私の家で大失敗したベランダを紹介します
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今日のテーマはベランダ・バルコニーの作り方です。
今回も我が家での失敗談を交えながらお話をしていきたいと思います。
これは僕の肌感覚ですが、ここ10年ぐらいで、これから家づくりされる方にとってのベランダやバルコニーの在り方が変わってきているなと思っています。
以前なら「面積が限られてますけどベランダやバルコニーもしっかり作りたいです」という方が多かったです。
ところが最近は「ベランダとかバルコニーっていらないですよね」という感じで、僕に同意を求める方が増えた気がしています。
この変化も含めて、バルコニーの作ることのメリットやデメリット、それから作る上で気をつけて欲しいポイントを1度整理したいと思います。
先日、大阪にある友人の工務店のところへ見学をしてきました。
そこの会社さんは大阪の南の方にあるので、土地の値段が高くて、小さな敷地での家づくりをされています。手掛けているお家には特徴があって、最上階にベランダやバルコニーがあります。
僕が今回見学させてもらったのも、3階建てで、一番上にペントハウスがつくられていました。
太陽の光がサンサンと当たって、子どもさんの小さなプールみたいなのも置かれていて、ここで遊べるようになっていました。
小さな敷地だと庭が取りにくいので、こうやって工夫するのはすごくいいなと思いました。若い方が見学されたらワクワクするだろうなぁと。
僕が昔、施工でお世話になった某大手のハウスメーカーさんも、2階建てではありますが、こうしたベランダのある家を売りにしていました。
ここが格子になっていて「風が通っていいですよ」とか「ここがあると花火大会のときにいいですよ」という話をしていました。
加古川のお客様で、この形の家を建てたおじいちゃんが「森下さん、これエエな。ありがとうな」と笑顔でおっしゃってくださったのが、今も忘れられないです。
ここから、僕が我が家を建てるときにした話になりますが、結構こだわってベランダを広く取ったんですね。8畳くらいあります。床には木のデッキを敷き詰めて、照明もつけて、夜はライトアップされるようにしたりして。ニューヨークの映画に出てきそうなかっこいいのを目指しました。完成した時「結構エエ感じやな」と思いました。
こういう広いベランダいいなって思われる方、結構いらっしゃると思います。
最近はルーフっぽい、片持ちでオーバーハングのバルコニーも多いですよね。格子状のものを取り入れているバルコニーは、光は入るけど視線がカットできるので、洗濯物見られたくないという方から人気ですね。
ここで僕は1つ思うことがあります。
広いベランダって、夢を実現したくて、予算も割いて作ったものですよね。
僕は新築したての時、完成したベランダ見て、すごく嬉しかったです。鼻高々でした。
加古川のおじいちゃんは、家族で花火大会を見るのに使っていましたが、僕はここで家族とバーベキューするのに使うのが夢でした。忙しくて、子どもをなかなかキャンプとかに連れて行ってあげられないかもと思ったので。
テーブルを置いたり、炭で起こしたコンロを置いたりして、バーベキューしましたね。でも、この20数年で、このベランダでバーベキューしたのは2回くらいです。
このベランダ自体は良いものです。でも長い期間で見たときには、ちゃんと考えないといけないなと、僕個人の経験として思いました。
年に1回ぐらいの花火大会を見るときにはいい場所です。
それから、僕らの地元の姫路は浜手になるとお祭りがすごい盛んになります。岸和田のだんじりみたいな感じですね。
お祭り好きの一家にとっては、ハレの日なので、自分の家から屋台が練り合わせしてるところが見れるみたい場所が必要になります
でもね、こういうベランダを日常的に使うということを考えると、いろいろデメリットがあるんですね。なので僕のバーベキューみたいに2回くらいで終わってしまうんです。
この家、ここがリビングだったら、ベランダ行くまでに3階分もの階段に昇らないといけないです。なので小さい子を連れて上で遊ばせることがすごく大変です。
僕の家だと、ここがリビング、キッチンになります。
ここが階段です。ベランダでいきなり火を起こすのは勇気がるので、ここで炭火を起こして、持って歩くという手間も発生します。
バーベキューするときは、妻も野菜切ったり、それをベランダまで運んだりしてくれていたので、大変だったはずです。しかも僕は昭和の男で、あまり手伝わなくて「パパが酔っ払ったら、この後に片付けるのは誰?」と言われてしまったこともあります。電気つけたら虫が寄ってくるのもあって、このベランダ、妻からは不評でした。
僕たちはここにも小さなウッドデッキを作っていたので、3回目からのバーベキューはここでしていましたね。
そうすると、ニューヨークの古いビルの上にあるような、広くてカッコいいベランダは、おばあちゃんが洗濯物を干すためだけの場所になってしまいました。
家の一番上にある広いベランダと言うのは、物珍しです。お祭りとか花火みたいなハレの時には活躍します。でも、それ以外では利用がしにくいというのを知っていただきたいんですね。50代になった今は、一切利用していないです。
それでも「ベランダやバルコニーは絶対いるよね?」と思われている方は、「洗濯物を干すスペースとして要りますよね?」という意味が含まれていると思います。
一方で「ベランダいらないですよね?」と思われている方については、洗濯物をどこで干すのか、ということについて考えていただきたいです。
「なくてもいいですよね」とおっしゃっていたご夫婦で、奥様から「布団ってどこに干したらいいですかね?」という相談を受けたことがあります。
2階が寝室という間取りが多いので、布団も2階で干せたほうがラクですよね。
そのとき僕は「布団干しバー」というものを紹介しました。タオルバーの大きいものを想像していただければと思います。
布団バーを使うときは、手すりのことを考慮して、窓は出入り口窓を付けることをおすすめしています。
というのは、腰ぐらいの高さにある窓なら、またぐ動作が必要になりますよね。動作が面倒というのもありますが、このサッシって結構汚れています。なので布団を干すときに雑巾で拭く手間も発生します。
バーも汚れていて、どちみち拭かなアカンという時もありますが、バーと比べてサッシを拭くのは結構面倒です。なので、こういう窓もいいかなと思っています。
僕のバーベキューの話に戻ります。もしバーベキューで上のベランダを使うなら、僕は流しを作るべきでした。もしくは、リビングが2階にある家なら、このベランダは有りだったと思います。
なので、家の上に広いバルコニーとかベランダを作りたいという方は、完成した後もずっと楽しめるか、継続して使うかどうかという視点も持ってほしいと思います。せっかくお金かけて作るものなので、よく考えてみてください。
「バルコニーとかベランダは要らないな」という場合は、どこに洗濯物を干すのか、ということを考えていただければと思います。その際に、干し場や干し場に通じる窓は汚れているという前提で、仕様についても考えていただくと、使い勝手のいいものができると思います。