親に家づくりを反対されたときの解決策
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今日はあるお客様から受けた相談がテーマです。
その方は家づくりの検討をしているのですが、親御さんからやりたい事に関してね、反対を受けてしまったそうです。それで「どうしたらいいんですかね?」と相談をもらいました。
その際に、私の1つの考え方というか「こんな風にされたらどうでしょうか?」ということをお伝えしたいと思います。
1年ぐらい前の動画でも話したことがあるのですが、建てる家は、あなた達ご夫婦の家だけど、それぞれのご両親に必ず声がけしてくださいねということをおすすめしました。
もし興味があったら、また見てみてください。
家づくりは、親御さんから援助してもらって取り組む方もいますが、最近はご夫婦でしっかり貯金したりローン組んだりして、自分たちの力で購入されることも多いです。
なので、家づくりは自分たちの事という風に捉えがちですが、家づくりの現場に立つ者としては、親御さんが反対したことですごく困ってしまう、というのがよくあります。
いろんなことを考えて、お客様も決断されたけど、最後に親御さんからダメと言われて状況が一変してしまうことがあるんですね。
だからこそ、自分たちが暮らす家であっても、親御さんには、事前に一声掛けといてくださいと。でないと、後で大きな影響ありますよということを、以前の動画では伝えました。
今回の相談も、親御さんの気持ちというところが解決のカギになると思っています。
この板書にはPACと書かれています。
これは有名な心理学者のエリック・バーンという先生が、人間の心の在りようを分析した時に編み出された説明モデルです。
有名な話なので既に知っている方もいらっしゃると思います。今回は初めて聞いた方に向けて、少し解説します。
エリック・バーンさんは、親であれ、子どもであれ、人格には3つの要素があるって言う仮説を立てました。
PACの「P」はParents。親的な要素のことです。「C」はChild。子ども的な要素です。
例えば100歳のおじいさんであっても子どもの心というのは残ってますよね。
僕も娘がいるので親ではありますが、母の子どもでもあるので、両方の要素があります。
PACの「A」はAdultです。大人の要素ですね。親的な要素とは少し違って、子どもに対して大人と言う意味です。一般的に大人というのは子どもに比べたら理性的で、理知的で、安定的という側面がありますよね。そのことを指しています。
このPACという3つの要素で人間の人格というのは構成されてという仮説があります。
繰り返しになりますが、親であっても
だから親にも当然あるんですけど「C」の要素はありますし、小さな子どもにも「P」の要素はあります。
ちなみに「P」の中には「CP」と「NP」と言うのがあります。
「CP」は厳格な頑固オヤジのような、厳しい親としての要素。一方「NP」は優しいお母さんのような要素です。
一方で「C」の中にも「AC」と「FC」と言うのがあります
「AC」は従順でおとなしい、優しい子どもの要素です。「FC」はフリーチャイルドの略で自由活発でわんぱくな子どもの要素です。
これらの要素はみなさんの中にもあります。
今回の相談に話を戻します。反対してる親御さんはCPの要素が出ています。厳しいお父さんのような感じですね。
この時、子どもはACとFCと2つの要素で応えてください。。一番スムーズにいくのはACです。「お父さん分かったよ」という感じですね。
一方で、この厳しいお父さんにFCで「ヤダそんなん」と言ったら、余計に相手は怒ってしまいますよね。なので、返し方が少しズレるとですね関係がギクシャクするんです。
NPの要素で「こうしちゃダメだよ」と言われて、FCで「ヤダヤダ」と返しても結論は出ないままですよね。
今回の相談者の方は、こうした形で困られていたんだと思います。
例えばお父さんから「屋根は瓦葺きにせぇ」と言われたとして、子どもが大人の要素の「A」で反論するとぶつかります。
「そうじゃないんです。お父さん。論理的に言うとね地震に弱いし…」という感じで言い返されたら、お父さんキレてしまいますよね
こういう風に親子の話し合いの中には、構造があるということを知っておくと対処がラクになります。
ただですね、今回僕は「テクニックとかを論理を覚えて親をやっつけてください」と言いたいワケではないんです。僕が言いたいのは、もし反対されたら、一度親の気持ちになってみてください、ということです。
ここは決して誤解をしないでほしいです。
普通の、良好な親子関係が築けているという前提で、お父さんやお母さんが反対する時というのは「子どもに失敗してほしくない」という気持ちから来ています。
「世間の人がいろいろ言うから」なんて理由もよく聞きます。それもね、よく考えると「世間の人がいろいろ言うことで、君に嫌な気持ちにさせたくない」とか「苦しい目に遭わせたくない」という親心になるんです。
なので、まずは、子どもであるあなたが一度話を受け止めてください。
それが親子で話し合うときのスタートになります。
僕は今回相談を受けたお客様に、こう言いました。
「〇〇というデザインをやりたいんですよね?」と。
「でも親御さんは『そんな派手なのは近所から浮く』と言われてしまったんですよね」と。
「いくつになっても子は子、親は親だと思います。まずはお父さんに『そんなに僕のこと心配してくれて、気にかけてくれてありがとう』と言ってください」と
「『お父さん人生経験長いから、今の話もちゃんと考える。参考にしてもう1回デザインのこと考えるね』という風に返してください」と言いました。
入れ知恵みたいな話ですが、こんなこともお伝えしました。
「実際にですね、あなたがやりたいデザインがイメージできる写真とかを、ネットとかで調べて、それをお父さんお母さんのところに持って行ってみてください。
それでですね『お父さん この写真見て!どう、カッコよくない?』とか『これすごいやりたいの!』と話してみてください」って。
絶対に解決するとは言えませんが、風向きは少し変わると思います。
一番はお父さんやお母さんが、あなたを心配してくれることに対して感謝を伝えてほしい。
その上で、自分がとってもやりたい!と思っている気持ちを無邪気に言ってみてください。
僕はね、娘にすごく甘いんですよ。よく妻からは怒られるんですけどね。
例えば、雑誌とか持ってきて「これ素敵!」とか「欲しい欲しい!」って、かわいい人から言われたら「まぁ仕方ないなぁ」とか、気持ちが賛成する方にいくんですよ。
自分で言いながらバカ親やなぁと思うんですけど。
話を戻しますけど、ぜひですね、親御さんの気持ちに立ってみてください。「これはどんな気持ちで言ってるのかな?」と。
親が私を支配しようとしているとかではないです。根本にあるのは、心配とか思いやりとか優しさです。
ここをまずトライしてみてください。
トライしていただいて、その結果、家族が賛成してくれたり、力になってくれた家づくりというのは、僕、一番エエものだと思います。