家相に縛られすぎないでください
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今日のテーマは家相です。
まずは「家相」についてご説明しますね。
「家相」という言葉になじみが無い方でも、
「鬼門」や「裏鬼門」という言葉は聞いたことがあると思います。
鬼が来る方向というような意味の言葉ですね。
「鬼門」の定義をサラッとしておくと、
建物の中心で方位を見たとき、
北と東と真ん中の60°の角度の範囲を鬼門の方向と言います。
そして180°反対の範囲を裏鬼門の方位と言います。
家の間取りを決める時、
鬼門や裏鬼門には持ってきたらいけない物として
「三備」というものがあります。
「三備」は3つの設備という意味です。
まず1つ目は玄関、2つ目がキッチン、
3つ目がトイレやお風呂といった水回りです。
一方、鬼門や裏鬼門に個室を持ってくるのはOKです。
寝室や子供部屋、書斎などが当てはまります。
家づくり進めていくと、特に年長者の方から
「家相に気を付けてね」と言われることがあるんですね。
時々、間取りが決まった後で
「鬼門にトイレがあるから、家の人が早死にしてしまう」
と言われてしまうケースもあります。
僕の田舎でも、そうしたことを言う人がいました。
最初は家相のことを気にしていなかった人でも、
そうしたことを言われたら心配になってしまいますよね。
「なんか気になるな」「うちの家、大丈夫かな」って。
なので僕は、家相について、
こういう風に考えていただきたいなと思っています。
ここに参考にしていただきたい本があります。
1969年に出版された、清家清先生の「家相の科学」です。
清家清先生は、すごく著名な建築の先生で、
東京工業大学の教授でもありました。
この本は家相について解説した本で、
当時は一大ベストセラーになりました。
今は家相について興味ない人が多いですが、
当時はこの本、売れに売れたんです。
なぜかと言うと、古くから言い伝えられてる家相に縛られて、
家づくりを失敗した人が、とても多かったからなんですね。
その家相について、建築の巨匠であり
超専門家である清家先生が解説されています。
この本を読むと「家相ってそういうことなんや。スッキリした」となるんですね。
この本で書かれてることを、僕なりに、かいつまんでご説明します。
清家先生は、家相には3つの要素があると論破されています。
1つ目が住居学的、あるいは科学的に根拠があること。
2つ目が社会の因習上タブーなこと。
3つ目が全く科学的根拠がないこと。占いチックなことですね。
「みなさんは、この3つの中で
どれを家相の話として考えていますか?よく考えてみてください」
ということをおっしゃっています。
また清家先生は「鬼門や裏鬼門という、
日本人が一番家相で気にしてることは、
科学的根拠のない迷信や」と言い切られてます。
どれだけ家相にまつわる過去の文献を調べても、
一体何の根拠で書いているのか分からなかった、
意味のないものだと思われたそうです。
これらの内容は、それからの日本の家づくりに関して、
ものすごく影響を与えたと僕は思っています。
本が出版されてから50年ほど経ちましたが、
この2021年に読んでも、僕は本の内容に賛成です。
家相のいろいろな悩み対して、スパッと言い切られています。
そもそも家相を考える時に、
家の中心をどうやって決めるかというのは、
結構難しい問題です。四角の家なら決めやすいですが、
そうでない形の家の場合、捉え方が難しいですし、
置き方次第で鬼門などの範囲はコロコロ変わってしまいます。
それぐらい、あやふやなものなんですよね。
もし家相のことで、
いろいろ言われて悩んでいる方がいたら、
内容を整理してみてください。
それで、科学的に根拠ある事柄であれば気にしたほうがいいです。
でも、科学的根拠がない事柄であれば、そこまで気にする必要はありません。
58歳まで生きてきた僕は、そういう結論を出しています。
もし家づくりをされていて、家相に悩んでいる若い人がいたら、
僕は「そんな気にしないでください」と言います。
「それよりも日当たりや風通しを良くすること、
水回りを清潔に保てる工夫を科学的に考えて行きましょう。
それが第一ですよ」とお伝えしたいです。
何かの本に書いてある占いチックなことよりも、
まずは、日当たりとか風通しのことを優先する。
そういう視点を持っておいてください。
それでもですね、おじいちゃんとかおばあちゃん、
あるいはご両親が「家相ちゃんとしてね」とおっしゃる場合はですね、
これ、親心からなんです。
「君に失敗してほしくない」「幸せに暮らして欲しい」という
親心から来ていますから、ありがとうございますと感謝を伝える。
そのあとで、自分たちのプランを伝えてください。
設計の実務者からすると、敷地のことよい家相を優先してしまうと、
いい家にならないというのは分かるんです。
でも優先するものが逆にならざるを得ないことも多いです。
家相とか、風水も、今回の動画でお伝えしたように
捉えていただければと思います。
そうすると、家づくりはもっと自由になるし、
納得できるものができるはずです。
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