家の見栄えがガラッと変わる!雨樋の付け方
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今日のテーマは雨樋の付け方です。この雨樋、実は、家の外観をカッコよくする上で、とても重要なポイントになります。
お客様との打ち合わせで、外観のイメージを固める際、僕らはよくパソコンを使ってパースを起こします。パースというのは立体的な絵ですね。パースに起こした外観がカッコいいかどうかというのは、一般的に屋根の形や窓の位置、建物の凸凹などを総合的にみて判断します。お客さんの立場で、このパースを見るときに気をつけてほしいことがあります。それは家に雨樋が付いていない、ということです。大分細かいところまで設定したCGパースでも、雨樋というのは結構省略されるんですね。
なぜかというと、家づくりの専門家にとって、雨樋というのはデザイン上、ノイズになるからです。要は邪魔なんです。でも実際に家を建てるとなると、雨樋は絶対に必要です。無いと雨天のときすごい勢いで水が落ちてきますので。なので、パースの状態で「この外観いいね」となっても、施工が終われば、雨樋は絶対に取り付けられています。
ここで、僕が描いたスケッチを見てください。例えば、この家のどこに雨樋が付くかを考えます。正面付近で考えると、大体は大屋根の2箇所に付けられます。場合によっては1箇所で済むかもしれません。(詳細は動画を観てくださいね)
皆さん、これを見てどう思いますか?特に気にされない方も多いんですが、僕だったらイヤです。僕が設計するなら、ストンとまっすぐ下に降ろして、ベランダの方の樋は独立して抜く。オーバーハングのバルコニーの下の方に隠して樋を降ろすこともできるるので、そこに降ろすか、更に奥にすることも考えられます。最初の例と見比べて、「どちらでもいいです」という方もいらっしゃいますが、前者は後者と比較してノイズ感が強いです。これが難しいのは完成したときに、「あの時おっしゃってた意味がやっと分かりました」という人も多いところなんですよね。
最初に描いた樋の付け方は、驚くぐらい普通に横行してます。なぜかと言うと、設計士の方が、そこまで細かく指示されなかったのだと思います。また、職人さんの判断でそうなることも多いです。その理由として1つ挙げると、コスト問題になります。雨樋や縦樋が降りてきたところには雨水の会所というのが必ず要ります。
そもそもの計画の中に会所が2箇所無かったら、「降ろしても仕方ないやん」となるんですね。でも、建物正面というのは、道路から一番見えるところになります。コストが掛かるのにためらう方もいると思いますが、それでも会所は増やしたほうがいいです。スッキリとした外観になるので、僕はおすすめします。また機能面でも問題があります。稀ではありますが、大屋根からゴミが入ってきて詰まる可能性があるんですね。真っ直ぐ降ろすなら、詰まりにくい。絶対詰まらない、とは言えませんが、ある程度は回避できます。
これは大手ハウスメーカーさんのお家でも結構見られます。よく見るケースを挙げると、下屋と言って1階部分に大きな屋根がある場合、大屋根の処理として横引きして通さなアカンことがあります。なるべくまっすぐに行ったら、あまり気になりませんが、なぜか斜めに横断させたものを見ることがあります。
下屋が道路からよく見える場合、デザイン上ノイズになりますので注意してください。次に気になるのが玄関ポーチの横にある縦樋。玄関ポーチって土間がありますよね。位置によっては、ポーチの下の土間に当たるので、足元でクランクさせます。これも見た目が気になります。先程と同じくゴミが詰まりやすくなるので気をつけてください。僕なら、どこか違うところにできないか考えます。仮に、落とすことしかできない場合は、あらかじめ排水と樋をつなぐことで見た目をスッキリさせる方法を考えます。
それから、もう1つ気になるのがエアコンのフレキ配管。建物の正面に平気で降ろしていたり、唐突に出てきたり。これは、大手ハウスメーカーさんの家で本当によく見かけます。僕からすると不思議でしょうがないです。おそらく配管の取扱いと、エアコンの取扱いが別だからかもしれませんね。坪単価の高い家で、工費もすごく掛けられただろうなぁと思う家でも、当てはまります。「なんで玄関にフレキ落としたのかなぁ」みたいな。
おそらく、その家の間取りで考えたら、その場所がエアコンのベストな配置なのかもしれません。でも、そのフレキ配管だと道路から丸見えになります。会所を1つ増やすのに、ものすごくお金がかかる、ということはありません。周りから見える部分ですので、ぜひ気にしていただきたいです。あとはね、玄関先にエコキュートの大きな貯湯槽が出ている家。僕はこれを見た時すごくショックでした。仕方なかったのかもしれません。もし、そこに置くなら、僕は囲いを作るとか、植栽で上手に隠すという方法をご提案します。
これから家づくりされる方は、外観をカッコよくするために、色々パースを作っていただいて検討されると思います。「これ!」と思うデザインが出たあとも、雨樋はどういう風に付けるのか、というところを気にしていただきたいです。雨樋のこだわりには個人差があって気にならない方もいますが、僕はすごく気になるので、この動画を見られた方にも、ぜひチェックしていただきたいと思います。
出来るならパースに反映していただいたり、立面図に反映していただくと、完成した時のイメージがある程度分かるはずです。特に道路から見えるような勝負面。ここが決まったら、雨樋とフレキ配管がどうなるか、最終チェックを忘れないでください。この作業を行うと、お家の見栄えはガラッと変わります。ぜひ頭に置いて、家づくりに取り組んでください。
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