さようなら平成、そして令和に 平成が終わりましたね。平成天皇が退位されたことはもちろん、漫画家のさくらももこさん、大好きな女優さんだった樹木希林さん、旦那さんの内田裕也さんが相次いで亡くなり、さらに平成のスーパースターイチロー選手が引退と、一つの時代の終わりを感じます。
今年になって亡くなった方の中にもう一人、堺屋太一さんがおられます。いまさらですが少し紹介すると、昭和時代のエポック「70’大阪万博」の企画実施をした元通産官僚で、小説家、評論家。1940年第一次ベビーブーム世代を「団塊の世代」と位置付けて大きな影響をこの国に与え、最近まで安倍首相のブレインでもあった深い洞察の人でした。 堺屋太一さんは、約20年前「平成30年」という近未来の日本を予想した小説を発表されました。その中身がいまさらにすごいということで、再び話題になっています。
この本には、副題が「何もしなかった日本」とあるように、改革を不得手とする日本型組織への警世の念が込められており、20年前よりむしろ、未来人である今の我々に刺さる内容となっています。個人的には、時代の節目をイメージして「平成30年」を主題にされた慧眼とセンスに、痺れてしまいます。
実は、今年57歳になって60代がリアルに見えて来たことや、娘たちも成人したり大学生になったりで子育ての期間も終わろうとしていることもあり、私の人生の中心的活動期が、平成という時代とともに終わったのかと少し感傷的になったりしていました しかしながら、堺屋さんの投げかけた「何もしなかった日本」というフレーズに、少々ドキリ。それなりに頑張って生きてきたつもりだけど、やり残してきたことや、未完のテーマは無いか?という問いが湧いて来たのです。
さて昨年12月、国は個人住宅の2020年省エネ基準(断熱基準)の義務化を、先送りしてしまいました。 その理由は、ザックリ言えば、「適合率が低いままで義務化すると市場の混乱を引き起こす(消費増税と重なる)」「省エネ基準などに習熟していない事業者が相当程度いる」「申請者、審査者ともに必要な体制が整わない」「デザインに制限かかかると一部のデザイン建築家がやりにくい」というものでした。
これって、一部をのぞき作り手側(行政側)の都合であり、改革の先送り以外なにものでもありません。作り手の一人として、このまま終わるのをよしとするわけにはいきません。 平成の年号になった時に、大手ハウスメーカーを退職し家業である工務店に帰って以来30年、家づくりの第一線で無我夢中で仕事に取り組みました。たくさんの家づくりに関わらしていただきましたが、まだまだ取り組むべきテーマがあります。
私も工務店人生の締めくくりとして、この業界がやり残してきたことを、弊社の若いスタッフと取り組んでいこうと改めて意を強くした次第です。 令和元年にこれから日本はもちろん、皆さんの人生もいかなるテーマに向かわれますか。 ともに、良き人生にするために新時代の幕開けを祝い決意を新たにしましょう!