【2023年版】新築住宅取得時の減税・優遇・補助制度を解説
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今日は、2023年版の新築住宅取得時の減税・優遇・補助制度を解説します。
先日お客様とお話ししていたら、「新築を建てる人を応援する施策が最近なくなって、今は建てられる感じじゃないんですかね?」と、ため息みたいなお話がありました。最盛期と比べたらそうかもしれないけど、30何年間この業界でどっぷり生きてきた人間から見たら、他の時代よりずいぶん恵まれていると思います。
新築住宅を建てる時・取得する時に国がしてくれる減税措置、優遇措置、補助金。これらにどういうものがあるかを、薄く広くですが包括的に解説していきます。
お施主さんたちへの応援というと、切り口は3つです。まず1つが税制上の優遇、もう1つが補助金。これは一番嬉しい感じがしますよね。最後に減税措置というやつです。順番に説明していきます。
まず税制優遇措置は、ほとんどの方が知っているのではないでしょうか。筆頭は住宅ローン減税、ローン控除というやつです。今は年末のローン残高の0.7%の額を上限に、建てて引き渡しを受けてから向こう13年間所得税の還付を行います。
国はどんな家に対してもローン減税をしてくれますが、上限があります。性能の高い家にすれば、より高い金額に対して控除が受けられるのです。性能がそんなに高くない家だと、枠は小さくなります。
ちなみに長期優良住宅なら、最高5,000万円。それだけ借り入れができるということです。低炭素とかZEHに関しては4,500万円。省エネ住宅は4,000万円。それじゃなかったら3,000万円という感じで、3,000万円から最高は5,000万円となります。
これによって、1年間で還付される上限も決まってきます。長期35万円、低炭素31万5千円、省エネが28万円、普通だったら21万円という形になります。長期35万円が13年間で最大455万円です。
ここでお断りしておきますが、今回のお話はいろんな条件等抜きのざっくり概要です。細かい話はお近くの税理士さんとか詳しい方に聞いていただいたり、ネットで調べてくださいね。
さて、1つ忘れてはならないのは、自分たちが払った所得税・住民税以上は戻ってこないことです。例えば扶養家族がとても多い人は、もともと所得税の控除を受けています。納めている額がそもそも少ないと思うので、455万円のはずなのにここまでしか戻ってこないということはありません。そこは誤解がないようにしてください。
ローンは借りないという人にも、認定住宅の所得税控除というのは最大65万円受けられます。住宅ローンじゃなくて現金で建てる人も稀ですがいらっしゃるので、その方にも優遇があるということです。
最後に税制優遇の中で一番注意しておいてほしいのが、資金贈与の非課税制度です。平たく言うと、お父さん・お母さんやおじいちゃん・おばあちゃんが「資金の応援をしようか?」という時に優遇する制度になります。
ちなみに1,000万円のお金を住宅関係なく贈与したら、どうなるでしょうか。基本控除の110万円を引いて、890万円に対して1,000万円の税額の比率は40%なので、なんと控除分の125万円を引いて231万円も貰った方が贈与税を払わなければならないのです。1,000万円が本人の手元には760万円強しか残らず、230万円強ロスすることになります。
しかし住宅資金なら、一般住宅で500万円、省エネ性の高い住宅で1,000万円までは贈与税は非課税になるのです。もしお子さんやお孫さんを応援するなら、大きなチャンスになります。延長されるかわかりませんが、今のところは今年いっぱいの贈与が適用条件なので、渡すなら今年中がいいと思います。
私の周りにはしっかりしたお施主さんが多いので、若い2人で頑張って家を建てていく方も
います。ただ、私も年頃の娘がいるので親の立場で言うと、ちょっとぐらい支援してあげたい気持ちもあったりするのです。なので、この優遇制度は頭に置いておいてもらってもいいのかなと思います。
次に大きいのが補助金です。いわゆるCO2削減とか、建った家がストックになることに繋がると考えたら、高性能な家をいっぱい建ててもらう方が国のためになるから応援しましょう、というのが補助金の骨子です。家の性能を高くしたら、性能が低い家に比べて大体200万円・300万円ぐらい高くつきます。そのうちの何%かを応援するのが、この補助金の概要になるわけです。
去年からの一番の目玉が、こどもエコすまい支援事業です。こども補助金・こどもすまい補助金という感じで言われています。これは最大100万円補助されます。200万円コストアップするお家で100万円を援助してもらったら、100万円で200万円分のパフォーマンスを得られるからビッグチャンスですよね。
この補助金は、子育てをする世代や若年の夫婦が対象です。18歳未満のお子さんがいるか、夫婦のどちらかが39歳以下であれば適用されるので、一番使えると思います。お願いする工務店さん・メーカーさんが、ちゃんと事業に加盟している会社さんかどうか、確認しておいてほしいところです。
次が、ずっと言ってきたZEH補助金です。ZEHとはゼロエネルギーハウスの略ですが、これに関して最大112万円補助されるものになります。蓄電池とかCLTと言って、特殊な構造の木造構造物をする時は約20〜90万円加算され、そういうものをうまく絡めると最大112万円まで補助がもらえる可能性があるということです。
ZEH住宅に関してはここで説明すると長いので、調べていただきたいのですが、SIIというZEHビルダーに登録されている会社さんと組めば、この補助金がもらえる可能性があります。
一旦3を飛ばして、4つ目をご説明します。各自治体の補助金です。東京都だったら、3世代で住む家に、20万円か30万円を補助する制度があります。私は姫路市という所に住んでいますが、古い家で耐震性に問題がある時、解体工事の援助をするという補助金があったりします。お住まいの自治体や県で検索してもらったら出てくると思いますので、これも要チェックです。
3つ目に戻ります。私がうまくいったこととしてお伝えしたいのが、地域型住宅グリーン化事業という補助金です。最大でうまくいけば150万円もらえる可能性があります。これは国交省が各地域において省エネ性・耐久性の高い家を建てるグループに対して、補助金を出す仕組みです。そのため大手のハウスメーカーさんは適用外で、地元の工務店さんやグループが中心になります。「地域型住宅認可事業」で検索すると詳しい情報が出てくるはずです。
この補助金は、社団法人 木を活かす建築推進協議会というところが主管しています。そこが「地域の住まいづくりのお手伝い」というサイトを作っているので、まずはそれを検索してください。
その中の項目の中に、「お住まいの地域のグループの取り組み内容や工務店を調べる」というメニューがあります。クリックしたら日本地図が出てきて、自分の家を建てるエリア内の対象グループが出てきます。それを見ていただいたら、使えるかどうかがわかると思います。
ただ、地域型住宅グリーン化事業は、あまり世間では聞かれないと思います。なぜかと言うと、もらうのが難しいからです。
こどもみらい住宅支援事業・ZEH支援事業は受付順なので、予算が達成したらなくなります。そのため、条件を満たす場合は早めに申請することがオススメです。しかし地域型住宅グリーン化事業には1つ難点があって、どういうタイミングで採択されてどういう予算がつくかは直前でなければわかりません。
よく「うちで家を建てませんか?」というセールスの道具にしている会社もありますが、「そんなにタイミング良くいくのかな?」と思っています。うちもそういう取り組みをさせていただいて、年間2〜3棟の方が恩恵を受けられることがありますが、全ての方にご紹介できないのです。
私がここで言ってしまうと、「もらえない人がかわいそう」みたいになるかもしれません。しかし世の中ですから、細かく調べて努力する人にチャンスの神が微笑むみたいなところもあると思います。調べておいて、タイミング的に利用できるなら利用されてもいいのではないでしょうか。
最後にちょっとしたプラスですが、減税措置があります。一般住宅と長期優良以上のような省エネ性能が高いお家では利率が違いますが、登録免許税が若干安くなります。それから不動産取得税も若干安くなります。
最後に固定資産税が、普通で3年・長期で5年ぐらい半分になるという形で減税措置があります。数万円ぐらいの恩恵ですが、言えば返ってくるのです。その分を貯金したりできます。これらを頭に置いていただいて、ぜひ上手に利用してもらえたらと思います。
今回は新築の話をしましたが、実は今、国は既存の住宅を高性能化することも応援しているのです。私の他の動画やグループ会社の動画でも解説していますが、窓の高性能化支援などお得な補助金が出ています。新築だけに囚われず、リフォーム・リノベーションの人も、この機会は今年に限っては利用してみてください。
▼【二重窓が半額!】窓のリフォームの補助金活用方法
https://youtu.be/-22cCl89eJ8
▼こどもエコすまい支援事業をご紹介します
https://youtu.be/EkdAUbGl-ok
こういうことを言うと営業みたいで嫌なのですが、父親から子どもへのアドバイスの感覚で聞いてください。これまでのようなデフレ時代に家を買う場合は、金利が低いし物の値段は上がりませんので、ゆっくり慎重にが合言葉でした。
今もインフレと言えるかは経済学者ではないのでわかりませんが、少なくともこれまでと同じではありません。弱インフレみたいな世の中だと、今日より明日にはお金の値打ちが下がります。
家づくりを本気で考えていらっしゃるなら、補助制度を利用しながら足早に計画を進めていくのもアリです。急ぐ必要がない人・タイミングが来ていない人は、私のささやきに乗る必要は全くありませんので、それは割り引いておいてくださいね。
世の中の誰かや、以前の世の中と比べて悲観するのではなく、今をどう利用するかだと思います。しっかり気持ちを持っていただいて、家族のために家づくりを進めたい方は頑張ってもらえれば幸いです。ぜひ参考にしてみてください。
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