花粉症を和らげる家とは?
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今日のテーマは花粉症を和らげる家づくりについてです。
先日、我が家でちょっとした事件がありました。今年で80歳になる私の母が花粉症になったんです。「風邪がなかなか治らへん」と言っていて、調べた所、花粉症だとわかったんですね。
花粉症というのは、これまで大丈夫と言っていた人でも、ある日突然なるものなので驚きますよね。
今回はこのことをきっかけに、花粉症を和らげる家づくりというのを考えていきたいと思います。
花粉症を和らげていく上で1番大切なのは、家の中に花粉を持ちこまない、ということに尽きます。
春先なって暖かくなると、換気などのために窓を開けたくなりますが、花粉が入るとイヤというので、窓を開けられないという人が増えています。ですが、高気密高断熱の家であれば、より換気は必要になってきます。
今、多くの家は24時間換気を義務付けられています。西日本だったら3種換気と言われているもの使うことが多いです。
まず換気の考え方を説明していきます。
基本的には居室から、こういう風に給気をします。3種換気ならトイレのような水回り、それから非居室の廊下や洗面所とかから換気扇で排気をしていきます。1種換気と呼ばれるようなものも、同じような形です。
絵を見ると一目瞭然ですが、ポイントはここになります。
花粉はここから入ってくるので、ここで花粉を止めたいですよね。なのでここにフィルターを入れておくのが良いということになります。100%ではないですが、かなり取れると言われてます。
そういうものは、新築時に最初から用意されていることもありますが、後付けで対応することもできます。フィルターは建材メーカーからも出てるものもあれば、ネットで手軽に買えるようなものもあります。
フィルターがあると、花粉のほかにPM2.5のような有害な粒子とかもカットできます。なので、しっかり用意しておくのをおすすめします。最初からやっておかれたらいいと思います。
フィルターを付けるときに注意をしていただきたいことがあります。それは給気口の高さです。
花粉症の方がいるお家だと、フィルターをこまめに掃除したいから低い所に付けようと考えられることがあります。たしかに手の届くところだと掃除がラクですが、一方で、あまりに低い位置だと、そこから今度は冷気が入って部屋が寒くなります。
一般的に付いている寸法で、特に問題はないですが、念の為、気にしていただけるといいかなと思います。
換気は、1種換気の方だともっとできることがあります。専用の部材などもあるので。
あと、実際にあった現場の話をすると、近くに工場がある地域や、バイパス・高速道路が近くにあるエリアで家づくりをしたことがありました。その時は工場や走っている車から粉塵系のものが飛ぶ可能性があったので、粉塵をしっかり取り除くような高性能のフィルターを取り付ける、さらにそれを1種換気でできたら最高というのをお伝えしました。
ただ、これにはお金は掛かります。
「住宅地で建てるから、そこまでしなくてもいいかな」という方は3種換気でいいと思います。
次ですね、これから家を建てられる方は、部屋干しが前提の間取りを考えることをおすすめします。
花粉症の方でなくても部屋干し考えることはあると思います。だた、その場合は梅雨時のことを考えて、そうしたプランを希望されていることが多いんですね。
冒頭でもお伝えしましたが、花粉症とうのは今すごい健康な人でも、急に発症することがあります。実は僕もそうでした。
なので部屋干し前提というのを、ある程度真剣に考えることをおすすめします。
実際の間取りを例に出すと、2階のホールを部屋干しに活用されることが多いです。
これもいいですし、最近は1階にサニタリールームのような、洗濯物を干す専用のスペースを作られる方も非常に増えています。これは家事ラクにもつながるので、共働きのご家族からも人気ですね。
ここに除湿機を置けば、梅雨の時も洗濯物がカラッと乾かせます。最近は性能の良い除湿機が出ているので、セットで考えてみてください。
なので服とかは部屋干しにして、花粉が付かないようにすることも大切です。
フィルターを付けることと、部屋干し前提の間取りを考えることが、オーソドックスな花粉対策かなと思いますが、今日はさらに追加のアイデアもお伝えしたいと思います。
コロナウイルスでの生活の変化を経て、僕は水際作戦と言うのが、すごい大事だなと考えるようになりました。
水際作戦というのは、名前のとおり水際でね物を止めるって事です。
たとえば、コロナウイルスも、ひょっとしたら自分がどこかで持ち込んでしまう可能性があります。なので、玄関先に手洗い場をつくって、さらにアルコールスプレーで消毒してから部屋に入る、というのも水際作戦ですよね。
これと同様に、花粉にも水際作戦があると思います。
春先は外に出る時、みんなスプリングコートやジャケットを着ますよね。でも、そうした服って毎日洗濯するのは難しいです。なので、コートとかは玄関先で花粉を吹き飛ばすのが有効かなと思います。
ブラシではたく方法もありますが、僕がおすすめするのはブロワーです。バーッと風が出る電気工具みたいなものですね。
家づくりの現場では、馴染みのある道具ですね。ホームセンターなどに行くと、安いものだと、何千円ぐらいで買えます。
それを玄関に置いで、帰宅したらコートとかに風を当てて吹き飛ばせば、花粉がかなり取れます。
ブロワーは掃除にも使えます。特に外の枯葉とかもバーッと飛ばせるので、1個買っておくと便利です。
このとき忘れてはいけないのは、水際作戦なので、できたら玄関の扉の外で済ませるのがいいですよね。
そうすると、これまであまりニーズがなかったと思いますが、玄関先に屋外コンセントみたいなの1つ作っておくといいと思います。
コートやジャケットをきれいにしてから家に入るのは、花粉症の方でなくても、気持ちのいい習慣になると思うので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
合わせてもう1つ、おすすめしたいのが、玄関入ってすぐのところにコート掛けを作ることです。花粉をし飛ばしてはいるんですけど、みんなで過ごす場所に持ち込まないほうが、より安心できると思うのでね。
このコート掛けはレインコートを掛けておくのにも重宝するので、梅雨時なんかも活躍します。
それから「暮らし方の注意」と言うと大げさですが、花粉が飛ぶ時間を考えて換気をするということです。
花粉は太陽が昇って日没する間が一番飛びます。24時間換気はタイマーだったり、手動で切ることができます、なので日中は外に出られる方の場合、その時間帯は切っておいて花粉を入れないようにするのもアリです。夜とか朝は換気をしてくださいね。
そして最後に、少し偉そうですが、工務店の親父の立場で伝えておきたいことがあります。
どなたかの専門家の本に出ていたのですが、換気とか窓の開け閉めで入ってくる花粉の量というのは、実は全体の6割ぐらいなんです。
じゃあ残りの4割はどこから入るのかというと、C値が4〜6のような、気密が取れていない家の場合、その隙間から侵入ということがあるようです。
気密性は居住性のことだけでなく、花粉を入れないという意味でも大きな要素になると考えています。
なので花粉症の方や、そうしたリスクに備えて、ちゃんと対策しておきたい方は、改めてC値を気にしていただいて、気密の高い家を建てていただけたらと思います。