ダイニングを優先した間取りの考え方
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今日は、家族の集まる場所の作り方について解説します。
間取りを考える時、多くの人が家族みんなで過ごせる場所が欲しいと考えます。
僕は家を建てるときに、自分が男兄弟3人の長男で早くに父を亡くしたこともあって、母を兄弟の家族と一緒に囲んでワイワイ過ごせる部屋がほしいという思いが、強くありました。
昔の人っぽい感覚かもしれません。でも、そういう価値観持ってる自分みたいなおじさんが、これから家づくりされる若い人たちが家族みんなで過ごす場所のことを考えている姿を見ると「こういう視点もあると、満足度の高いリビング・ダイニングになるよ」と思うことがあります。今日はそのことについてお話をします。
僕の絵を見てください。これはよくある間取りを書いています。対面キッチンは、水仕事しながらリビング・ダイニングが見渡せたり、お父さんが料理を作るのにも、みんなでワイワイするのにもいいから希望される方が多いです。で、みんなでワイワイご飯食べたり、ゆっくりしたりしますよね。
僕も娘たちが小さい頃は「お父さーん」って引っ付かれてリビングで遊んでました。なので、こういう間取りはしっくりきます。これを僕はリビング中心の間取りと考えています。リビングが起点になってくるという感じですね。
一方で、今、僕の娘たちは1人が成人して社会人になって、もう1人は大学生です。2人とも違う所に住んでいて、休みの時期になったら帰ってくるという感じです。普段は妻と母と暮らしていて、娘たちが帰ってきたら、大人5人が過ごす家になります。
今は家を建てて20年近くになりますが、15年目あたりから、娘たちが大きくなって、大人5人が過ごす家という風になってました。
若い人からすると10〜15年後というのは、すごく先のことと思われるかもしれません。でも子育ての期間って毎日忙しくて、あっという間に10年とか経つんですね。意外と早く、そうした時期を迎えます。
そうすると家での過ごし方が変わって「ここを変えたいなぁ」と思うところが出てきます。特に強く思うのがダイニングです。
子どもが小さい頃は、これぐらいのダイニングテーブルで十分です。でも大きくなって、家族みんなが集まるとなると「もう少し大きい方が使いやすいな」となります。なので、ダイニングテーブルは最初から大きめのものを買うのも良いと思います。使い始めは「ちょっと大きいな」と思っても、後々困らないですから。体の大きさという視点でも、男の子とかは、中学生くらいでグンと成長して、大人と変わらない体格になってきますので、いいと思います。
それから、子どもが中学生位になると、家族が集うのはダイニングが中心になります。親と一緒にリビングで過ごすという子は、少なくなってくると思います。お父さんが仕事から帰ってきたら、自分の部屋に行くとか。セカンドリビングとして使えるホールがある家なら、子どもはリビングより、そっちの部屋で過ごすようになるかなと思いますね。
これから家を建てる方で、まだお子さんが小さいご家族には、「結構早いタイミングで、過ごす場所はダイニング中心になっていく」という視点を持ってほしいです。
僕の家は、まさにこの状態です。家族でゆっくり話するのは、主に食事のとき。あとは、みんな休日で「ケーキ買ってきたから、お茶でも淹れようか」とか、親戚のおじさんが遊びに来てくれた時とかですね。この時も、お茶を用意して、みんなでダイニングに集まります。
なので大人ばかりの家では、ダイニングの存在が重要になってくるんです。極端な言い方ですが、リビングは添え物でいいかな、というような感覚になってきます。
パパッと絵を描いてみました。例えばこういう風に、ダイニングはキッチンと平行にしたり、同じスペースにしてみてもいいですね。これは家具買ったらできるので難しいことではないです。
でも家具を買う時「本当に全部要るかな?」とか、リビング階段を考えている場合なら「ここに持ってきてもいいのかな?」 とか、少し先の話の生活を考えながら決めていただければなと思います。家具でも間取りでも、必要なものだけを絞っていくというのはコストを抑えることにも繋がります。
結論めいたこと言いますが、もう僕くらいの歳になったら、家は小さい方がいいです。大きい家は暮らしていくのにコストがかかるし、広い分、掃除も大変になります。
今、もしくは、これから家づくりされる方だと、リビングを中心に間取りを考えているかもしれません。でも「家は小さい方がいい」という考えで家づくりをされるなら、ダイニングを中心に考える方がいいと思います。
特に最近は平均初婚年齢が上がっていて、結婚するのは30歳くらいが当たり前になっています。人によっては、33歳とか35歳という場合もありますので、ダイニング中心主義というのは、ぜひ持っておいてください。
すごい予算に余裕がある、敷地に余裕があるという方は、ダイニングとリビングをそれぞれ充実させて独立型にするというのもあります。ただ、これが実現できるケースは限られてくると思います。あと僕なら、ここに面積を使うより、サニタリーやキッチンのゴミ置き場に回したり、土間を作ることをおすすめします。その方が、使い勝手や暮らしの満足度に活きてくるんじゃないかなと思っているので。
まとめになりますが、間取りで家族が集まる場所を考えるときは、ぜひ「ダイニング中心主義」というのを頭において、取り組んでいただけたらと思います。