言いたくないですが、本当に暑いですね~。私は現在56歳ですが、子供のころと本当に気候が違って来ています。日本は、シンガポールのような熱帯に近い東南アジアの国の一つになったんだと自覚しないといけないですね。
さてどういうわけか、この国の人々の中に、エアコンのよる冷房をすることへの遠慮や罪悪感を持つ方が多くいます。ひとつは冷房には多額の電気代がかかるという思いと、もうひとつは冷房の中にずっといると体を冷やし過ぎたり、なまらせて体力低下を招いてしまうという、非常に昭和チックな“価値感”あるいは“思いこみ”にあるように思います。
すこし専門的な話になりますが、夏場のエアコンはいったいどれくらい電気を消費するか説明したいと思います。
我が家のリビングにあるエアコンに、消費電力計を差し込んで消費電力を測ってみます。するとスイッチオンした瞬間こそ200Wくらいまでいきますが、落ち着いてくると50Wくらいで推移します。1kWh=28円と仮定すると200Wだと1時間当たり5.6円という計算が成り立ちます。つまり最大でみても、5.6円×24時間×31日=4166円/月となりますので、そんなに大きなものにはなりません。
ここで、冷房をする時の一つのコツが、24時間つけっぱなしにすることです。前述のとおり、エアコンはスイッチオンした立ち上がり時に一番大きく電気を喰います。短時間でスイッチを入り切りしない方が、実は効率的なのです。ですから、無駄な電気を使わないということで、こまめに入り切りするほど、余分に電気代がかかるという逆の結果を招いてしまいます。
実は私の家族も同様でして、その中でも今年77歳になる母が一番かたくなに冷房をかけることに抵抗感を示します。母は夏になると、律義に窓を開けて、外の風を入れたがります。しかしホントのことを言うと高温多湿の日本では、大量の湿気を入れることになりますので、その後暑くなりエアコンを入れた場合には、取り込んだ外気を除湿させる必要も重なりますので、この努力も電気代を抑えることの邪魔をすることになってしまいます。
ただそんなことより、私が一番言いたいことは、今の日本の殺人的な暑さにあっては、冷房を我慢することで起きる身体への負担が一番問題なのです。高齢になった母には、今の暑さはこたえます。脱水症状を起こしたり、血圧を高くしたりことにつながりやすく、仮に電気代が節約できても、体調を崩して病院にかかったりしたら、そんなものはすぐにチャラになってしまいます。もちろん小さなお子さんや若い女性たちも同様です。
日本中のお母さんに言いたい。冷房は我慢しないでください。お金のことよりあなたの身体が心配です。高気密高断熱住宅で日射遮蔽がきちんと設計された上で、適切な冷房計画が行われた場合は、さらにコストもかからなくなるので、そんな家のつくり方を知りたい方、いつでも声をかけてください。