一年で一番気温が下がる2月なので、身に染みて感じますが「暖かい家がほしい」ですね。ただ、まだまだ多くの方はそうは思っても、いろいろガマンして暮らしておられるのが現実です。
多いのが、エアコンの暖房設定温度を20度くらいですごすパターンで、「もったいないので十分な室温(20度設定でも現実の室温は18度程度)になっていないけどガマンする」というのがその理由のようです。確かに、設定温度が低ければ電気代は節約できるかもしれませんが、その金額は意外にしれています。
昔ながらの、無断熱で気密が全然とれていない状態ではしかたないのですが、現在の最低基準である次世代省エネ性能がクリアしている家なら、暖房する容量が10~12帖くらいの部屋なら5度くらいあげても、月に2000円も余分に払うことは無いように思います。
2000円という電気代を高いと感じる方にお尋ねしたいのは、暖かさが十分でない居室に暮らして風邪などで体調を崩したら、そのためにどんな損害がでるかという視点です。風邪薬を買っても、病院にかかってもそれ以上にお金がかかりますし、なにより不快な時間が増えてしまいます。
また、居室とあわせて寒さをガマンしているのが、洗面脱衣所とトイレ。あなた様もこの時期、そこに入って「寒い~」と身をブルブルさせたことがあると思います。
ここにカーボンヒータを置くと、トイレなら200Wタイプを24時間稼働で電気代月あたり3900円、洗面脱衣所なら800Wタイプ一日2時間稼働で月あたり1300円で、かなり不快な思いを無くすことができます。
月トータルで、3900円+1300円=5200円 長めに期間をみて冬期を5か月とみても、年間26000円の出費で済みます。どうですか、やっぱり高く感じますか?
洗面所やトイレに入った時に身体がブルブルとくる減少を「ヒートショック」と言いますが、40代の後半以降になると、この症状に見舞われると下手すると大きな疾病につながることがあります。心筋梗塞や脳卒中といった重篤な病気のリスクが高まるのです。
専門家の試算によると、脳梗塞などの処置費は約80万円程度の自己負担額になるそうです。助かっても要介護になり、月額で88000円程度の自己負担が必要で、平均的な脳卒中余命が7.5年と言われてますので、88000円×12か月×7.5年=792万円。処置費とあわせて、約880万円もの治療・介護費がかかる計算になります。
私の父も、55歳の時に冬の寒い朝トイレに入ったところで倒れて、帰らぬ人となりましたので、切実にこの症状の怖さを知っています。もしあの時、父が死なずに要介護になっていたら、本人も辛いし、経済的にも精神的にも残された家族はどんな目にあったのでしょうか・・・
寒い時期なので改めて言います。もちろん、私は父に生き続けてほしかったです。どうか、ご家族のためにも、ご自分のためにも、目先のお金にとらわれないで、家を暖かくして暮らしてください。
これから、家づくりを考えられる方なら、予算を少し増やしても暖かい家を購入してください。経済的にも、人間の幸せとしても大事な選択になります。