手に入りやすい資材をつかった花壇の作り方
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今日は、手に入りやすい資材をつかった花壇の作り方について話をしたいと思います。
松尾先生のご紹介で、広島のトランスデザインという設計事務所さんのところに、先日うちの設計スタッフの女性たちが見学に行ってきました。彼女たちが帰ってくると興奮気味に「すごくかっこいいお庭でしたよ」「家も素敵だったけど庭がとても秀逸でした」と言います。「それは何がどうだったの?」と言うと、「あんな花壇の作り方は考えたことがなかったです」と言うのです。この仕事を10〜15年やってきた人でも、意外とそこに気持ちが行かないんだなと思うところもあったので、今日はその辺りのことについて説明していきたいと思います。
家に隣接した花壇を取ることはよくありますよね。そういったケースで、綺麗な花壇というか面白い花壇とは何かを具体的に説明していきます。花壇と言うと、昔よくあったのは赤レンガを積んで囲んだようなものです。赤色で10cmぐらいの厚みがあって、浮き立つ感じでした。それに腐葉土を入れていろんな草花を植えたら綺麗じゃないですか。そんな造りの公園が多いと思います。でも、それがありきたり過ぎてシャープさに欠けると感じたこともあるのではないでしょうか。
それはどういうことかと言うと、一般的な花壇はコンクリートブロックとかレンガみたいな厚みのあるもので囲んで、土を入れていく感じでやることが多いです。ここで1つのポイントですが、花壇の縁のラインの太さによって花壇の見え方が変わってきます。この存在感をどれだけ薄くするかによって、花壇の美しさが際立つかが決まるのです。
縁のラインの存在感を消す1つのやり方として、例えばブロックはモルタルで接続しているため窪みがあるのですが、これをカットすることができます。ブロックの頭飛ばしと言いますが、土は斜めに入っていくので花壇の縁の線が非常にシャープになるのです。これが薄ければ薄いほどカッコいいです。このやり方は、頭を飛ばす分は手間賃が必要ですが、土で隠れるため頭を綺麗に補修することもないので、意外と手に入りやすい資材で小洒落た花壇を作りやすいと思います。ぜひ1回やってみてください。
レンガやブロックだけが花壇の土留ではありません。例えば木材、特に南洋材です。3cmぐらいのものなら存在感も消えるし、木部だから独特の美しさがあります。植物を植えるんだから、木と融合するに決まっていますよね。しかし、土の中に差し込むため腐るという問題があります。そのため、南洋材のイペ・ウリンが一番腐りにくいので望ましいです。セランガンバツでもある程度はできると思います。もちろん木材なので、素人の方でもノコギリとか釘打ちとかで加工も簡単です。家ができてから家族でワイワイDIYとしてやるのもいいと思います。
変わりものとしては、厚めの鉄板を入れるやり方です。スクラップなんかを売っているお店で、鉄板もバラ売りしてくれる所があると思います。鉄板の土留って、案外カッコいいです。わざとサンポールとかで錆びさせて、いい感じで錆びたところにクリアスプレーを振って、なんちゃってコールテン鋼風みたいな感じにもできます。意匠の組み合わせによっては、素材なのですごく面白い姿になるのです。
あと、私がやって成功したのはU字側溝です。U字側溝は立ち上がりが細いし、網が入って薄いコンクリートだから割れなくて結構強いんです。厚みも3cmとか薄いものもいくらでもあるので、非常に細くてシャープな花壇に使えます。コンクリートの打ちっ放し的なものをカッコいいと思う方に、オススメです。U字側溝の片面飛ばしで土を入れて花壇にするのは、過去に何回かお手伝いしてやらせてもらったことがあります。その時は「ここのラインを薄くした方がええやん」ぐらいの感じでやっていましたが、それをちゃんとしたデザイナーの人もやっていらっしゃると聞いて、間違っていなかったんだなと思いました。
あとは、スクリーンブロックというものもあります。四角の穴が開いていて、積んで塀にしたら素敵な塀になりますが、並べて小さいスクエアの中に植物を植えることもできるものです。立てて並べて、厚みのあるガラスを穴に入れてふんわり土留みたいな感じにすると、例えばガラス面でアリが巣を作っているのが見えます。これは少年心がくすぐられますね。昆虫が好きな人とかはやっても楽しいかなと。根が張ったりするのも見えるので、それもまた面白かったりします。
最後に、これは花壇と言えるかわかりませんが、最近ガビオンと言って蛇籠というものがあります。アイアンメッキをした網でフレームを作り、そこにグリ石みたいなものを無造作に入れるのです。グリ石もいろんな色があるから、好きなものを入れて、これに植物を合わせます。時間は掛かりますが、蔓が茂って小さい花が咲いたりするのを見たら結構グッと来ますよ。立体的で素敵な花壇だと思います。ガビオンは高価なものもありますが、最近よく出回っているので難しくはないです。
このようなものを利用しながら小さな庭づくりをやってもらうと、楽しみが増えてくるのかなと思います。ぜひ参考にしてみてください。
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