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最近流行りの浴室(UB)を建物の”まん中”に設置する時のポイント

最近、浴室を家の真ん中に配置するというアイデアをよく聞くようになりました。お風呂を家の真ん中に配置した時に、どんなメリットがあって、デメリットとまではいかないけど、どんなことに注意せなアカンのかについて、今日は解説をしていきたいと思います。

そもそもですね、家の真ん中にお風呂を持ってくるなんていうのは、タブーだったんです。でも実は今、スタンダードな浴室には変化が起きてるんです。昔のお風呂はモルタル塗り・タイル張りが普通だったと思います。このような在来工法の浴室を作る時には、木造建物の土台は普通だったら地面から40cmぐらいの所にするんですが、(浴室の場合)1m以上の所に上げなアカンというのがあったんです。

というのは、浴室はいつもふんだんにお湯・お水を使うので湿気やすい。その湿気が基礎と大して高さが変わらない所にいくと土台が腐りやすくて、古い家のリフォームに行ったらお風呂の周りの土台が腐ってるということはよくある。それぐらいやっぱり昔はなるべく湿気を内に籠らせず外に出すということになると、家の外側みたいな所に持ってくるのが浴室のスタンダードな配置だったんです。

それが昨今は在来浴室というのはすごく減ってます。廃れてしまってるぐらいの勢いで、どうしてもタイル張りの特殊なお風呂にしたいという方以外はユニットバスにされるケースが増えてます。ユニットバスというのはご存知のように気密も高いし、特に最近のものは精度がよくて、水はおろか水蒸気さえもほぼ逃がさないようになりましたし、お風呂自体も魔法瓶浴槽みたいな商品名のものがあるように、すごく冷めにくくて温度が保持されるようになってきたということがあります。

なので昔の在来浴槽だったら家の真ん中に持ってくるなんてことはもってのほかだったんですけど、今はそういう選択もできるという技術的な背景ができたということが1つあると思います。

その上で、浴室を真ん中にすることのメリットは何かということなんですけど、ちなみにこれはうちの会社で考えたよくやるパターンの間取りなんですけど、こんな感じで家の外周があって、真ん中にお風呂(UB)が入ってるわけです。

一方、さっきも言いましたように、スタンダードのものはこんな感じでお風呂の位置はこの辺りになることが多いです。では真ん中にした時に何がいいかということですが、一番は好まれるプランの要素に多いということなんです。

最近よく聞くのは、回遊型の間取り。行き止まりがなくぐるりぐるりと家の中を回っていけるような、それから1階部分なんかにデイリークローゼットとかファミリークローゼットと言われている通常2階の寝室側に持ってくるようなものを1階に持ってきて、身支度・家事のやり取りがしやすくなるようにしたい。それから洗濯室を繋げて充実させたい。室内物干(スペース)もできたら取りたいみたいな要望があって、それこそ在来浴室が前提の時代はどっちかと言うと働き手はお父さんでお母さんは割と専業主婦で家事をやるという形でしたが、今は共働きで夫婦で協力し合って家事も分け合ってやるというのが主流じゃないですか。そういう理由でこういうものが好まれてるということがよくわかります。なのでそのプランをやる時に(浴室を)端っこにするよりは真ん中に持ってくる方が回遊性が取りやすいし、この辺りの希望されるものが配置しやすいということがメリットとしてあるんです。

これが結構人気があって、真ん中に持ってくると当然窓は取れないんですけど、窓はなくていいです。窓があったら掃除が面倒臭いし、マンション暮らしで窓なしの浴室に慣れているので、特に違和感はありません。という方が多いんです。僕も最初は抵抗があったんですけど、今は窓なしの浴室でもそんなに(抵抗はないので)壺庭でも作って庭を眺めながらお風呂に入りたい人以外はいいのかなと思ったりします。

そして、この時に1つ危惧される問題があります。浴室は当然使っている時はベチャベチャになるけど、使わない時は速やかに水が切れて乾いて欲しいという気持ちがありますよね。ずっとベチャベチャだったら当たり前ですけど、お風呂の中には人の体の油・石鹸とかが飛び散ってるから、どうしてもカビみたいなのが生えやすいので、それを防ぐために乾かしておきたい。それから毎日水を流してもスッと速やかに水が切れるようにしたいということがあるじゃないですか。

それで、みなさんに知ってもらえたらと思うのが、スタンダード配置の時もそうですけど、真ん中配置の時にどうやってお風呂を快適に乾かすのかという4つの方法についてです。まず1つが、お馴染みの換気扇です。換気扇をビューッとかけて乾かしていく。それから浴室乾燥機、まさに乾燥させる機械。これは浴室を乾燥させるというよりは、浴室の中に干した洗濯物を乾かすのに使うと思うんですけど、洗濯物も乾くぐらいですから、当然浴室の中も乾きやすいです。

でも、この2つは一長一短みたいなところがあって、例えば換気扇に関しては一般的にお風呂につける換気扇だと1時間あたり30㎥〜70㎥ぐらいしか排気ができないものが多いんです。そうするとあまりにも少ないので乾きにくいんじゃないかなと思います。だから夏の暑い空気がカラカラな天気の時は、天気の影響を受けない構造になってしまいますので、そういうことは望めないからちょっと心もとないかなと思います。

一方、乾燥機に関しては乾くとは思うんですけど、電気代が結構かかります。たまにだったら雨の日で洗濯物も乾かない時とかに動かすのはいいと思いますが、毎日のことになるとどうかなという感じがあります。

そこで僕がお伝えしたいのが、浴室に人工的に風を送るというやり方です。排気は「出す」ものですが、人工的に風を「入れる」んです。その1つの方法が、アイリスオーヤマさんみたいなところでよく作られているサーキュレーター。小さい扇風機のトルネードでビヨーンとたくさんまっすぐ風が出るやつです。それをUBの中に置いてもいいし、ちょっとドアを開けといて床に置いてUBの中に風を送ってもいいです。そうするとサーキュレーターで乾かしたことがある人はわかると思うけど、意外とよく乾きます。なので、例えばお父さんがお風呂に最後に入ってお母さんから「お風呂洗ってから出てくれたら嬉しいわ」と言われたら、よっしゃ頑張るわ!みたいな感じで自分が洗った後についでにお風呂も洗って綺麗に流して石鹸カスも飛ばしてからサーキュレーションファンをつけて寝たら翌日はカラッとしてるというのが実感としてはあります。

断面図で書くと、お風呂の浴槽があって脱衣場から風を送っていく。そして、UBの換気扇は残しておいた方がいいと思います。というのは、お風呂の中の掃除の時にどうしても洗剤の臭いが残ったりとかいくら頑張ってもカビができたりすることがあるじゃないですか。そういう時、カビキラー・ハイターみたいなものを使うと思いますが、あれは塩素系で臭気も強いから即座に排気した方がいいので、そういう意味では換気扇を絶対つけなアカンと思います。サーキュレーションファンがあれば換気扇がいらないということじゃなくて、換気扇は必要な時に回す。基本はサーキュレーションファンでいつもカラッとした状態にするという感じです。

あとは脱衣場に関しては、廊下などの脱衣場に隣接する空間から空気を送って、さらに脱衣場からUBに送るというのが空気の流れとしては非常にいいんじゃないかなと思います。これはまだまだ一般的なやり方じゃないので、正直僕も毎回の計画の中でどういう風にやれば一番有効かなと考えながらやってる1人なので、ただ闇雲にやればいいんじゃなくて、ある程度は考えながら、その辺をよく熟知されている工務店の方と相談をされながらやってもらうと、真ん中浴室は結構快適で使いやすいし運用もしやすいということになると思いますので、この辺を頭に置いておいてもらったらどうでしょうか。

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