秋こそ大事な「日よけ」と「風通し」
▼YouTubeチャンネルはこちら
https://bit.ly/m-athome
————-
今日のテーマは日除けと風通しです。
この動画は秋に撮影していて、暑さが和らいでいるので、「この時期、日除けはそこまできにしなくていいんじゃない?」と思われる方も多いと思います。
でも違うんですね。僕は日除けも風通しも、考えるなら秋が一番ふさわしいと思っています。
まず秋というのは、夏と比べてどんな特徴があるのか考えてみます。
みなさんが感じるのは気温や湿度の変化だと思います。でも、僕が思う一番大きな変化は日射の角度(太陽高度)です。
ここで僕のスケッチを見てください。
真夏の太陽というのは 語弊あるけど
太陽高度は6月が一番高いです。地面に対して78度ぐらいといわれています。真上に近いところから降り注ぐ感じですね。
一方で12月の一番日が短い頃は32度ぐらいで緩やかに入ってきます。
秋はどれくらいかと言うと、秋分の日(9月23日前後)で約55度になります。こんな感じが日射角度ということになります。
これを家づくりに置き換えると、夏の日差しをカットするために、モリシタでは窓の高さ:庇=10:3の比率でつくることをおすすめしています。
6月の太陽高度は正確に言うと78.5度になります。でも一年で一番暑いのって7〜8月ですよね。そうすると7〜8月の太陽高度はもうすこし緩やかになっています。
6月の日差しをカットするなら、窓の高さが1.8mだとして、庇は約36cmぐらいあればカットできるんです。でも7〜8月の日差しを考えると約54cmぐらいの深さにしたほうが、一番暑い頃の日差しがカットできるんですね。なので窓の高さ:庇=10:3にしています。
逆に12月はどうなるかと言うと、太陽高度は31.5度です。そうすると、窓の高さが1.8mのとき、日差しは室内に2m30〜40cmぐらいまで入ります。この計算だと心地いい空間ができます。
じゃあ中間期である春とか秋はどうなるかと言うと、太陽高度は55度ぐらいです。なので日差しは家に入るといえば入るんですね。
で、ここで僕が1つ思うことがあります。
夏の暑さに対して、快適な家を作ろうと思ったら、大事なのは日除けとエアコンで冷房することになります。
夏になると、「風通しが大事」と言って家づくりに求める方が多いんですが、実際は窓を開けても生暖かい風が入ってくるだけです。心地よさそうではないですよね。
なので僕の場合は、夏の時期、風通しはほぼ考えません。でも9月に入って暑さが緩んできたら窓を開けたくなります。その時にこそ風通しは活きてきます。
とはいえ秋になると日射角度が緩やかになるので、さっきの設計の家だと日差しも入ってきます。サラッとした心地よい風が入ってくるけど日差しも入ってしまって、涼しいのか暑いのかよくわからない状況も出てくるんです。
ここで1つ知っておいてほしいと思うのが、外付けタイプのブラインドです。
外付けタイプのブラインドって、家づくりの勉強をよくしてる人だと「憧れます」と言う方多いですよね。でも結構値が張るし、外付けブラインドって、いいものは外国製が多いから納期も掛かります。
ところが最近は国産のメーカーでも外付けタイプのブラインドを取り扱うところが出てきました。「安い!」というものではないですが、そこそこ手の届く値段で商品化されていますね。
この外付けブラインドは、リビングの大きい窓とかにつけると、すごくいいです。夏場はもちろん、秋口の風を入れたい時も重宝します。
外付けブラインドというのは、文字通りブラインドなので光が調整できるし、風が通るのもメリットだと思っています。
外側にも内側にもブラインドとか何もついていない窓ガラスがあるとしますよね。この場合、室内に太陽の熱は約80%強入ってきます。
部屋内にブラインドを付けた窓の場合、室内に太陽の熱は約51%入ってきます。
一方、外にブラインド付けた窓になると、なんと18%しか太陽の熱が入ってきません。
以前、外に、よしずや簾を置くと、日差しがしっかりカットできるという話をしました。日よけだけを考えるなら、よしずや簾はとてもいいです。ただ風通しはブラインドの方がスーッと通りますよね。
風通しもしたいのに、よしずや簾を使うと風除けになってしまう可能性もあります。
別の動画で、ウッドデッキでビール飲むなら、真夏じゃなくて秋口の方が絶対うまいという話をしました。これは気温とか日差しの変化もあるけど、乾いた気持ちのいい風を感じながら飲める要素も大きいです。
なので、気持ちのいい風を楽しむとか、家で過ごす時間をよくしたいとか、本当の意味で風通しの良さを求めるなら、大切なのは中間期(春・秋)になります。「暑い時期が過ぎたら関係ない」というものではないんですね。
外付けブラインドとかを使って日よけと風通しを両立させることも考えていただけたら、家づくりや暮らしがもっと楽しくなるとおもいますので、今日は解説させていただきました。以上です。
——————–
ホームページはこちらです。
https://www.m-athome.co.jp/
モデルハウスはこちらです。
https://www.m-athome.co.jp/model_house