうなるかというと、相談所はハウスメーカーさんや工務店さんに送客します。

すごいですよね、この言葉。お客さんを送ると書くんですよ。私はこの言葉を初めて聞いた時、「それは紹介じゃなくて送客なんですか？」という感じで「意外とビジネスなんだ」という感じがしました。

工務店さん・ハウスメーカーさんはお施主さんの要望をヒアリングしたり提案をしたりして、実際に施工して、お引渡しをして「ありがとうございました」と相談所さんに紹介料を払うことになります。この紹介料が結構すごいのです。

相談所さんによっていろいろあるようですが、大体3〜5%になります。これは建物の請負金額です。例えば3,000万円という請負金額だったら、3%でも90万円ですよね。5%で150万円ですよね。それぐらいのお金を取るから、相談所さんはすごくいい場所にお店を出して、たくさんのスタッフを置いて、無料でどんどん相談を受けられるのです。なおかつビジネスなので、最終的に利益も出していると思います。

相談所さんの構造として、意外とお施主さんがわかられていないと思うことがもう1つあります。お施主さんとハウスメーカーさんとのやりとりの中で、時々ちょっとしたことで行き違いが起きる場合もあります。いわゆる揉めるというやつです。その時には、この相談所さんは一切介入をしてくれません。結婚の紹介所なら、仲人さんが「まぁまぁ」と間に入ってくれるじゃないですか。

住宅系の相談所さんは、最終的に揉めたら業者さんから連絡をくださいという感じだから、「ちょっと冷たいかな？」みたいな印象もあったりします。こういう構造で成り立ってるということを知っておいてほしいのです。

あとは、アドバイスをする人がどういう人かも重要だと思います。例えば海千山千の業界経験者の人が相談所に勤めるようになって「業界はこうですよ」「この会社がいいんじゃないですか？」と言うのは、ある程度プロフェッショナルなバックボーンがあるじゃないですか。

こんなことを言うと怒られますけど、窓口の方の年齢が若かったりしますよね。つまり経験値がそんなにない感じの人だったり、保険屋さんとか不動産屋さんという、家づくりそのものとはあまり関係ない人が副業的にやっているケースも結構多いのです。

これは大手だろうが、FCだろうが、代理店さんだろうが、全部そういう傾向があります。つまり家づくりのプロとは限りません。そのため、どこまで鵜呑みにするべきなのかという点はあったりします。

相談所さんの中のビジネスとしての思惑もあるから、送客する先は成約率が高いところになりがちです。商売的に考えたら、上司の人からそういう指示が部下の人に行くのは自然だとは思います。相談所に行くなとは言いません。でも、利用の仕方にはコツがあると思います。

これを利用されているハウスメーカーさんや工務店さんがなぜ利用されているのかというと、一番はお客様とお出会いすること、業界用語で言うとお客様を獲得することに関して、集客コストとしてお金が必要であると最初から考えている会社がとても多いのです。

大手ハウスメーカーさんは大きい展示場を総合展示場に出したり、CMをバンバンやったり、駅前の立地のいいビルに綺麗な支店・営業所があったりするじゃないですか。新たに増えるお客様には営業経費がかかってもいい、という割り切りが最初からあるということです。大手さんはこういうのはいいと思います。

あとは、ある面でお客さんに困っていて、紹介料を払ってでも仕事を紹介してほしいというケースもあるはずです。一般的に人気のある会社さんだったら、そういうのに頼らなくても絶えず一定の問い合わせがあって、いい関係にしようとされてると思います。なので、こんなところにお金を掛けるよりわざわざ探してくださった方を大事にするじゃないですか。そういうことなのかなと、構造的には思います。

これを言ったら無料相談所にはとても怒られるかもしれません。いいなと思う会社を発見したら、ご自分で相談所抜きで行った方がいいんじゃないかと思います。（相談所の人が見ていたらごめんなさい）

例えば100万円紹介料を払うのは仕方がないと思っている会社さんだったら、100万円分頑張ってくれるかもしれないじゃないですか。そういう可能性もありますよね。賢く・うまく情報を取れるところは取って、利用する時はよく考えてやられた方がいいんじゃないかなと思います。

何より本当に思うのは、私も正直こういう相談所関係ってよくわからなかったし、本気のお客さんを紹介してくださるんだからありがたい話だなと思っていました。登録してくださいと言われて登録したことがあって、実際にお客さんをご紹介いただいたことも過去にあります。

しかしびっくりするぐらい、「なんでうちに紹介されたんですか？」という人が来るのです。というか、いろいろ聞いていくうちに「◯◯さんだったらうちじゃなくて◯◯の会社の方がいいんじゃないですか？」ということになっていきます。

私はこういう性格なので、「◯◯さんのお話を聞いたら絶対にこっちの会社の方がずっといいですよ」と逆に僕が他社をご紹介することも多いぐらいでした。要は、その窓口の方々がうちの会社のことをよく知らないのです。

そうでないとそんなことはあり得ません。それはお互いにいいことがないですよね。なので、カウンターの担当の方にうちの会社に来ていただいて、モデルハウスや実際の竣工現場を見ていただいたりして、「うちはこんな考えでやっていて価格帯はこれぐらいです」とお伝えしました。もちろん素晴らしい担当者の方もいるし、貪欲に各社を調べてしっかりと情報蓄積されている方もいらっしゃるとは思いますが、一方でそういうこともあります。

ハウスメーカーさん・工務店さんを見極める厳しいお目をお持ちのみなさんですから、ぜひそんな感じで相談所を捉えていただくのはどうかなと思っています。ぜひ参考にしてみてください。

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