今年前半戦のハイライト、ゴールデンウィークが終わると5月の第二日曜日:母の日がやってきます。「そろそろなんか準備しないといけないなぁ~」と思っていた方にも、この話題に抵抗感をもたれた方にも、大山真弘先生著「お母さんにしてもらったことは何ですか?」という本をご紹介したいと思います。
本書は、お母さんへの「3つの問いかけ」をもとに、自分という人間と心の対話をしながら、「明日への活力を得る」という「内観」について具体的に解説したものです。
その「3つの問いかけ」とは以下の通り、
1) お母さんに「してもらったこと」は何ですか?
2) お母さんに「お返ししたこと」は何ですか?
3) お母さんに「迷惑をかけたこと」は何ですか?
この3つの質問に、1~3年刻みにさかのぼり、じっくりと丁寧に時間をかけて色々な事柄を思い出してゆきます。
やってみるとわかりますが、なかなか大変です。当たり前すぎて考えたこともないという方も多いと思いますし、改めて思い浮かべる「してもらったこと」の多さに驚き、「お返ししたこと」の少なさと「迷惑かけたこと」の多さに、健康的な罪悪感を持つことになる方も多いと思いまず。
今まで当たり前と思っていた事が、実はとても幸せなことだったり、とても得難いものだったり、自分がどれだけ傲慢で、自己中心的だったか…など、お母さんへの思いが湧き出てくるので、母の日という機会を前にして3つの質問に取り組んでみることは超ススメです。
しかしながら、この「内観」という作業は、問いを立てる身近な存在である人に対して、人生の歩みや状況により、許しがたい思いや事柄などがある場合に、なかなかスッキリしません。わだかまりがつかえて、気分が悪くなったり怒りがわいてきたりして、「内観」が進まないこことも決して特別なことではありません。
この本の凄いところは、道徳論を言うのではなくて、「怒り」や「悲しみ」であっても、実際にこの「3つの問いかけ」によって、あるがままに事実を見ることで、人生をよりよく生きるヒントをつかんだ人々のエピソードの紹介を通して、胸に深く入り込んでくることです。もし、あなたがお母さんに何か引っかかりをお持ちなら、ぜひこの本読んでみてください。(お父さん、他の家族、友人など、色々な身近な方々にひっかかりがある方にもお勧めします。)
ともあれ、私たちが今ここに在る奇跡を共に祝いましよう。母の日はお母さんに感謝する日でもありますが、感謝できる自分自身の確認を通して、自分を幸せにする日でもあります。「お母さん生んでくれてありがとう。」と言葉にしてみませんか。