8月はやっぱり暑いですね。
夏休みには祖父母の家によく帰ってましたが、宍粟郡(当時)波賀町だったので、姫路に比べるとずいぶん過ごしやすかったと記憶しています。
表と裏の広縁の障子を開けると、虫よけの蚊帳をさげてそこに潜り込んで眠ると東屋のように風がスト―ンと通りとても快適でした。
吉田兼好が徒然草の中で、「家のつくりやうは、夏をむねとすべし」と語ったことを引き合いに、これまで多くの人々が、涼を取る方法として“風通しを良くする”ことにこだわって来ました。 たしかに、夜は気温がさがりますので、外気を上手に取り込めば涼しい感じがします。
でも、最近では波賀町の人たちも夏場はエアコンによる冷房が欠かせないそうです。温暖化で気候が大きく変動した今は、風通しを良くしただけで家は涼しくならないんです。
この状態は、姫路や加古川などの都市部ではさらに拍車がかかります。
山間部より平地や浜手は必ず気温が高いですし、海や川に近ければ湿気も多くなりますからなおさらです。
特に厳しいのは家の密集地。もし、隣の家がエアコンをかけていたら室外機から暖かい空気がどんどん押し寄せます。確実に数度は温度が高いので、窓をあけていたらかなり不快になります。
また、夏の暑さは温度だけではありません。一番は湿気。この湿気がどんどん入ることが本当に問題なのです。 なので、これからの日本の夏を涼しく暮らすにはエアコンがよく効く家にしないといけません。
つまり、断熱がしっかりされ家の気密がとれていること。外部からのスキマ風がまったく入らない家にすることが望まれます。
ウソのような話ですが、風通しのいい家は猛暑に対してはまったく役にたたないのです。
もちろん、春とか秋の気候のいい時は外気を入れることが重要です。なので、風通しは夏のためではなくて、春秋のために考える程度でいいのです。 最近分かって来たことに冷房の時にエアコンは、つけたり消したりするよりまわしっぱなしのほうが電気代がかからないケースがあるということがあります。
さらに言うと、各室ごとの空調より全館空調にするのが一番電気代を抑えることにつながるようです。
ただ、平屋の家や、2階が小さくて1階が広い家は全館空調をするのはなかなか難しいと言われています。
今建設中のモデルハウスは“ほぼ平屋”ですが、全館空調計画の達人:松尾和也先生の設計でうまく処理されています。とにかく夏を涼しく暮らしたい方は必見です。秋の完成をお楽しみに!