最近、太陽光発電の買取り単価が下がったことで、「設置すべきか?」「やめるべきか?」と、迷われているお客様の話をよく聞きます。
だいたいこの手の質問をする多くの方が、「元が取れるのか?」を心配し、投資として考える人は、「今からの買取り金額で、利回りがどれくらい取れるのか?」が気になっておられます。 結論から言いますと、新築で太陽光発電を設置した場合、設置コストは7~9年でペイできます。投資利回り(10年間)なら5~6%で廻ると思います。つまり、発電の買取り価格は下がっていますが、同様に太陽光発電システムのコストも下がっているので、イメージほど採算性は低くありません。
しかし、今回この話題を取り上げたのには、もっと重要な理由があります。それが、この4月から実施される関西電力の電気料金の体系の変更です。オール電化といえば、「はぴeタイム」というプラン。この電力量料金が、以下のようになります。
デイタイム(夏期) 1kwh 34.31円→28.44円(-17%)
デイタイム(その他季)1kwh 31.39円→22.47円(-28%)
リビングタイム 1kwh 23.05円→22.47円(-3%)
ナイトタイム 1kwh 10.51円→14.93円(+42%)
単純にみると、深夜電力が高くなっているけど昼間の単価は安くなって、相殺したように見えます。
しかし、実際の時間帯別の使用比率で平均してみると、なんと16%もの値上がりになっています。これから新築を考えられる方は、電気代の値上げ幅をしっかり認識する必要があります。
経産省は、今後の電気代の上昇を年3%とみています。省エネの先進国ドイツあたりでも同様に考えていますので、決して高い上昇率ではありませんので、今回のような16%もの値上げは毎年なくても、やはり確実に上昇してゆくことでしょう。
ちなみに、年3%の価格上昇ってどんな金額イメージかというと、今年間電気18万円っていう家庭なら、10年後には年24.1万円、20年後32.5万円、30年後はなんと42.4万円という感じで累進して増えてゆきます。
またわが国では、「太陽光発電を設置している人はエコだから優遇するけど、設置しない人はエコじゃないので負担してね」ということで、太陽光発電を設置しない方に「賦課金」として電気代を割増で負担をしてもらう仕組みになっています。ですから、太陽光発電を選択しない方の負担は、さらに大きいものになっていくことも予想されます。
「これから、確実に電気料金は上がってゆく。」このトレンドに対して、一般庶民として、唯一リスクヘッジする方法が、太陽光発電を載せて、自己使用分の値上がりを薄め、たとえ将来買取り金額5円とか小さくなっても“確実にお金を稼ぐスキーム”なのです。
もちろん、太陽光発電は4kw程度搭載でも激安で80万円~普通で120万円はする初期コストが必要です。予算には限りがあるので、いざ具体的に考えると抵抗感も強いと思います。
しかし、お金見通しを立てるという点では、税金の損得、住宅ローン選び以上に、値上がりを前提とする「光熱費のシュミレーション」が重要です。
これから家づくりを考えられる方は、必ずやってください。
もちろん、ご不安な方には、シュミレーションのお手伝いさせていただきますので、ご相談ください。