インナーガレッジを作るメリット・デメリット
▼YouTubeチャンネルはこちら
https://bit.ly/m-athome
————-
今日はインナーガレージを作る時のメリット・デメリットについて解説します。
最近はインナーガレージについてご相談を受けることが多いです。インナーガレージとは、車を停めるスペースを家の中に組み込んだガレージのことを言います。ビルトインガレージなんて言い方をする人もいらっしゃいますよね。
それではいくつかパターンを紹介していきます。インナーガレージをやりたい人は、車愛が強い人が多いです。究極に車愛を実現するとなると、リビングやワークスペースに車を停めて、車を眺めることができるガレージになると思います。
一方で多いのが、ホテルの車寄せのようなインナーガレージです。いいホテルに行くと玄関口に大きく屋根や庇が出ているところがありますが、あれは車寄せと言います。雨が吹き降りしていても、傘を差さずにホテルに降りられるようにするものです。これは、1軒の家でそれを実現したインナーガレージになります。雨が降った時に車を降りてすぐ玄関へ行けるのは、利便性が高いですよね。小さなお子さんやお年寄りにもとてもいいと思います。こういう造りだと、最近よく言う中間領域的な空間としても使えます。これらが、車寄せ型インナーガレージの特徴です。
やむを得ずインナーガレージになる場合もあります。それは、都市部の狭小地や、間口の狭い敷地に家を建てる時。特に道路側に南の居室を取るお家は、狭さを活かすためにインナーガレージにすることが結構あります。間口は非常に狭いけど、入口とインナーガレージの上の2階が全部リビングになるみたいな感じです。こういうのは、敷地を有効利用できるということですごくいいと思います。
インナーガレージのメリットをもう少し具体的に言っていくと、1つは何と言っても車愛ですよね。車の盗難とかイタズラはみんな気になるじゃないですか。当然外に出せば、雨風・埃・紫外線に晒されます。なので外に車を置くことに抵抗がある人もいると思います。インナーガレージに置くことで、盗難・イタズラを防げるし、雨風・埃・紫外線による劣化も防げるというメリットがあります。
また、車を停めていない時は、豊かな中間領域に様変わりします。例えばそのスペースで子どもさんが遊んだり、テーブルやイスを持ってきてそこに座ったり。庭の延長として使える感じです。車愛の強い人って、愛車の洗車とかメンテナンスを頻繁にやるじゃないですか。雨が降っている時もガレージ内でメンテができるので、とてもいいです。充分な広さがあるので、収納と組み合わせてガレージキットみたいに道具を並べたり、アウトドアツール・掃除用具も置けるというメリットもあります。
最近いいなと思うのが、通り土間という考え方です。例えばホテルに行くと、長い庇があって、エントランスの通路自体が全部連続した空間になっている所があったりします。それを個人の家でやるとすごくお金が掛かるイメージがありますが、インナーガレージと複合させることによってガレージ空間を通り土間に見立てて、そのまま中庭に入っていくみたいな綺麗な空間に作りやすいんです。こういったところがメリットかなと思います。
一方でデメリットもあります。一番大きいデメリットは、建築費が高く付くことです。カーポートを作りたいと考えている人は、それをなくせる分コストが圧縮できますが、インナーガレージは構造体の一部なので建築費が上がると考えた方がいいです。建物としても要素が増えるので、固定資産税も高くなります。
設計時のデメリットは、開口部が広いため壁量計算や偏心率計算が複雑になることです。限られた面積の中でインナーガレージを取ると、建ぺい率と容積率が増えていって、居室が制限される可能性もあります。これには緩和措置もあって、外壁のない広々と空いてる空間が4m以上ある、壁のピッチが2m以内、天井高は2.1m以上、平屋であること、などの条件です。床面積の5分の1以下は容積率に入れなくていいというものもあります。それらを上手にチェックしながらも、居室の部分の面積制約が増えるということは、1つ頭に置いておいてください。
また内装制限と言って、天井や壁は準不燃以上の防火性能の高い外装材・表面材でやるようにという条件があります。車は火気を使用する機械なので、もし火が出た時に燃えないように必要な措置です。自治体によっては、天井高や窓の位置も条例・規約などで制限があることもありますので、そういうことを含めるとデメリットになるかなと思います。
インナーガレージを作った人に「デメリットは何ですか?」と聞くと、こんなお話がありました。予算の上限があるので、面積をカツカツにして小さく作ったと。その後、3人目・4人目の子どもを授かって大きいファミリーカーにしようと思ったら、停められない。「ガレージの大きさによって車種が限定されてしまいました」ということだったので、そういうところもデメリットかなと思います。
インナーガレージは、車が好きな人や家の外の空間を上手に使いたい人には、とてもオススメのものです。こんなところを踏まえて考えていただいたら、きっと楽しいものになるんじゃないかと思います。ガレージ作りの参考にしてみてください。
——————–
ホームページはこちらです。
https://www.m-athome.co.jp/
新しいモデルハウスはこちらです。
https://www.m-athome.co.jp/modelhouse/miyamae/